酢酸亜鉛の配合比率? 『亜鉛華軟膏』と『亜鉛華単軟膏』の違いについて徹底解説

亜鉛華軟膏・亜鉛華単軟膏の違い

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いについてです。
 

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏。  

名前が似ていて注意して見ないと過誤する可能性が高いです。

新人はよく間違えます。

「単」がついているかいないかの違いですが、有効成分の量や基剤が違うので少し用途も変わってきます。  

今回は亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いについて説明します。 

 

基本的な情報

薬効分類名

外用局所収れん剤

両者とも同じです。  

成分・含量(1g中)

亜鉛華軟膏:酸化亜鉛 200mg  
亜鉛華単軟膏:酸化亜鉛 100mg    

 

酸化亜鉛の含まれている量が違います。

亜鉛華軟膏の方が多く酸化亜鉛が含まれており、2倍の量が含まれています。  

亜鉛華単軟膏は100mg酸化亜鉛が含まれています。

単 = single = 100mgと連想できるようにしましょう。       

効能又は効果

亜鉛華軟膏
  1. 下記皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面ぽう、せつ、よう(癰)
  2. その他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面
亜鉛華単軟膏
  1. 下記皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐
    外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面ぽう、せつ、よう(癰)  
  1. その他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面
 
引用:亜鉛華軟膏、亜鉛華(10%)単軟膏「ホエイ」 添付文書

ほぼ同じですね。 適応の違いはありません。        

用法・用量

通常、症状に応じ、1日1〜数回、患部に塗擦又は貼布する。  

両者とも同じです。        

薬効薬理

亜鉛華軟膏

局所の収れん、分泌物の減少、痂皮の軟化、上皮の形成などの作用を有する。    

亜鉛華単軟膏  

皮膚のたん白質と結合して被膜を形成し、収れん、消炎、保護並びに緩和な防腐作用を現す。また、浸出液の吸収及び分泌抑制により、創面又は潰瘍面などを乾燥させる。酸化亜鉛の作用に加え、皮膚軟化性(軟膏)及び皮膚密着性(軟膏・チンク油)を持ち痂皮を軟化し(軟膏)、炎症を消退させ(チンク油)、肉芽形成・表皮形成を促進させて皮膚疾患を改善する(軟膏・チンク油)。

 

引用:亜鉛華軟膏、亜鉛華(10%)単軟膏「ホエイ」 添付文書   

 

単軟膏の方がたくさん書かれています。

成分の量が違うだけではないことがわかります。

 

添加物・基剤・色

亜鉛華軟膏

添加物:流動パラフィン、サラシミツロウ、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、クエン酸、白色ワセリン  

色:白色    

 

亜鉛華単軟膏  

添加物:ダイズ油、ミツロウ、ジブチルヒドロキシトルエン    

色:白色〜淡黄色  

 

亜鉛華軟膏の基剤は白色ワセリンで、吸水性に優れたソルビタンセスキオレイン酸が含まれています。  

亜鉛華単軟膏の基剤は単軟膏で、ベタつきは亜鉛華軟膏に比べて少ないですが、皮膚への密着力は劣ります。  

基剤の観点から、滲出液の吸収には吸水性に優れた亜鉛華軟膏の方がより優れています。

 

使い分け

酸化亜鉛は皮膚のたん白質に結合又は吸着し、不溶性の沈殿物や被膜を形成して収れん・消炎・保護並びに緩和な防腐作用を現します。

また、毛細血管の透過性を減少させ、血漿の浸出や白血球の遊出を抑制するので、抗炎症作用と共に、創面又は潰瘍面などを乾燥させる作用があります。    

酸化亜鉛の含有量が多いと乾燥させすぎてしまう恐れがあるので、おむつかぶれなどには亜鉛華単軟膏が多く使われる傾向があります。

また、長期間使用する、傷が治ってきた、乾燥による痒みが問題になるなどの場合は亜鉛華単軟膏の方が適しています。        

酸化亜鉛の濃度が高いほうが乾燥させる力がある、基剤として密着力が優れているため、傷口の滲出液が多い場合や、汗によるかぶれがひどい場合は亜鉛華軟膏の方が適しています。

