10錠シートではない意図は? 1シート10錠ではない薬の用法・用量を調べてみた

10錠シートではない意図

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は1シート10錠ではない薬の用法・用量についてです。
 

1シート10錠ではない薬。

以前、1シート10錠ではない薬についてまとめました。

1シート10錠ではない薬についての記事はこちらから

 

薬剤師にとって1シート10錠以外の薬は過誤の元です。

ほとんどの薬が1シート10錠包装なので、きちんと理解していないと確実に過誤を起こします。

当然、Mr.Tも経験はあります。

それならばすべて10錠シートにしてしまえばいいのでは?

と思うのですが、どうやら10錠シートにしない理由がありそうです。

今回は1シート10錠ではない薬を用法・用量の観点から見ていきます。  

なお、頓服で服用する薬は省きます。
用法・用量は各医薬品の添付文書から引用しますが、適宜増減などは省き、投与量が記載されている箇所をピックアップします。

 

1シート 6錠

オーグメンチン配合錠125SS/250RS

一般名:クラブラン・アモキシシリン

薬効分類名:複合抗生物質製剤  

用法及び用量

オーグメンチン配合錠125SS

通常成人は、1回2錠、1日3〜4回を6〜8時間毎に経口投与する。

オーグメンチン配合錠250RS

通常成人は、1回1錠、1日3〜4回を6〜8時間毎に経口投与する。

 

オーグメンチン配合錠は125SSと250RSの2種類あります。

125SSは1回2錠、1日3〜4回。
250RSは1回1錠、1日3〜4回。

以上のように添付文書には書かれています。  

抗生物質は長期間飲むものではありません。

6Tシートなので1回2錠、1日3回であれば1シートで1日分。

1回1錠、1日3回であれば1シートで2日分  

きれいになくなります。

調剤もしやすいですね。  

疾患によって量や日数は変わってくるので1日4回だときれいになくならないのですが、大抵1日3回の方がコンプライアンスがいいので1日3回で処方される頻度がMr.Tの薬局では多いです。

1日4回って結構忘れがちなんですよね。

 

オーグメンチンに関する記事はこちらから

 

ジスロマック錠250mg

一般名:アジスロマイシン  

薬効分類名:15員環マクロライド系抗生物質製剤

用法及び用量  

成人にはアジスロマイシンとして、500mg(力価)を1日1回、3日間合計1.5g(力価)を経口投与する。

<尿道炎、子宮頸管炎>
成人にはアジスロマイシンとして、1000mg(力価)を1回経口投与する。

<骨盤内炎症性疾患>
成人にはアジスロマイシン注射剤による治療を行った後、アジスロマイシンとして250mg(力価)を1日1回経口投与する。  

 

疾患によって使い方が異なりますが、一番目の「成人にはアジスロマイシンとして、500mg(力価)を1日1回、3日間合計1.5g(力価)を経口投与」の処方頻度が多いです。

Mr.Tの薬局では主に歯科からこの処方がよく来ます。

ジスロマック錠には患者さん用のパッケージが販売されています。

 

ジスロマック1 ジスロマック2  

使い方が書いてあるので非常に便利です。

ジスロマックは他の抗生物質に比べて効果の発揮時間が少し特殊な薬なので、一回の説明だとどうしても理解できない可能性があります。

患者さん用のパッケージには飲み方も書いており、1シートで調剤完了なので過誤も起こしにくく、とても便利です。     

バルトレックス錠500

一般名:バラシクロビル  

薬効分類名:抗ウイルス化学療法剤

用法及び用量(*成人のみ)

〈単純疱疹〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。  

〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

〈帯状疱疹〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

〈水痘〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。  

〈性器ヘルペスの再発抑制〉
通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。  

 

適応がたくさんありますね。

しかし、使い方のパターンはほとんど同じです。  

  • 1回500mgを1日2回
  • 1回1000mgを1日3回
  • 1回500mgを1日1回    

バルトレックスは抗ウイルス薬であり、基本的には長期投与するものではありません。

1錠500mgなので、上記の使い方だと6Tシートの方がきれいに使いきれますね。

 

バルトレックスを長期投与する場合はこちらの記事から

 

ファムビル錠250mg

一般名:ファムシクロビル  

薬効分類名:抗ヘルペスウイルス剤

用法及び用量

〈単純疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。また、再発性の単純疱疹の場合は、通常、成人にはファムシクロビルとして1回1000mgを2回経口投与することもできる。  

