薬局・薬剤師

【力価・計算】力価って何? 計算が苦手な薬剤師に計算方法を徹底解説

2021/6/03(木)

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回は調剤に関する計算方法についてです。

 

力価・計算。

 

計算が大っ嫌いな人は多いでしょう。

国家試験を通る為には、今では訳が分からない計算式をたくさん覚え、ややこしい計算をしなくてはいけませんでした。

しかし、現在Mr.Tはドラッグストアで調剤をしていますが、ややこしい計算は必要ありません。

ドラッグストアの調剤で必要な計算は次の3つぐらいです。

 

  • 錠剤のピッキング
  • 散剤
  • シロップ

 

うちでは注射などは扱っていないので。

計算自体は簡単です。

小学生でもできます。

しかし、その単純な計算を正答率100%素早く計算しなければなりません。

 

99.9%ではダメなのです。

 

間違うと過誤です。

人が死んでしまう可能性もあります。

 

薬剤師だけでなく、入力をする調剤事務も計算の能力は必要です。

特に処方箋で力価で記載されている場合は、*成分量から製剤量に計算をして実際に測る量を出さなければなりません。

 

今ではレセコンが勝手に変換してくれますが、監査で実際に人が計算することも必要です。

 

今回はMr.Tが計算しているときの頭の中と、実際に使った調剤の計算対策の本を紹介していきます。

 

薬剤師だけでなく、調剤事務や薬学生にも参考になると思います。

*成分量:有効成分の量。有効成分だけでは量が少ないので、賦形をして「製剤」にしている。調剤する時に成分量を実際に測るのではない。
製剤量:製剤の量。実際に測る量。

 

調剤の計算

錠剤

数を数えるだけですが、アクシデントで一番多いのがこの計数ミス。

薬の数を間違えて出してしまうミスが一番多いのです。

 

Mr.Tもよく間違えます。

監査で止められることもしょっちゅうです。

 

基本は1シート10錠のものが多いのですが、中には8錠、12錠シートなどもあります。

知っていなければ確実に過誤をします。

 

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自分の中でルールを作っておけばいいと思います。

基本的にはどこの薬局も期限順に出すのが原則だと思いますが、回転率が高く、よく出る薬であれば多少期限やLOTが前後しても問題ないと思います。

 

例えば84錠ピッキングするときに様々な作り方がありますが、

 

  • 70+8+6
  • 80+4  

 

圧倒的に後者の方が楽で過誤の確率も減ります。

Mr.Tはできるだけ端数を出さないように、バラバラにならないように調剤することを心掛けています。

過誤する確率も減りますし、患者さんもあまりにも端数が多いとイヤだという人も多いので。

しかし、このようなやり方をしていると端数が薬局の方に大量に残ってしまうのも事実。

そこはうまくやります。

一包化に使うとか、他のピッキングに回すとか。

面なので、28日とか35日などの決まった日数で処方は来ません。

様々な日数の処方せんが来ます。

39日分とか中途半端な日数も来ますし、残薬調整で日数が変わることもあります。

そのようなときに使えばいいと思います。

 

あくまでよく出る薬に限ってです。

 

一人しか出てない薬、高額な薬、期限が近い薬などはきちんと期限順に調剤しています。

あくまでも臨機応変にです。

臨機応変にできない人は期限順にきちんとピッキングした方がいいでしょう。

 

もっと詳しく

 

端数を計算してくれる電卓もあります。

例えば14錠シートで90錠調剤するとします。

 

90 ÷ 14 = 6.4…

14錠シート6枚ね。

14 × 6 = 84

90 - 84 = 6

だから14錠シート6枚端数の6錠だ!

 

このような計算をする人が多いと思います。

しかし、この電卓を使うと

 

90 ÷ 14 = 6-6

14錠シート6枚と端数6錠をすぐに出してくれるのです。

 

実際に使っていますが、すごく楽ですよ。

 

 

使いすぎると自分の計算能力が落ちるので、ほどほどにしておきましょう。

 

散剤

散剤で躓くのが「力価」だと思います。

そもそも力価って何だ?

