
こんにちは。Mr.Tです。
今回は公費の自己負担上限額管理票の種類についてです。
公費の自己負担上限額管理票。
公費とは簡単に説明すると、国や自治体が税収を財源として、医療保険制度とは別に費用の負担を行う制度のことです。
社会的弱者の救済や社会福祉、公衆衛生の向上、難病の治療や研究を目的としたものでもあります。
公費を適用する場合、自己負担上限額管理票を記載しなければならない公費があります。
公費の種類はたくさんありますが、この自己負担上限額管理は大きくわけて2種類しかありません。
今回は代表的な公費を例にして注意事項を挙げながら説明していきます。
なお、上限額管理票の詳しい記載方法は以下の記事で詳しく書いてます。
もっと詳しく
Contents
自己負担上限額管理票とは
患者さんの所得や治療内容によって、ひと月の上限額が設定されます。
この設定された金額を自己負担上限額といいます。
例えば上限額が¥5,000だとしたら、¥5,000までは患者さんが負担しますが、¥5,000を超えた分は国が負担します。
患者さんはひと月に¥5,000まで払えばいいことになります。
病院と薬局の合算なので、どちらかでも記載にミスがあると患者さんだけでなく、他の医療機関にも迷惑をかけることになります。
自己負担上限額管理票(以下、管理票)には以下の記載項目があります。
- 月間自己負担上限額
- 日付
- 医療機関名
- 医療費総額(難病のみ)
- 自己負担額
- 自己負担累計額(月額)
- 徴収印
- 上限に達した医療機関名
医療費総額(10割分)の記載あり
医療費総額(10割分)の記載があるのは基本的に指定難病のみです。
上限額に達しても引き続き記入はしなければなりません。
指定難病(54~)
指定難病の公費は収入によって区分が違ってきます。
収入が高い人ほど上限金額が高くなります。
保険で3割負担の人は2割負担で計算され、1割負担の人は1割のままで計算されます。
難病だけ医療費総額(10割分)を記入する欄あります。
医療費総額(10割分)の記載なし
医療費総額(10割分)の記載がない公費は基本的に指定難病以外です。
今回は代表的な公費の小児慢性、更生医療・精神通院・肝炎について説明します。
上限額に達したらその後の受診については記載しなくてもいいようですが、Mr.Tは念のため記載しています。(②の項目)
病院でも記載しているので薬局でも記載しておいた方がいいかと。
また、受給券使用とも記載が必要なのですが、Mr.Tは書いたことがありません。(①の項目)
書かなくても問題になったことはありませんし、書いたところを見たことがありません。
こちらも県や市によって違ってくる場合があるのできちんと確認しておきましょう。
小児慢性(52~)
小児慢性の公費は収入によって区分が違ってきます。
収入が高い人ほど上限金額が高くなります。
子供は基本的に「こども医療費」の公費を使うことが多く、併用の形が多いです。
「こども医療費」に関しては、市が管轄しているので公費の番号が県によって違ってきます。
*呼び方も様々。子供医療費、子ども医療費、こども医療費など。
こども医療費が薬局で使えるかどうかは市によって違うので注意しましょう。
自分が住んでいる市ではこども医療費が使えますが、隣の市で使うとなると地域ごとに違うのでわかりません。
こども医療費との併用の場合は、保険割合は2割負担で計算されますが、実際に支払いはありません。
2割負担で記入するだけOKです。
上限額まではこども医療費で負担されます。
こども医療費が使えない場合は2割分、上限金額まで患者さんに支払ってもらう形になります。
小児慢性はこども医療や重度心身障害との併用が多いので注意しましょう。
更生医療・精神通院(15~、16~、21~)
更生医療・精神通院の割合負担は1割負担です。
収入による適用区分はありません。
受給者証には自己負担上限額のみ書かれています。
重度心身障害の公費を併用している人が多いので注意しましょう。
肝炎(38~)
肝炎の公費の自己負担は3割負担(患者の割合負担による)です。
自己負担上限額は収入により決まり、1万円か2万円のどちらかです。
肝炎以外の治療には使えません。
まとめ
代表的な公費の自己負担上限額管理票をまとめてみました。
基本的な確認、記入方法はどれも同じです。
形さえ覚えてしまえばどの公費が来ても対応できるでしょう。
最初は細かいところまで覚えなくても構いません。
「難病は2割…」 などは後回しで大丈夫です。
保険証、受給者証、上限額管理票、処方せんの4つが間違いなく記載されていれば問題ありません。
県や市、薬局によってもやり方が違う場合があるのできちんと確認しておきましょう。
もっと詳しく
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