
こんにちは。Mr.Tです。
今回は湿布薬の70枚制限についてです。
テープ、パップの70枚制限。
テープ、パップが処方されることは非常に多いです。
整形の門前なんかはテープ、パップの嵐。
昔はいくらでも処方することができたのですが、今では1回の処方箋で70枚しか出してもらうことができません。
きちんとした理由があれば70枚以上処方することも可能なのですが、医師のコメントや疑義照会もなく70枚より多く調剤してしまうとたちまち返戻になってしまいます。
昔よりレセプトが厳しくなっているのです。
今回はテープ、パップの70枚制限について説明していきます。
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Contents
なぜ70枚制限になった?
単純に医療費を削減したいからです。
医療費の適正化・薬剤の適正使用の観点から、今までにもビタミン剤やうがい薬なども改定の対象になっています。
貼り薬はかぶれなどの副作用が多くあげられますが、それほど重篤な副作用は飲み薬より出る頻度は少ないです。
貼り薬はそこまで危険なものではないという認識が一般的です。
医療費も1~3割なので、たくさんもらっておいた方がお得。
だからこそ、患者さnは使えきれないくらいたくさんもらってしまう。
残ったものは友達や家族にあげてしまうという事例もたくさん見てきました。
血圧や糖尿病の薬は他の人にあげないですよね?
しかし、痛み止めの貼り薬はどうでしょう?
「余ってるし、よく効くからあげるよ」
という、経験がある人は多いと思います。
使わないで期限切れ。
どれだけ多くの貼り薬が無駄になってきたのでしょうか?
このような事態を防ぐためにも貼り薬も改定対象になってしまいました。
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改定の成果は?
出典:厚生労働省
明らかに減ってますね。
成果は出ているようです。
対象となる湿布薬は?
湿布薬と言っても様々なものがあります。
対象となるのは以下の4種類です。
ココがポイント
- 鎮痛
- 鎮痒
- 収斂
- 消炎剤
ただし、専ら皮膚疾患に用いるものは除きます。
気管支拡張剤(ホクナリンテープなど)、医療用麻薬(フェンタニルなど)などは対象外です。
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処方箋、レセプトに記載する事柄
- 1回あたりの使用量および1日あたりの使用回数
- 投与日数
これだけだとよくわからないので以下に例を挙げてみます。
例1
Rp.1 ロキソニンテープ50mg 70枚
1日2枚
1日1回 膝
例2
Rp.1 ロキソニンテープ50mg 70枚
投与日数 35日分
1日1回 膝
あくまで一例です。
使用量・使用回数と投与日数のどちらかが記載されてあれば返戻になることはありません。
処方せんに記載がない場合も多々あります。
その時は疑義照会をして聞くか、処方せんから判断しても問題ありません。
入力しないと返戻になる可能性があるので、使用量・使用回数と投与日数のどちらかはレセコンに入力しましょう。
処方せんを見れば大体わかりますよね。
実際に返戻になった例も聞いているので、入力漏れには気をつけましょう。
70枚より多く処方されたらどうする?
備考欄に医師のコメントがあればそのまま調剤して構いません。
医師からのコメントは必ずレセコンに入力しましょう。
Mr.Tの経験上、
「複数箇所貼るため」
「次回の受診まで日数があるため」
などのコメントが記載されていることが多いです。
医師のコメントが記載されていなければ疑義照会をしましょう。
よく聞かれる質問
湿布の種類ごとに70枚?湿布全体で70枚?
複数の湿布があった場合は、湿布全体で70枚です。
例1
ロキソニンテープ50mg 70枚
モーラステープ40mg 70枚
これはダメ。全量で140枚だから。
例2
ロキソニンテープ50mg 35枚
モーラステープ40mg 35枚
これは70枚以下なのでOK。
1回の処方で70枚が上限なのであれば、何回も病院に行けばいいのでは?
月あたりの枚数の制限は今の所規定されていないので、たくさんもらいたい人は何度も通院するしかないでしょう。
しかし、使用回数や投与日数が病院のカルテや薬局のレセコンに記載されているので、そもそも病院で処方してもらえるかはわかりません。
出し過ぎるとそれこそ返戻になってしまうので、 複数の病院に行っても、お薬手帳から湿布が重複しているとわかると完全な疑義対象です。
支払基金の方はどこの病院に通っているか、どれだけ薬をもらっているかをすべて把握しているので、目をつけられるよりだったら下手なことはしない方がいいと思います。
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まとめ
今回は湿布薬の70枚制限について説明しました。
改定してからまだ歴史が浅いのでこれから更に改定されて厳しくなる可能性もあります。
「1回の処方で70枚以上も使うの?」
と思う人も多いと思いますが、実際には使う人もいます。
ある一部の薬を適切に使わない人たちのせいで様々な制限がかかってしまい、本当に使いたい人にも迷惑がかかってしまうのです。
使う分だけ処方してもらい、余っても他の人にあげることはしないでください。
どのような副作用がでるかわかりません。
薬を適切に使用しなければ自分の健康被害ももちろんですが、診療報酬も改定され、更に厳しくなる可能性がありますよ。
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