〈帯状疱疹〉
通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。  

 

ヘルペスに使われる薬です。

バルトレックスと理論は同じですね。    

ファリーダックカプセル10mg/15mg

一般名:パノビノスタット

薬効分類名:抗悪性腫瘍剤/ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤

用法及び用量

ボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはパノビノスタットとして1日1回20mgを週3回、2週間(1、3、5、8、10及び12日目)経口投与した後、9日間休薬(13〜21日目)する。
この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。

 

ファリーダックカプセルは抗がん剤です。

抗がん剤は投与量が人によって変わってくるので非常に難しいです。

1日1回20mgを週3回であれば10mgを1日に2T、週3回で1シート使い切る計算になります。

抗がん剤は飲み間違いをすると副作用が出やすく非常に危険です。

また、1錠あたりの薬価が高いので、面でやっていてあまり抗がん剤の処方箋が来ない薬局は在庫を置いておきたくないのが本音です…

患者さんのコンプライアンスや飲み間違いの観点からすると10錠シートではない方がいいようですね。           

ホスレノールチュアブル錠500mg

一般名:炭酸ランタン

薬効分類名:高リン血症治療剤

用法及び用量  

通常、成人にはランタンとして1日750mgを開始用量とし、1日3回に分割して食直後に経口投与する。

以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日2,250mgとする。  

 

ホスレノールチュアブル錠には250mgの規格があり、こちらだと1日750mgを開始用量に使いやすいです。

しかし、250mgには10錠シートがあるので500mgの6Tシートの理由は何ともいえません…

1日1500mgで使うのであれば活躍しそうですね。

 

1シート 8錠

エフィエント錠5mg

一般名: プラスグレル

薬効分類名:抗血小板剤

用法及び用量  

通常、成人には、投与開始日にプラスグレルとして20mgを1日1回経口投与し、その後、維持用量として1日1回3.75mgを経口投与する。  

エフィエントには規格が4種類あります。

  • 2.5mg
  • 3.75mg
  • 5mg
  • 20mg  

以上の4つの規格があります。

5mgには10錠シートも販売されているのでなぜ8錠シートを作ったかは謎ですね。

ゼルボラフ錠240mg

一般名: ベムラフェニブ

薬効分類名:抗悪性腫瘍剤/BRAF阻害剤

用法及び用量

通常、成人にはベムラフェニブとして1回960mgを1日2回経口投与する。  

1回960mgを1日2回であれば、240mgを4T、1日2回でちょうど1シート分です。

理にかなっていますね。

上記で説明したファリーダックカプセルと同様、抗がん剤なので飲み間違いに注意しなければなりません。

1日分が1シートだと間違いにくくなります。 

リアルダ錠1200mg

一般名:メサラジン

薬効分類名:潰瘍性大腸炎治療剤

用法及び用量  

通常、成人にはメサラジンとして1日1回2,400mgを食後経口投与する。

活動期は、通常、成人にはメサラジンとして1日1回4,800mgを食後経口投与する。

 

1日1回2,400mgであれば、1Tが1200mgなので2Tを飲めば1日分。

1シート8錠なので4日分持つことになります。

4800mg服用であれば1回4Tで2日できれいになくなります。

 

1シート 8カプセル

イトリゾールカプセル50

一般名:イトラコナゾールカプセル

薬効分類名:経口抗真菌剤

用法及び用量  

内臓真菌症(深在性真菌症)
通常、成人にはイトラコナゾールとして100〜200mgを1日1回食直後に経口投与する。
ただし、イトラコナゾール注射剤からの切り替えの場合、1回200mgを1日2回(1日用量400mg)食直後に経口投与する。

深在性皮膚真菌症
通常、成人にはイトラコナゾールとして100〜200mgを1日1回食直後に経口投与する。
ただし、1日最高用量は200mgとする。

表在性皮膚真菌症(爪白癬以外)
通常、成人にはイトラコナゾールとして50〜100mgを1日1回食直後に経口投与する。ただし、爪カンジダ症及びカンジダ性爪囲爪炎に対しては、100mgを1日1回食直後に経口投与する。
ただし、1日最高用量は200mgとする。

爪白癬(パルス療法)
通常、成人にはイトラコナゾールとして1回200mgを1日2回(1日量400mg)食直後に1週間経口投与し、その後3週間休薬する。これを1サイクルとし、3サイクル繰り返す。

