
こんにちは。Mr.Tです。
今回は『コンプライアンス』・『アドヒアランス』・『コンコーダンス』の意味と違いについてです。
コンプライアンス・アドヒアランス・コンコーダンス。
以上の3つの言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「コンプライアンス不良」
などと薬歴に書く人が多いと思います。
実際に様々な薬歴を見てきましたが、コンプライアンスは出てきますが、アドヒアランスやコンコーダンスはあまり出てきません。
正直、Mr.Tが学生の頃はコンコーダンスという言葉は聞いたことがありませんでした。
これらの単語は何を意味しているのでしょうか。
今回はコンプライアンス・アドヒアランス・コンコーダンスについて説明していきたいと思います。
コンプライアンス
コンプライアンスはよく聞く言葉ですね。
一般的には「法令遵守」の意味で使用されており、決められたことを守るという意味で使われていますが、医療の世界では
「医師が処方した薬を患者がきちんと服薬する」
という意味で使用されています。
つまり、医師の指示をどれだけ患者が遵守できるかということです。
ここには患者さんの意思は反映されていません。
医師から患者さんへの一方通行の指導となります。
アドヒアランス
一般的には「固守」や「支持」といった意味を持ちますが、医療の世界では
「患者が治療方針の決定に賛同し、その決定に従って積極的に治療を受けること」
という意味で使用されています。
ここには医師からの一方的な指導ではなく、患者が積極的に治療に参加し、服薬、治療の意義を理解するという意味が込められています。
コンコーダンス
一般的には「調和」や「一致」といった意味を持ちますが、医療の世界では
「患者との協力関係に基づく、薬の処方と使用のプロセス」
という意味で使用されています。
「患者の主体性」がキーワードです。
コンプライアンスとアドヒアランスは治療法にどれだけ患者が従っているかをあらわす概念であるのに対し、コンコーダンスは医療従事者と患者のパートナーシップを基盤として、両者の考えを尊重しあうことに重点を置いています。
治療に対する医師と患者の共同作業といったところです。
まとめ
ココがポイント
- コンプライアンス:医師から患者への一方的な指導
- アドヒアランス:患者の積極的な治療への参加
- コンコーダンス:患者が主体となっての医療従事者と患者の共同作業
横文字ばかりでなかなか覚えるのが難しいですね。
意味も似ているので、初めは違いを理解するのが難しいと思います。
最初は医師からの一方的な指導に従うだけでしたが、後に患者の治療への参加、更に患者が主体となっての治療へと時代が変わってきています。
これからさらに新しい言葉が増えていく可能性もあります。
どのような言葉が増えても治療の目的は変わりません。
医療従事者と患者が一緒になって、よりよい治療ができるように手助けできるようになるといいですね。
コンプライアンス・アドヒアランス・コンコーダンスの意味をしっかりと理解して服薬指導に活かしましょう。
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参考文献: https://www.38-8931.com/pharma-labo/carrer/skill/adherence.php