【クラバモックスの溶かし方】分包したら大惨事! 分包品のクラバモックスの調剤方法について

2021/7/31(土)

 

こんにちは。Mr.Tです。
今回はクラバモックスの調剤方法についてです。

 

クラバモックス小児用配合ドライシロップ(DS)。

この薬は抗生剤です。

「小児用」と書いてある通り、小児によく出されます。

この薬には分包品があります。

調剤する際に分包品のまま患者さんに渡すことができれば問題ないのですが、体重換算などで中途半端な量が処方されたときは分包品を開封して、再度調整し直さなければなりません。

普通の薬であれば粉なので分包機に撒いて調整することができますが、クラバモックスは吸湿性があり、嵩が高いので分包することができません。

円盤の分包機なら問題ないと思いますが、Vマスではまず不可能です。

 

Vマスで調整しようとして失敗しました。
嵩が高く、量が多すぎて撒けませんでした。
もちろんすべて廃棄です…

 

撒くことができないのであればどのようにして調剤すればいいのでしょうか?

今回は分包品のクラバモックスの調剤方法ついて説明していきます。

 

クラバモックス小児用配合DSとは

抗生剤の一種です。

クラブラン酸とアモキシシリンが配合されています。

成分・含量(1.01g中)

  • 日局クラブラン酸カリウム 42.9mg(力価)
  • 日局アモキシシリン水和物 600mg(力価)

用法及び用量

通常、小児には、クラバモックスとして1日量96.4mg(力価)/kg(クラブラン酸カリウムとして6.4mg(力価)/kg、アモキシシリン水和物として90mg(力価)/kg)を2回に分けて12時間ごとに食直前に経口投与する。

使用時、十分に振り混ぜること。

引用:クラバモックス小児用配合ドライシロップ添付文書

食直前に服用しましょう。

食後だと効果が落ちます。

放置すると粉が沈殿してしまうので、飲む直前によく振ってから飲みましょう。

保管


  • 吸湿性があるので、湿気を避けて室温保存
  • 懸濁液に調製後は、冷蔵庫(約4℃)に保存し、10日以内に使用すること 

 

分包品は室温で大丈夫ですが、シロップで調剤した場合は冷蔵庫で保管しましょう。

シロップは白色です。

徐々に黄色くなってきますが、10日以内であれば性質に特に問題はありません。

性状

白色〜帯黄白色の粉末で、ストロベリークリームの香りがします。

シロップにすると、白色〜帯黄白色の懸濁液になります。

用法・用量に関連する使用上の注意

分包製剤を使用する場合は、次の体重換算による服用量を目安とし、症状に応じて適宜投与量を決めること。

1日量
(DSとして)
1.01g 2.02g 3.03g 4.04g 5.05g 6.06g
体重 6〜10kg 11〜16kg 17〜23kg 24〜30kg 31〜36kg 37〜39kg

ボトル製剤を使用する場合は、1日量(調製後懸濁液として)が0.75mL/kgになるよう調製すること。

 

水に溶かしてシロップにする

今回はボトル製剤ではなく、分包品を溶かす方法を説明します。

撒けないのであれば水に溶かしてシロップとして出すしかありません。

普通は「クラバモックス小児用配合ドライシロップの取扱いに関する注意点」の「体重別処方早見表(1日量)」を参考に調剤します。

 

 

具体的に計算してみましょう

例1

体重10kg 分2 5日分

 

  1. 体重10kgであれば1日量のDS(ドライシロップ)量は1.5g
  2. 5日分であれば 1.5g × 5日分で全量は7.5g
  3. 表より、調整後の懸濁量の総量は1日量が7.5mLなので、処方量が5日分であれば全量で37.5mL
  4. 表の***より、加える水の量は1gあたり4.5mLなので、全量7.5g×4.5mL=33.75mL
  5. クラバモックス(7.5g)+加える水(33.75mL)=調整後の懸濁液(37.5mL)となるように調整する。
  6. 水の2/3量(22.5mL)とDSを混合し、最後に残りの1/3の量(11.25mL)を混ぜる。
  7. 分2、5日分で、10回服用することになるので、10等分できる目盛りのあるボトルを選ぶ。
  8. 水の賦形は特に問題ないのでうまく10等分になるように調整する。(うまく調整できれば1回●mLでもOK)

 

では、実際の処方例でみてみましょう

クラバモックスDS 3g

朝・夕食後 4日分

実際の処方箋では体重からではなく、全量から計算することになります。

  1. 1日量のDS(ドライシロップ)量は3g
  2. 4日分であれば3g×4日分で全量で12g
  3. 表より、調整後の懸濁量の総量は1日量が15.0mLなので、処方量が4日分であれば15.0mL×4日分で全量で60.0mL
  4. 表の***より、加える水の量は1gあたり4.5mLなので、全量12g×4.5mL=54.0mL
  5. クラバモックス(12g)+加える水(54mL)=調整後の懸濁液(60mL)となるように調整する。
  6. 加える水の2/3量(36mL)とDSを混合し、最後に残りの1/3の量の(18mL)を混ぜる。
  7. 分2、4日分で、8回服用することになるので、8等分できる目盛りのあるボトルを選ぶ。
  8. 水の賦形は特に問題ないのでうまく8等分になるように調整する。(うまく調整できれば1回●mLでもOK)

 

まとめ


  • 表を見ながら計算する
  • 十分に振り混ぜてから服用する
  • 食直前に服用する
  • シロップにした場合は、冷蔵庫(約4℃)に保存し、10日以内に使用すること 

 

最初は難しいですが、慣れてきたら誰でも問題なく調剤することができます。

分包品で出せればそれでいいのですが、どうしてもシロップにして出さなければならない時が来ます。

冒頭でも述べた通り、撒きなおすのはオススメしません。

処方箋が来ても、焦らないで落ち着いて調剤できるようになりましょう。

 

病原微生物の関連記事

  1. 【オグサワ処方】オーグメンチンとサワシリンの併用療法について徹底解説~なぜアモキシシリンが重複?~
  2. 【IPって何?】『消毒用エタノール』と『消毒用エタノールIP「ケンエー」』の違いについて徹底解説
  3. 抗生物質の副作用で下痢がひどい… 抗生物質での副作用の対処法について徹底解説
  4. タミフルドライシロップが入手困難な場合に脱カプセルで自家製剤加算が取れる?
  5. インフルエンザの時に使っていい解熱剤は? インフルエンザの解熱剤について徹底解説
 

以下の記事もご覧ください。

 

 

参考文献:

  1. クラバモックス小児用配合ドライシロップ添付文書
  2. クラバモックス小児用配合ドライシロップの取扱いに関する注意点