
こんにちは。Mr.Tです。
今回は医薬品の自主回収についてです。
自主回収。
頻度はそこまで多くはありませんが、医薬品の自主回収が問題となることがあります。
自主回収の理由、内容は様々ですが、内容によっては患者さんに恐怖を与えてしまうものもあります。
自主回収の件で患者さんから薬局に問い合わせが来ることも多いです。
今回は自主回収の指示が出たときにどのような対応を取ればいいのかを説明します。
自主回収とは
そもそも自主回収とは何かしら薬に問題があったため、製薬メーカーが現在流通している問題があった薬を回収することを言います。
自主回収にも危険度によってクラスが異なります。
厚生労働省のホームページによると
自主回収のクラス分類について
クラス分類とは、回収される製品によりもたらされる健康への危険度の程度により、以下のとおり個別回収ごとに、I、II又はIIIの数字が割り当てられるものです。
クラスI:クラスIとは、その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況をいう。
クラスII:クラスIIとは、その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
クラスIII:クラスIIIとは、その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。
クラスⅠの「死亡」って結構インパクトが強いですが…
薬を開発するためには巨額の資金と開発年数、安全性試験などの様々な壁を乗り越えなくてはならないので、そう簡単に薬を飲んで死ぬことはありません。
しかし、やはり「薬」であり、個人差もあるためどのような反応が出るかわかりません。
販売後に判明される副作用や問題点もあります。
自主回収の指示が出たら
情報を手に入れる
大抵、自主回収の情報は、以下から手に入れることができます。
- PMDAメディナビ
- 会社からの指示
- 製薬会社からの情報
- 卸からの情報
正直、情報社会なので嫌でも情報は入ってきます。
薬局の対応
指示があったら卸に返品をかけます。
自主回収された薬の代替案も用意しておく必要があります。
また、自主回収されたのに処方が来てしまったらどうするかを考えなくてはなりません。
さらに、患者さんからの問い合わせにもどう回答すればよいかを考えなくてはなりません。
患者側からすると
患者さんはどこから情報を手に入れるかわかりません。
ネットやテレビ、友人経由などで情報を手に入れると、どこまでが本当でどこまでかウソかもわかりません。
患者さんが納得できるような説明を用意しなければなりません。
患者さんとしては不安になるのも当然です。
今まで普通に飲んでいた薬がいきなり
「発がん物質が検出されました」
なんて言われたら不安になるのも当然です。
危ない薬を出されたのだから返品、返金したい気持ちはわかるのですが、それはできません。
制度として、一度出した薬は返品や返金はできないのです。
しかし、少し考えてみると患者の負担金は1割から3割で、国の保険医療制度を使っているので制度に従わないというのは単なる勝手でわがままだとも思うのですが。
どうしても納得できないというのであれば、問題があった薬の製薬会社に問い合わせましょう。
まとめ
ココがポイント
- クラスI:重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況をいう。
- クラスII:一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
- クラスIII:健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。
クラスによって患者さんへの対応方法が違います。
やはりクラスⅠが出たら患者さんはもちろん、薬に関わる全ての人が恐怖を感じるでしょう。
自主回収の指示が出たら適切な情報をしっかりと集め、適切な対応ができるようにしましょう。
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