【廃棄薬削減】 薬の廃棄率を下げるための戦略について徹底解説

2021/8/12(木)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は廃棄率削減についてです。
 

廃棄率。  

前回、廃棄率削減の重要性についての記事を書きました。

「重要性はわかったが、実際にどうすればいいの?」

という疑問を持つ人がほとんどだと思いますので、今回はMr.Tが実際に行っている廃棄率削減方法について説明していきたいと思います。  

廃棄率削減の重要性についての記事はこちらから

 

現在の状況を知る

まず、現在の状況を知るところから始めましょう。

廃棄薬は当店舗では処方されないから出てしまうものです。

基本的には他店舗に引き取ってもらう、業者に頼むなどの方法しかありませんが、むやみに行っていても効率が悪く、目標を達成することができません。

その前に現状を知るところから始めましょう。  

廃棄率の目標は?

会社、あるいはその薬局での廃棄率の目標を確認しましょう。

金額なのか、割合なのか。

数値によってどのような戦略を立てていくのか異なるので、しっかりと確認しましょう。    

1年間、1ヶ月の薬剤料は?

廃棄率 = 廃棄金額 ÷ 薬剤料

で算出されます。

まず、自店舗の薬剤料を計算してみましょう。

1年で劇的に数値が変わるということは新店ではない限りありませんので、昨年の数値をサンプルにして計算し、おおよその金額を出してみましょう。    

どれだけの廃棄額を出せる?

上記で廃棄金額の目標、薬剤料を出しました。

例を挙げて計算してみましょう。

 

廃棄率目標:1%
昨年1年間の薬剤料:120,000,000 
1ヶ月の薬剤料:10,000,000

 

計算を簡単にするために1ヶ月の薬剤料を1千万円とし、1年間で1億2千万円の薬剤料を使用しているとします。  

廃棄率 = 廃棄金額 ÷ 薬剤料 

より、

廃棄金額 = 廃棄率 × 薬剤料  

1年間の廃棄金額は
廃棄金額 = 0.01(1%) × 120,000,000
             = 1,200,000  

1ヶ月の廃棄金額は
廃棄金額 = 0.01(1%) × 10,000,000
             = 100,000  

1年間で120万円、1ヶ月で10万円の廃棄金額を出せることがわかります。  

 

リストを出す

リストを出すときに五十音順でリストを出し、「ア」から一つずつ処理するのは時間の無駄です。

センスがないです。

優先順位を決めるためにも高額医薬品・期限切迫品のリストを出しましょう。

薬局でソフトを使っていれば出せると思いますし、Excelにデータを移し、フィルター機能を使えばすぐにできます。    

高額医薬品のリスト

算定期間の高額医薬品のリストを出してみましょう。

明らかに高い薬から処理した方が効率的です。

廃棄金額が10万円の薬と10円の薬、どちらの優先順位が高いですか?      

期限切迫品のリストを出す

算定期間の期限切迫品のリストを出してみましょう。


  • 1年間のトータル
  • 1ヶ月ごとの計12枚
  • 更に高額医薬品順にリストを出す 

 

明らかに期限が近い薬から処理した方が効率的です。

期限が残り3カ月の薬と12カ月の薬、どちらの優先順位が高いですか?      

 

どちらから処理していく?

リストを出したところで高額医薬品と期限切迫品のどちらから処理していくかを考えます。

明らかに高額医薬品かつ期限切迫品の薬から処理していった方がいいでしょう。

最優先事項です。

後は自店舗の数字と相談し、自分で判断しましょう。

期限が近すぎるものはどこの店舗も取ってくれません。

特に外用剤などで薬に期限が記載してあるものはほぼ不可能です。  

 

ある程度見切りをつける

期限切迫品から処理するのがオススメですが、廃棄金額が低いものを一生懸命処理する必要がありますか?

上の例では、1ヶ月で薬剤料が1千万、10万円の廃棄金額を出せるとのことでした。

廃棄金額が100円のものは1ヶ月で廃棄率がいくらになるでしょう?

0.001%ですね。

この薬を処理する意味はあると思いますか?

確かに数が多ければ「塵も積もれば…」で膨れ上がりますが、100円の薬だったら100個廃棄しても1万円、これでやっと0.1%です。

どれぐらいの個数がリストで挙がるかは店舗によりけりですが、薬剤料が多い店舗ほど廃棄薬の数も多くなっていきます。

すべて処理するのは不可能です。

ある程度の見切りをつけるために1年間、1ヶ月間の数値を算出し、リストを出しているのです。

1年、1ヶ月のリストを見ながら、

「この金額以下は廃棄していいや」

という、見切りをつけましょう。      

 

他の店舗でよく出るところを探す

ある程度戦略を立てることができたら他の店舗にかけあいましょう。

個人の店舗でない限りはグループとして経営しているのでパイプがあるでしょう。

個人の店舗でも薬剤師会に入っていればお願いすることもできるでしょう。

不動在庫を買い取ってくれる業者もあります。

利用したことがないので金額などの詳細はわかりませんが…  

 

分類して手分けする

一人店舗でなければ仕事を分担しましょう。

先ほど言ったように、すべての薬を処理することは不可能ですし、できたとしても非常に効率が悪い。

だからリスト化しているのです。

例えばMr.Tだったら4段階にわけます。

 

①高額医薬品かつ期限切迫品
②①以外で早めに処理して欲しい薬
③優先事項が低い薬(そこまで高額ではない、まだ期限に余裕があるなど)
④期限切迫品ではないが不動在庫の薬  

 

①は自分がやるか、絶大な信頼を置ける人に任せます。

②は信頼がおける人に任せます。

③はこれから在庫管理を任せたいと思う人に任せます。

④は数字には関係してこない不動在庫で、新人や在庫管理をまったくやったことのない人に練習で任せます。  

このようにすることで仕事が分担され、効率化が図れます。

慣れてくると周りのレベルがどんどん上がっていき、数字が若くなってくるので自分の負担が少なくなってきます。  

他の人に任せている場合は定期的に様子を見ましょう。

月が過ぎるにつれて期限が切迫してくるので、処理できないとすべて自分に回ってくる可能性もあるので注意を。

 

まとめ

  廃棄率の削減方法について説明してきました。 文章にすると長いですが、単純にすると


  • 現状を知る
  • リスト化して目に見えるようにする
  • 戦略を立ててある程度の見切りをつける 
  • 仕事を分担する

 

これだけなんですよね。

現状を知らず、何も目標を立てず、見切り発車で片っ端から処理していこうとするから非効率的なんです。  

確かに色々数字を出したり、リスト化するのは面倒くさいですし、時間もかかります。

しかし、パソコンのスキルがあれば計算やリスト化はパソコンが勝手にやってくれます。

だからこそ調剤業務だけでなく、数字やパソコンスキルも必要だと何度も言っているのです。

目に見えるようにするというのは何をするにも有効的です。

ゴールが見えないと頑張れませんから。

何事も何も考えずにゴリ押しで行くのではなく、ある程度戦略を立てた方がスマートですよ。

今回は例を挙げて説明しましたが、計算しやすいように廃棄率は1%で計算しました。

1%だと結構な廃棄金額を出せそうですね。

しかし、Mr.Tの会社では1%なんて数字はとんでもありません。

もっと厳しいです。

その中でも今回紹介した戦略で0.15%以下という数字を毎年のように残せています。

何も考えずに今まで取り組んていた人、廃棄率に関して悩んでいる人は今回の記事をぜひ参考にしてみてください。

 

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