 

力価

力価とは、痛みの緩和や血圧の降下といった一定の効果を発揮するのに必要な薬の量(通常はミリグラムで表記)に基づいた薬の強さを表す用語です。例えば、5ミリグラムの薬Aが10ミリグラムの薬Bと同じくらい効果的に痛みを緩和する場合、薬Aは薬Bの2倍の力価があるということです。

引用:薬の作用

 

薬の強さを表す単語なのですね。

上の例にあるように、例えば10の力を発揮するのに Aは5g、Bは10g必要だとすると、AはBの2倍の力価がある。

Aの方が強いということがわかります。

しかし、力価の意味が分かったところで正直、実際の計算にはあまり役には立ちません。

 

力価の計算の仕方を覚えておけばよいのです。

 

力価計算は成分量で処方されたときに計算しなければなりません。

製剤量であれば一日量がそのまま記載されているので特に問題ありません。

*1回量で書かれている処方せんもあるので注意。

 

例えばアモキシシリン水和物細粒10%という製剤があるとします。

この10%というのは何を意味しているのでしょうか?

これは有効成分が10%含まれているということです。

仮に1g測ったとしたら、その中の10%、100mgが有効成分であるということです。

 

計算式は

 

10% = 10/100

10/100 × 1g = 0.1g = 100mg

 

有効成分が少なくそのままでは飲みにくくなってしまうので、賦形して製剤量として薬が販売されているのです。

 

もう一つ例として、ウルソデオキシコール酸5%だと、1g中に50mgの有効成分が含まれています。

 

計算式は

 

5% = 5/100

5/100 × 1g = 0.05g = 50mg 

 

これで力価の意味、計算方法はわかりましたね。

 

散剤の計算

例を挙げて見てみます。

 

例1

フェノバルビタール散10% 0.5g

就寝前 7日分

 

gなので製剤量です。

1日量が0.5gなので、測り取る量は

0.5g × 7日分 = 3.5gです。

 

例2

フェノバルビタール散10% 50mg

就寝前 7日分

 

mgなので成分量です。

1日量が50mgで、製剤量に直さなければなりません。

 

解1

計算方法は色々ありますが、今回は比で計算してみましょう。

10%=10/100

今回は10%の製剤で1日量50mg飲ませたい。

あくまで50mgは成分量です。

では100%の製剤にすると1日量はどれぐらいになるのかを考えます。

この答えが製剤量、実際に測り取る量になります。

 

10%:50mg=100%:Xmg

Xmg=500mg

500mg=0.5g

0.5g×7日分=3.5g 

 

 

解2

いちいち比で計算するのは面倒くさいです。

考え方だけわかっていればいいのです。

Mr.Tも毎回比では計算していません。

もっと簡単な方法があります。

それは

 

成分量 ÷(●%×10)

 

これで力価の計算ができます。

 

50mg ÷(10%×10)=0.5g

0.5g × 7日分=3.5gです。

 

mgをgに変換する手間も省けます。

最後にもう一問。

 

例3

ジゴキシン散0.1% 0.2mg

毎食後 4日分

 

0.2mg÷(0.1%×10)=0.2g

0.2g × 4日分=0.8g

 

簡単ですね。

中にはmgで処方が来ても成分量ではない場合もあります。

μgで書かれた処方せんもあります。

慌てずに対処しましょう。

 

シロップ

シロップの計算が一番面倒だったりします。

1回量、全量、賦形量などを計算しなければなりません。

例を挙げて見てみましょう。

 

例1

ポララミンシロップ 6mL
ムコダインシロップ 6mL

毎食後 3日分

 

  • それぞれ測る量
  • 全量
  • 1回量
  • 検算

 

の順番で計算してみます。

 

それぞれ測る量

ポララミンシロップ:6mL × 3日分=18mL
ムコダインシロップ:6mL × 3日分=18mL

 

全量

18mL + 18mL=36mL  

 

1回量

ポララミンシロップの一日量 + ムコダインシロップの一日量 ÷ 用法
(6mL+6mL)÷ 3(毎食後)= 4mL

 

検算

1回量×用法×日数=全量

になればいい。

 

4mL(1回量)× 3(毎食後)× 3日分 = 36mL

 

  • それぞれ測る量:ポララミンシロップ:18mL
            ムコダインシロップ:18mL
  • 全量:36mL 
  • 1回量:4mL

 

以上より計算は問題ないと判断できる。

 

例2

ポララミンシロップ 6mL
ムコダインシロップ 7mL

毎食後 3日分

 

例1と同じく

 

  • それぞれ測る量
  • 全量
  • 1回量
  • 検算

 

の順番で計算してみます。

 

それぞれ測る量

ポララミンシロップ:6mL × 3日分 = 18mL
ムコダインシロップ:7mL × 3日分 = 21mL

 

全量

18mL + 21mL = 39mL 

 