 

適応がたくさんありますが、使い方のパターンはほとんど同じです。

  • 100〜200mgを1日1回食直後
  • 1回200mgを1日2回(1日用量400mg)食直後
  • 50〜100mgを1日1回食直後
  • 100mgを1日1回食直後  

 

1カプセルが50mgなので1回2、4カプセル飲めば1回が100、200mgになります。

原則、イトリゾールも長期間飲む薬ではないので必要最低限の量しか処方されません。

処方日数にもよりますが、1シート8カプセルの意味はあまりないかもしれないです…

イトリゾールも1カプセル当たりの薬価が高いことが影響しているかもしれません。 

 

1シート 12錠

SPトローチ0.25mg「明治」

一般名:デカリニウム塩化物

薬効分類名:口腔用剤

用法及び用量

デカリニウム塩化物として、通常1回0.25mgを1日6回投与し、口中で徐々に溶解させる。

 

トローチは風邪などでよく処方される薬です。

1回1T、1日6回なので、1シート12錠で2日でなくなる計算になります。

1シート12Tというのは非常に間違いやすいのですが、用法が1日6回なので、6の倍数だと頭に入れておけば間違いにくくなるでしょう。

重曹錠500mg「マイラン」

一般名:炭酸水素ナトリウム錠  

薬効分類名:制酸剤

用法及び用量    

通常、成人には炭酸水素ナトリウムとして、1日3〜5g(6錠〜10錠)を数回に分割経口投与する。

 

1日3〜5g(6錠〜10錠)なので、幅が広いです。

6Tであれば2日で1シート無くなりますね。

幅が広いので12Tシートの意味が発揮できていない気が… 

ヘモリンガル舌下錠0.18mg

一般名:静脈血管叢エキス

薬効分類名:痔疾治療剤

用法及び用量  

通常、静脈血管叢エキスとして1回0.18mg(本剤1錠)を1日3回舌下投与する。

 

1Tを1日3回で4日分で1シート消費されます。

1Tを1日3回の薬はたくさんあるので、1シート12錠にする意味はあまり…

 

1シート 12カプセル

リパクレオンカプセル150mg

一般名:パンクレリパーゼ

薬効分類名:膵消化酵素補充剤

用法及び用量  

通常、パンクレリパーゼとして1回600mgを1日3回、食直後に経口投与する。

 

1回600mgを1日3回なので、1回4Tを1日3回。

1日で1シート消費されます。

1シートが1日分だと患者さんもわかりやすいですね。

 

1シート 15錠

オプスミット錠10mg

一般名: マシテンタン

薬効分類名:エンドセリン受容体拮抗薬

用法及び用量  

通常、成人には、マシテンタンとして10mgを1日1回経口投与する。  

 

これは、正直理由がわかりません。

1日1回1Tであれば10Tシートでもいい気がします。

タチオン錠50mg/100mg

一般名: グルタチオン製剤

薬効分類名:グルタチオン製剤

用法及び用量

還元型グルタチオンとして、通常成人1回50〜100mgを1日1〜3回経口投与する。

 

こちらも1シート15Tにする意味があまりないですね。

10錠シートに統一してもらいたいです。 

 

1シート 20錠

エクセラーゼ配合錠

一般名: サナクターゼM、メイセラーゼ、プロクターゼ、オリパーゼ2S、膵臓性消化酵素TA  

薬効分類名:消化酵素製剤

用法及び用量  

通常、成人1回1錠を1日3回食後直ちに経口投与する。

 

20錠シートはMr.Tが知っている限り、エクセラーゼだけです。

ジェネリックを含めれば、他にあるかもしれません。

1回1錠1日3回で1シート20錠…

意味があるのでしょうか?

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

用法・用量の観点から見ると、10錠シートではない理由がある薬が結構ありますね。

バルトレックスやリパクレオンは10錠シートでは使いにくそうです。

中には理由が不明な薬もありますが、理由が明確だと知識に定着しやすく、忘れにくくなります。

結果的に過誤する確率が低くなるでしょう。

知らない、忘れてしまっているからこそ過誤が起こってしまいます。

過誤を起こした後に「知らなかった」、「忘れていた」は通用しません。

このような事態にならないためにも使える知識は使っていき、薬局内で共有するようにすれば薬局全体としてのレベルが上がっていきますよ。 

 

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Posted by Mr.T