医薬品

【⑰五苓散】頭痛・二日酔いにはこの漢方! 五苓散について徹底解説

2021/5/21(金)

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回は五苓散についてです。

 

五苓散。

 

水分代謝の異常の改善に使われる漢方です。

低気圧による頭痛や二日酔いなどに使われます。

 

今回は五苓散について説明していきます。

 

効能・効果

口渇、尿量減少するものの次の諸症 浮腫、ネフローゼ、二日酔、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病

 

用法・用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

 

組成

本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス2.0gを含有する。

 

  • 日局タクシャ:4.0g
  • 日局ソウジュツ:3.0g
  • 日局チョレイ:3.0g
  • 日局ブクリョウ:3.0g
  • 日局ケイヒ:1.5g

 

配合生薬の薬効

 

生薬名読み効能・効果
桂皮ケイヒ芳香性健胃・発汗・解熱
蒼朮ソウジュツ健胃・利尿
沢瀉タクシャ浮腫・痰飲・清熱
茯苓ブクリョウ浮腫・健胃・痰飲・不眠
猪苓チョレイ水腫・膀胱炎・消炎

 

生薬の効能・効果一覧はこちらの記事から

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もう少し各生薬の薬効を深く見ていきます。

 

桂皮

効能・効果

  • 発汗解熱作用
  • 血流改善作用
  • 抗頭痛作用
  • 抗動悸作用

 

蒼朮

効能・効果

  • 止痢作用
  • 筋肉・関節の止痛作用

 

沢瀉

効能・効果

  • 利尿作用
  • 消炎利尿作用
  • 抗めまい作用

 

茯苓

効能・効果

  • 利尿作用
  • 抗めまい作用
  • 抗動悸作用
  • 鎮静作用

 

猪苓

効能・効果

  • 利尿作用
  • 消炎利尿作用

 

五苓散の処方構造

五苓散の構成生薬の構造は以下の通りです。

 

処方構造

  • 水代謝異常改善作用:蒼朮-茯苓-猪苓-沢瀉
  • 抗頭痛作用・抗動悸作用:桂皮

 

水代謝異常改善

蒼朮-茯苓-猪苓-沢瀉で水代謝異常を改善させます。

苓散は基本的には水代謝を改善する4つの生薬に、頭痛と動悸を改善する桂皮を組み合わせたものです。

 

五苓散の水代謝異常は水チャネルであるアクアポリン4(AQP4)の阻害作用を介したものです。

 

抗頭痛作用・抗動悸作用

桂皮により抗頭痛作用、抗動悸作用を示します。

 

こんな時にも使われる

航空中耳炎

飛行機が下がる時に気圧が変化して航空中耳炎が発症しますが、五苓散で予防できます。

飛行機が高度を下げる時に5g服用します。

 

下半身の症状にはあまり効かない

生薬には臓器特異性があるようで、桂皮が入った漢方は上半身の症状には効く傾向がありますが、下半身の症状には効果が出にくいようです。

下腿浮腫などには他の漢方を使います。

 

ノロウイルス

ウイルス性の腸炎の場合には下痢が水代謝異常になるので、下痢を止める効果もある五苓散をノロウイルスの時にも使用できます。

 

透析不均衡症候群

透析患者は強制的に体内の水分を取り除いているので、水代謝の異常、血圧の異常が起きています。

透析前に5g五苓散を服用すると、透析不均衡症候群は改善されます。

 

夏バテ

夏バテも水代謝異常なので五苓散が使われます。

 

まとめ

五苓散について解説しました。

五苓散はOTC(市販薬)でも販売されており、キャッチーな名称で販売されているのでなじみがある方が多いのではないでしょうか。

 

漢方はあまり効かないというイメージが強いため、二日酔い・低気圧による頭痛に効くと記載されているOTCが実は漢方だったと知ると、途端にあまり効かないのではないかと不安になる人も実際にいます。

 

五苓散のメインは水代謝の異常を改善させることです。

体内の70%は水で構成されています。

その水のバランスが崩れると様々な疾患が出てくる可能性があります。

 

気軽に使える漢方なので、体に不調がある時はぜひ使ってみてください。

 

 

 

 

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Mr.T

以下の記事もご覧ください。

 

参考文献:

  1. ツムラ五苓散添付文書
  2. 漢方薬処方レクチャー まずはこれだけ20

 

4.5

 

対象者

  • 薬剤師などの医療人
  • 登録販売者
  • 漢方の知識を深めたい人
  • 漢方初心者

 

代表的な漢方を20種類取り上げ、それぞれ一つずつを解剖して説明しています。

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ココがポイント

  • 代表的な漢方の20種類を説明
  • 漢方初心者でもわかりやすい解説
  • 陰陽などがわからなくても大丈夫
  • 各生薬の働き、漢方の構造も詳しく説明

 

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