
どこの薬学部に行くか迷ってるの。
国家試験の合格率が高い大学を選んだ方が安心だよね。

国家試験の合格率を基に判断するのも一つの手だけど、数字をそのまま信じるのは危険だよ。
公表されている合格率にはからくりがあるから注意が必要なんだ。
こんな方におすすめ
- 薬学部に入りたい人
- 薬剤師国家試験の合格率について詳しく知りたい人
- 薬剤師国家試験の合格率を判断材料に大学を決めたい人
どこの大学の薬学部に入ろうかどうか迷っているときに、国家試験の合格率は判断材料の一つです。
高ければ高いほど薬剤師になりやすい、教育がしっかりしていると思うのは当然のことでしょう。

Mr.Tも国家試験の合格率を判断材料の一つにしたよ。
その時はまだ合格率のからくりについて知らなかったんだ。
国家試験の合格率で、公表された数字をそのまま鵜呑みにするのは非常に危険です。
合格率の裏側にはからくりがあり、そのからくりをしっかりと理解しておかないと入学してから痛い目にあいます。
今回は薬剤師国家試験の合格率のからくりについて説明していきます。
Contents
薬剤師国家試験合格率のからくり
この章では薬剤師国家試験の合格率のからくりについて説明していきます。
第107回の合格率
第107回の合格率と、国公立・私立の上位3大学の数値を見てみましょう。
開催年 | 試験回数 | 合格率 (全体) | 合格率 (6年制新卒) | 合格率 (6年制既卒) |
2022年(R4) | 第107回 | 68.02% | 85.24% | 40.75% |
国公立 | ||||
金沢大学 | 95.24% | 94.12% | - | |
徳島大学 | 91.94% | 97.73% | 75.00% | |
北海道大学 | 88.89% | 93.33% | 100.00% | |
私立 | ||||
名城大学 | 92.51% | 96.04% | 78.38% | |
昭和大学 | 90.95% | 94.22% | 77.78% | |
医療創生大学 | 90.57% | 92.16% | 50.00% |
国公立・私立共に、上位3校は高い合格率を誇っていることがわかります。
しかし、日本で一番の大学である「東京大学」がランクインしていなかったり、国公立と私立の合格率が同程度なことなど、疑問に思うことも多いでしょう。
以下で合格率のからくりを説明していきます。

合格率だけでみると薬剤師の国家試験は簡単そうに見えるよね。
でも実際には問題の難易度はすごく高いんだ。
合格率の算出方法
合格率の算出方法は以下の式です。
ポイント
「合格者数 ÷ 受験者数」
当たり前だと思う人が多いですが、この式に重要な意味が隠されています。
国家試験の合格率はこの「合格者数 ÷ 受験者数」だけに注目が行きがちですが、「出願者数」にも目を向けなければいけません。
出願した人が全員受験できるとは限らず、出願者数と受験者数が大きく異なる大学も多いのです。

当日体調不良とかで残念ながら受けられなかった人もいるんだけど、それ以上にもっと重要な事実が隠されているんだよ。
出願者数と受験者数の違い
出願者数と受験者数が違う理由は体調不良など様々ありますが、一番の原因は国家試験を受験する資格が与えられなかったということです。
卒業試験に合格できずに留年してしまい、国家試験を受けられなかった人も多いので、出願者数と受験者数に大きな相違が出てしまいます。
この傾向は私立で顕著なので、私立の出願者数と受験者数を見てみましょう。
大学名 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
名城大学 | 290 | 267 | 247 |
昭和大学 | 224 | 210 | 191 |
医療創生大学 | 63 | 53 | 48 |
第107回の国家試験で私立大学トップの合格率を誇る名城大学は、23人もの人が国家試験を受けていないことがわかります。
仮に出願した人が国家試験を受験した場合の合格率は以下のようになります。
大学名 | 合格率 (受験者数 ÷ 合格者数) | 合格率 (出願者数 ÷ 合格者数) | 出願者数 - 受験者数 |
名城大学 | 92.51% | 85.17% | 23 |
昭和大学 | 90.95% | 85.27% | 14 |
医療創生大学 | 90.57% | 76.19% | 10 |
出願者数 ÷ 合格者数で計算すると、この中では昭和大学が一番合格率が高い計算になります。
出願者数と受験者数に大きな開きがある場合は卒業試験が難しく、留年してしまう人が多い可能性があるので注意しましょう。

後で詳しく説明するけど、国家試験に受かりそうにない人を受けさせてしまうと合格率が下がってしまうから、大学側としてはあまり受けさせたくないんだ。
留年・退学は考慮されていない
薬学部は留年や退学が多い学部です。
ストレートに国家試験までたどり着くためには一生懸命勉強しなければなりません。
上記で紹介した出願者数が全員ストレートで進級してきた人とは限らず、留年した人も含まれているので注意が必要です。
残念ながら途中でリタイアしてしまう人もいますが、カウントされません。
進級率が低い大学ほどテストが難しいなどということもあるので、数字だけに惑わされないようにしましょう。

