ベストロン点眼を使ってるんだけど、7日以内に使用するようにと言われたの。
使用期限は切れてないんだけど、何か理由があるの?
成分の安定性の影響で、溶解後のベストロンは7日以内に使ったほうがいいんだ。
溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下してしまうから、どんどん効き目がなくなってしまうんだね。
こんな方におすすめ
- ベストロン点眼用を使用している人
- 7日以内に使用する理由を知りたい人
ベストロン点眼用0.5%はセフェム系抗生物質の目薬です。
一般的な目薬とは違い、ベストロン点眼は袋の中に粉と液体の瓶が入っており、これらをその場で溶解して患者さんにお渡ししなければならない薬です。
添付文書には「溶解後は、冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないでください。」とありますが、8日以上使ってはいけない理由として成分の安定性が考えられます。
ベストロン点眼は、溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下してしまうので、7日以降はどんどん効果が薄くなってしまうのです。
上記で簡潔に説明しましたが、今回はベストロン点眼を7日以内に使用する理由を考察していきます。
ココがポイント
- 溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下
- 継続投与は4週間が目安
- 使い方によって使いきれない場合もある
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Contents
ベストロン点眼を7日以内に使用する理由
この章ではベストロン点眼を7日以内に使用する理由を説明します。
ココがポイント
- 溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下
- 継続投与は4週間が目安
溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下
画像引用:ベストロン点眼用0.5% インタビューフォーム
インタビューフォームによると、溶解後7日でベストロンの成分であるセフメノキシムの力価残存率が96.3まで低下していることがわかります。
データは溶解後7日までしかありませんが、8日目以降は更なる力価残存率の低下が考えられて効果が薄くなる可能性が高いため、溶解後8日以上は使ってはいけないと指示があるのでしょう。
たった3.7%の低下とも思うけど、結構この差は大きいよ。
単純に考えると、3.7%は効かない成分が含まれているということだからね。
継続投与は4週間が目安
画像引用:ベストロン点眼用0.5% インタビューフォーム
8日以上は使わないことと言われると、継続投与による副作用が気になる人が多いでしょう。
しかし、ベストロン点眼用の添付文書には「4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については漫然と投与しないよう、慎重に行うこと。」と記載があるので、8日以上継続的に使用しても問題ありません。
また、上の図の通り、インタビューフォームにも投与期間別の副作用発現率が記載されており、1か月程度継続して使用しても副作用の発現率は特に問題ないとされています。
しかし、29日以上では0.77%と一気に高くなってしまうので、やはり1か月以内の使用が望ましいです。
使い始めが副作用が出る可能性が高いんだ。
29日以上は期間が定まっていないから、具体的なデータではないね。
ベストロン点眼は7日以内に使いきれる?
この章ではベストロン点眼を7日以内に使いきれるのかどうか説明します。
用法及び用量
本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1〜2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。
ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
引用:ベストロン点眼用0.5% 添付文書
「通常1回1〜2滴を1日4回点眼する」ということは、両目に点眼すると仮定すると1日に8~16滴点眼することになります。
点眼するときは1滴で十分だよ。
2滴以上点眼しても効果は変わらないし、目から溢れ出た薬が外に流れてしまうだけだからね。
5mLで100滴点眼可能
一般的に医療用の点眼薬は2.5mLと5mLの規格があり、ベストロン点眼用は5mLに属します。
5mLの点眼薬は、1本で約100滴点眼することができるのです。
押す力によって出てくる量が違ってくるから人にもよるんだけど、一般的には1本で約100滴使えるようになっているんだ。
▼目薬と滴数の関係については以下の記事をご覧ください。
コチラもチェック
目薬は5mLで何日分もつ?目薬の正しい使い方と期間について徹底解説
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使用滴数の計算
上記で説明した内容を頭に入れて計算してみましょう。
両目に使い、1日に8~16滴点眼すると仮定すると以下のようになります。
8滴 × 7日間 = 56滴
16滴 × 7日間 = 112滴
1滴であれば、7日間の使用で半分近く余る結果になります。
しかし2滴ずつ使うと112滴となり、5mLの目安である100滴を上回るため、7日間使うとなると足りなくなる可能性が高いです。
いつまで継続するのかは医師の指示をしっかりと聞こうね。
改善しなければ再度受診してベストロンを継続するか、他の薬に変えるという選択肢もあるんだ。
まとめ:溶解後の成分の安定性が原因
今回はベストロン点眼を7日以内に使用する理由を考察してきました。
最後にもう一度ポイントをまとめます。
ココがポイント
- 溶解後7日で成分の力価残存率が96.3%まで低下
- 継続投与は4週間が目安
- 使い方によって使いきれない場合もある
溶解後は日数が経つにつれてどんどん有効成分の量が減っていき、効果が出にくくなってしまうことが原因なのですね。
また、1週間薬を使い続ければ、ある程度の症状は改善が見られます。
改善しないということはその症状にあった薬ではなかった、薬が効かない体質であったなど様々な原因が考えられます。
このような場合は再度受診が必要なので、自己判断で余ったベストロンを8日以降も継続して使わないように指導することも重要です。
効果がない薬をいつまでも使い続ける意味はないし、ベストロンは抗生物質だから長期の使用は避けたいよね。
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参考文献:ベストロン点眼用0.5% 添付文書、インタビューフォーム