1回量

ポララミンシロップの一日量+ムコダインシロップの一日量÷用法

6mL+7mL ÷ 3(毎食後)= 4.3333…mL

今回は割り切ることができませんね。

ではキリがいい、1回4.5mLで服用することにしましょう。

1回4.5mLだと賦形する量も計算しなければなりません。

 

賦形する量を計算してみましょう。

全量は上記より39mL

1回4.5mLで服用すると

1回量 × 用法 × 日数=全量 だから、

4.5mL × 3(毎食後)×3(日数)=40.5mL

40.5mL必要な所、賦形なしでは全量39mLなので

40.5mL - 39mL=1.5mL

1.5mL賦形すればいいことになります。

 

検算

1回量×用法×日数=全量
になればいい

4.5mL(1回量)×3(毎食後)× 3日分 = 40.5mL

 

  • それぞれ測る量:ポララミンシロップ:18mL
            ムコダインシロップ:21mL
  • 1回量 4.5mL
  • 全量 40.5mL
  • 賦形する量 1.5mL 

 

以上より計算は問題ないと判断できる。

 

シロップでも力価で処方されることがあります。

流れは散剤と同じです。

 

例3

シプロヘプタジンシロップ0.04% 1.2mg

毎食後 7日分

 

もう流れは完璧ですよね。

省略します。

1.2mg ÷(0.04% × 10)= 3mL

3mL × 7日分 = 21mL

 

調剤の計算のオススメ本

薬学生のための 計算実践トレーニング帳

 

4

 

対象者

  • 薬学生・薬剤師
  • 調剤事務
  • OSCE対策をしたい人
  • 計算が不安な人
  • 基礎から計算を勉強したい人

 

「薬学生のための」と書かれているぐらい、基礎からしっかりと説明してくれます。

初めの方のページは「え?こんなとこから?」というレベルの内容ですが、徐々にステップアップしていき、一冊やり終える頃にはかなりの力がついているでしょう。

計算が苦手な薬剤師や調剤事務にもオススメの一冊です。

自分に関係がある章だけでも全然構いません。

 

ココがポイント

  • 基礎から実践まで詳しく解説
  • OSCE対策にもオススメ
  • 薬剤師の計算はこれ一冊でOK!

 

医療スタッフと学生のための 医薬品投与量“計算脳”トレーニング

3.5

 

対象者

  • 薬学生
  • 薬剤師
  • 調剤事務
  • OSCE対策をしたい人
  • 計算が不安な人
  • 基礎から計算を勉強したい人

 

「医療スタッフと学生の為の」とある通り説明が難しくなく、一冊が90ページと少ないためすぐに終わります。

分厚い参考書ってヤル気なくすじゃないですか。

薄い参考書の方がゴールが見えるので個人的には好きです。

本自体は薄いですが、説明がわかりやすく、1冊やり終える頃にはかなり計算力がつきます。

 

ココがポイント

  • 基礎から実践まで詳しく解説
  • OSCE対策にもオススメ
  • 薄いので1冊がすぐに終わる

 

2冊とも実際にMr.Tが使って勉強した本です。

薬学生でもわかるように基礎から非常にわかりやすく書かれています。

この2冊を理解すれば調剤の計算はもう怖くありません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

薬剤業務をやっている人にとっては当たり前のこと。

何をいまさらと思っている人も多いでしょう。

しかし、新人やまだOSCEを経験していない人は頭の中が整理できていないと計算は難しく感じると思います。

 

事実、Mr.TもOSCEは無事合格したのですが、新人配属でいきなり一人にされたときにシロップが来てしまい、計算ができずに頭が真っ白になったことがあります。

冷静になれば誰でもできる計算なのですが、焦ると思考が停止します。

自分なりの計算の仕方、自分の型を作ってしまいましょう。

 

今回紹介した計算の仕方をMr.Tは無意識に実践しています。

何百回、何千回と繰り返して体の中にしみこませました。

記事にすると長く見えますが、実際に計算すると秒で終わります。

 

現場で計算に時間をかけている暇はありません。

計算の仕方がわからない、遅い薬剤師は散剤・シロップの調剤はさせません。

調剤業務が滞り、足手まといになってしまうからです。

なので、最初に計算練習をしっかりとやってもらい、それから調剤してもらうようにしています。

 

一度身につけてしまえばなんてことはありません。

後は計算ミスをしないように慎重にかつ素早く計算するだけです。

繰り返し練習し、早く自分のものにできるようにしましょう。

 

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