 

サトウザルベ

サトウザルベの成分も酸化亜鉛です。

サトウザルベには酸化亜鉛が10%配合のものと20%配合のものがありますが、添加物はどちらともサラシミツロウ、ナタネ油です。  

上記の説明からすると、サトウザルベ10%は亜鉛華単軟膏、20%は亜鉛華軟膏ということになりますが、サトウザルベは10%、20%の両者とも一般名は「亜鉛華単軟膏製剤」です。

 

アクシデントに注意

これら2つは非常に調剤ミスが多いです。

原因として大きく2つあります。

 

  • 「単」の有無をしっかりと確認していない
  • 亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏が存在していること知らない  

 

特に新人はどの薬もそうですが、薬の規格や種類を混同してしまうことが多く、存在も知らないことが多いでしょう。  

これら2つは酸化亜鉛の配合率が違うということをしっかりと頭に入れておかないと調剤ミスする可能性が大です。  

知識があると、処方箋に「亜鉛華単軟膏」と書かれてあれば酸化亜鉛が10%配合されたものだと理解できます。

「亜鉛華軟膏」と書かれていれば亜鉛華軟膏を調剤すればいいだけです。

しかし、「亜鉛華軟膏20%」と書かれた処方箋が来たら一瞬、

「ん?」

となる人が多いのではないでしょうか。

亜鉛華軟膏はもともとが酸化亜鉛を20%含んだものです。
「亜鉛華(10%)単軟膏」という商品はありますが、「亜鉛華(20%)軟膏」という商品はありません。

亜鉛華軟膏には酸化亜鉛が20%含まれているという知識がないと、わからなくなってしまうのです。  

医師もよく理解していない場合があります。

「亜鉛華単軟膏20%」 と記載された処方箋がきたことがあります。

これでは調剤は不可能です。

 

  • 10%の亜鉛華単軟膏
  • 20%の亜鉛華軟膏
  • サトウザルベの間違い?  

 

サトウザルベは10%と20%の規格があるので、上記のような可能性があります。  

疑義照会したところ、医師が亜鉛華軟膏に関してきちんと理解していなかったらしく、「亜鉛華軟膏」になりました。  

このような例もあったので、成分の含有量と使い分けをしっかりと理解していれば調剤ミスを防ぐことができます。

 

OTC(市販薬)で売っている?

どちらともOTCで販売されています。

亜鉛華軟膏

ポリベビー

  単剤ではないですが、酸化亜鉛が10%配合されています。  

コーフル

コーフルは100g中に酸化亜鉛が5gしか配合されていませんが、床ずれなどで使う人が多いです。

 

まとめ

亜鉛華軟膏  

  • 酸化亜鉛が20%配合
  • 白色      
  • 傷口の滲出液が多い場合
  • 汗によるかぶれがひどい場合

 

亜鉛華単軟膏

  • 酸化亜鉛が10%
  • 白色〜淡黄色  
  • おむつかぶれ
  • 長期間使用する場合
  • 傷が治ってきた場合
  • 乾燥による痒みが問題になる場合 

 

違いが理解できたでしょうか?
一度理解してしまえば忘れにくくなります。

上記でも書いた通り、非常に調剤ミスが多いです。

しっかりと見ていなかった、2種類あることを知らなかったなど、アクシデントを起こしてからでは言い訳はできません。

成分と使い分けをしっかりと覚えておけばこのような調剤ミスを起こす可能性も低くなります。

特に新人が起こしやすいミスなので、早めに教えておくか、亜鉛華軟膏や亜鉛華単軟膏が処方されたら気を付けて見るようにしましょう。

混合指示で間違えて混ぜてしまうとOUTなので。

 

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参考文献:

  1. 亜鉛華軟膏「ホエイ」 添付文書
  2. 亜鉛華(10%)単軟膏「ホエイ」 添付文書
  3. サトウザルベ軟膏10%/サトウザルベ軟膏20% 添付文書
  4. 酸化亜鉛「ファイザー」原末 インタビューフォーム