新卒の数がすべてストレートで進級してきた人の数ではないってことだよ。
薬剤師国家試験の合格率は大学のアピールポイント
この章では薬剤師国家試験でからくりが生じる理由を説明していきます。
私立は合格率が最大のアピールポイント
近年、私立の薬学部が乱立され、薬学部に入学するのは以前に比べて難しくなくなりました。
私立大学は自分の大学に生徒を集める必要があるためにあらゆるアピールをしますが、一番わかりやすいアピールが国家試験の合格率なのです。
国家試験の合格率が高いというだけでインパクトが違います。
いくら環境がいい、教授が優秀などと謳っても合格率が低ければ行きたいとは思いませんよね。
上記で説明した通り、留年者や退学者、出願数と受験者数などのからくりを受験生は知らないため、見た目だけの合格率に騙されてしまう人が多いのです。

騙すという言い方はちょっと言い過ぎかもしれないけど、中身をきちんと知らないと結局は自分が痛い目を見ることになるんだよ。
国公立は研究志望が多い
国公立大学の方が私立大学より入るのが難しいのは受験生の間では常識だと思います。
勉強する科目数が多く定員も少ないため、国公立の薬学部に入れる人はとても優秀な人たちです。
また、学費も私立に比べて安いので、国公立は学生にアピールする必要がなく、自然と優秀な生徒が集まってきます。
国公立に入れる人ほど優秀な人たちは薬剤師になるより研究職に就く人が多いです。
国家試験に合格しないと薬剤師にはなれませんが、研究職に就くのであれば薬剤師免許は必要ありません。
以上の理由より、国公立は私立大学に比べて国家試験対策に力を入れていないため、学生の質と合格率が比例しない傾向があるのです。

国公立の方が人数も少ないし、国家資格を取らなくても大丈夫だと思う人もいるから、合格率で判断するなら私立を見た方がいいよ。
国家試験の合格率が高すぎて問題になった大学もある
国家試験の合格率が高すぎて問題になった大学もあります。
その大学は全大学の中で合格率トップの成績をたたき出したのですが、卒業試験でたくさんの人を留年させ、合格する見込みがある人だけを国家試験に受けさせるという行為を行ったのです。
卒業試験に受からなかった人が多かったため、周りから問題視されてしまったのですね。
この問題以降はあまり卒業試験で留年者を出すことはしなくなったようですが、合格率はやはり下がってしまったみたいです。
以前にこのような問題が発生してしまったため、現在ではあからさまに卒業試験でたくさんの人を落とすことはしないでしょう。

卒業試験の方が国家試験より難しい大学もあるからね。
合格率を意識するのであれば確実に受かる人を受けさせたいのはわかるけどやり方がちょっとね…
使い終わった参考書や教科書は買取業者に買い取ってもらおう
大学受験が終わったら、使っていた赤本などの参考書や教科書は捨てずに業者に買い取ってもらいましょう。
赤本などは新しいものが出る前に売ってしまえば高額で買い取ってもらえます。
買取業者はたくさんありますが、その中でも「学参プラザ」がおすすめです。
学参プラザは、参考書や赤本、テキストなどの買取に特化したサイトです。
教科書や参考書、受験時に使った赤本、予備校のテキストなどは古本屋では買取価格が安いことが多く、買い取ってもらえないことも多いです。
学参プラザでは1冊ごとに人気や需要を考慮して買取価格を査定するため、教科書や専門書などでも人気が高いものは高く買い取ってもらえる可能性があります。
また、古本屋では買い取ってもらえない予備校のテキストなどの取り扱いもあるのが魅力的です。
買取実績も多く、「Amazonマケプレアワード 2016 カテゴリー賞」も受賞している信頼できる会社です。
10冊以上で送料無料、送るための段ボールを無料でもらえるなどのサポートやメリットも大きいので、使い終わった教科書類は新しいうちにすぐに学参プラザに買い取ってもらうことをおすすめします。

ブックオフなどの古本屋では買取価格が安かったり、書き込みがあると買い取ってもらえないことが多いんだ。
学参プラザは書き込みがあっても買い取ってくれるし、古本屋より高額で買い取ってもらえるよ。
教科書・参考書買取のおすすめサイト |
![]() |
-
学参プラザの評判・口コミを徹底解説【参考書・赤本・テキスト買取】
続きを見る
あわせて読みたい
まとめ:国家試験の合格率だけで判断してはいけない
今回は薬剤師国家試験の合格率のからくりについて説明してきました。
国家試験の合格率は一つの判断材料ですが、見た目の数字だけを信じすぎないようにしましょう。
合格率が高くても、自分が留年してしまっては元も子もありません。
できるだけ高校時代に一生懸命勉強し、偏差値が高い大学や名の知れている大学に行くことが賢明でしょう。
新設大学が悪いわけではないですが、定員割れを起こしたり、留年率が高かったりということが多いです。
最後はどれだけ自分が頑張れるかが重要ですが、周りの環境も大きく影響してきます。
なるべくレベルの高い人たちと切磋琢磨したほうが合格に限りなく近づきますよ。
-
【薬剤師国家試験】記念すべき第100回! Mr.Tの薬剤師国家試験体験記
続きを見る
「雑談」の人気記事
- 液体ミルクは危険?怖い? 液体ミルクのメリット・デメリットについて徹底解説
- ガリガリがパーソナルジムを体験した結果【ガリガリ卒業】
- 【体験談】結婚式に子連れで出席は非常識?式が台無しになる可能性も
- 【薬剤師国家試験】記念すべき第100回! Mr.Tの薬剤師国家試験体験記
- 【脱ガリガリ】ガリガリこそライザップに行くべき5つの理由


以下の記事もご覧ください。
参考:厚生労働省 公式ページ