【オグサワ処方】オーグメンチンとサワシリンの併用療法について徹底解説~なぜアモキシシリンが重複?~

2021/8/01(日)

 

こんにちは。Mr.Tです。
今回はオーグメンチンとサワシリンの併用療法(オグサワ処方)についてです。

 

 

Rp.1
オーグメンチン配合錠250RS      3錠
サワシリンカプセル250mg        3C
分3 毎食後

 

このような処方箋が来たら皆さんはどうするでしょうか?

知っている人であれば

「あー、オグサワ処方ね」

で済みますが、知らない人は

「え?どういうこと?抗生剤の併用?しかもアモキシシリンが被ってるし、量も多い…」

となるのでは無いでしょうか?

実際、Mr.Tも初めてこの処方を見た時は焦りました…

オーグメンチンとサワシリンが同時に処方されるケースがよくあります。

ガイドラインにも載っている有名な処方ですが、知らないと

「成分が被ってるから疑義紹介だ!」

と電話をかけてしまうことがよくあります。

新人がよく陥るケースです。

これらの処方はオーグメンチンとサワシリンの頭を取って「オグサワ処方」と呼ばれることがあります。

今回はこのオグサワ処方について解説していきます。

 

成分

商品名 成分名
オーグメンチン アモキシシリン + クラブラン酸
サワシリン アモキシシリン

 

なぜアモキシシリンを重複させる?

オーグメンチンとサワシリンはどちらもアモキシシリンが含まれています。

配合錠であるオーグメンチンにアモキシシリンが含まれているのになぜサワシリンをプラスする必要があるのでしょうか?

それは、アモキシシリンの量を増やし、かつ副作用のリスクを下げたいからです。

抗菌薬のアモキシシリンは、市中肺炎や中耳炎・副鼻腔炎の場合は1日1500〜2000mgの高容量で使うことがあります。

しかし、オーグメンチンは125SSを8錠(アモキシシリン1000mg)、250RSを4錠(アモキシシリン1000mg)までしか保険適用がありません。

また、それ以上に増やすとクラブラン酸の量も過剰になり、副作用のリスクも高まります

そのためオーグメンチンにサワシリンを追加し、抗菌薬のアモキシシリンの量だけを増やすという狙いがあります。

 

クラブラン酸とは

クラブラン酸はβラクタマーゼ阻害剤です。

抗菌薬の分解、無力化を防ぎます。

オーグメンチンはアモキシシリンにクラブラン酸を配合することで、アモキシシリンだけでは十分に効かない耐性菌にも効果が得られるようになっています。

サワシリンなどのペニシリン系の抗菌薬は、細菌が作るβラクタマーゼという酵素によって分解されてしまいます。

分解されるのをクラブラン酸が防いでくれます。

 

オーグメンチンの配合比率

オーグメンチンはクラブラン酸とアモキシシリンが1:2の比率で配合されています。

アモキシシリンが同じ量であれば、配合比率が1:2の時に最も効果を発揮します。

配合錠
125SS
クラブラン酸62.5mg アモキシシリン125mg
配合錠
250RS
クラブラン酸125mg アモキシシリン250mg

 

まとめ


  • アモキシシリンの量だけを増やし、副作用のリスクを減らす 
  • オーグメンチンの量だけ増やすと保険適用を超えてしまう
  • クラブラン酸の量が増えると副作用のリスクが高まる

 

以上、オグサワ処方について解説してきました。

このような特殊な処方は知識があるかどうかです。

大学では絶対に学びません。

オグサワ処方は有名なので書籍やネットにも解説は多数ありますが、門前の先生が出す約束処方などは検索してもヒットすることはありません。

どれだけ知識を溜め込み、どれだけ経験を積むかによって薬剤師の価値が決まってくるのだと思います。

これでオグサワ処方が来てももう怖くないですね。

 

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参考文献
1)薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100 [児島悠史]
2)オーグメンチン 添付文書
3)サワシリンカプセル 添付文書

 

5
この本の対象者

・薬剤師
・服薬指導をレベルアップしたい人
・薬の使い分けを知りたい人
・同種同効薬の違いを知りたい人

調剤業務に携わる人には必携の参考書です。

非常にわかりやすく説明されており、服薬指導時によく聞かれる質問が満載です。

薬の使い分けに関しては患者さんからよく聞かれるので、この本に書かれている知識ぐらいは最低限欲しいところです。

文章が平易で、イラストや図も多いので新人や調剤初心者、ブランクがある人にもオススメです。

非常にわかりやすく解説されていますが、ボリュームが多いので興味があるところから読んでいきましょう。

Mr.Tが自信を持ってオススメできる一冊です。

 

POINT

・服薬指導時によく聞かれる質問をわかりやすく説明
・同種同効薬の使い分けを説明
・現場ですぐに使える内容が満載
・参考文献もしっかりと掲載