
こんにちは。Mr.Tです。
今回は毒物・劇物の販売方法についてです。
毒物・劇物。
あなたの薬局で毒物や劇物は販売しているでしょうか?
置いてない、置いているけどあまり売れないというのがほとんどだと思います。
毒物・劇物は他の商品と同様に、店頭に陳列していい商品ではありません。
鍵のかかった場所に保管しなければならないので、販売するまではお客さんの目に触れることがないと思います。
Mr.いる薬局でも現在取り扱っている商品は劇物の苛性ソーダのみ。
昔は塩酸なども扱っていたのですが、現在は基本、お断りしています。
毒物・劇物は非常に危険で、手作り爆弾とかも作れるんですね。
実際にそのような事例もあったので、警察も注意喚起しています。
警察が薬局に確認しに来たこともあります。
もちろん保健所も毒物・劇物に関しては監査が厳しいです。
毎回、保管場所、保管方法、購入履歴の帳簿などを確認してきます。
お客さんが購入する場合は薬剤師に直接声をかけないと買うことができない仕組みになっているのですが、何故お客さんは苛性ソーダがあることを知っているのだろう…
口コミだと思いますが。
今回は毒物・劇物の販売方法について説明していきます。
Contents
毒物・劇物の販売方法
- 年齢確認
- 用途の確認
- 身分証明書・印鑑を持参しているかを確認
- 譲受書の記入
- 身分証明書の確認
- 印鑑を押してもらう
- 譲受書の保管
年齢確認
毒物・劇物を18歳未満は購入することができません。 年齢確認が必要です。
用途の確認
用途の確認をします。
苛性ソーダは石鹸づくりや掃除などで購入する人が多いです。
Mr.Tの薬局で販売している苛性ソーダは食用ではないので、オリーブのあく抜きなどで使用する人には販売することができません。
もちろん、危険な使い方をする人にも販売不可です。
まあ、自分から
「爆弾作ります!!」
っていう人はいないと思いますが。
薬剤師が適切な用途ではないと判断した場合、購入を拒否してください。
それこそ危ないとわかっているのに販売すると、後が大変なことになる可能性があります。
身分証明書・印鑑を持参しているかを確認
免許証や保険証などの身分を証明できるものを持ってきているかを確認します。
また、印鑑を持っていないと購入することができません。
押印は三文判もしくはシャチハタです。
サインや拇印は認められていません。
この事項は保健所の立入検査でも厳しく指導されたので特に注意しましょう。
-
保健所の立入検査では何が聞かれる? Mr.Tの保健所立入検査の経験談
譲受書の記入
- 販売する商品の名称、容量、数量
- 使用の目的
- 販売又は授与の年月日
- 譲受人(お客さん)の氏名、年齢、職業、住所、押印
- 身分証明書の確認
- 証明書の番号など
- 取扱い担当者
以上の事柄を譲受書に記載しなければなりません。
こちら側で書く項目、お客さんに書いてもらう項目が非常にわかりづらいですが、
「わかるところだけ書いてください」
と言って最初にお客さんに書いてもらっています。
残りの事項や記入漏れがあった場合はこちらで記入します。
身分証明書の確認
免許証や保険証などの身分が証明できるものを確認します。
書いてもらった譲受書と身分証明書を照らし合わせます。
印鑑を押してもらう
押印のタイミングはいつでも大丈夫なのですが、印鑑をもっていないと購入することができないので要注意。
サインや拇印はダメ。
要チェックや!!
譲受書の保管
書いてもらった譲受書は5年間保管しなければなりません。
すぐに捨ててはいけません。
毒物・劇物の例
毒物
- 無機シアン化合物(青酸カリ、青酸ソーダ等)
- フッ化水素(フッ酸)
- 水銀及び水銀化合物、ヒ素及びヒ素化合物(ヒ化ガリウム・ヒ化インジウム等を除く)
- セレン及びセレン化合物
- アジ化ナトリウム
- 黄リン、硫化リン
- ベンゼンチオール
- 三塩化リン、三塩化硼素、三フッ化リン、三フッ化硼素
など
劇物
- 塩酸、硫酸、硝酸、ぎ酸、蓚酸及び蓚酸塩類
- ヨウ化水素、ブロム水素
- 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
- 過酸化水素、塩素、臭素、ヨウ素、ナトリウム
- 有機シアン化合物
- 無機銅塩類、無機亜鉛塩類、無機すず塩類、無機金塩類、無機銀塩類、クロム酸塩類、重クロム酸塩類、塩素酸塩類
- アンチモン化合物、カドミウム化合物、鉛化合物、バリウム化合物
- 五酸化バナジウム
- メタノール、トルエン、四塩化炭素、二硫化炭素、クロロホルム、ホルムアルデヒド、メチルエチルケトン、アクリルアミド、酢酸エチル、キシレン、アニリン、フェノール、アクリロニトリル、アセトニトリル
など
爆発物の原料となり得る化学物質
毒物・劇物だけでなく、一般の商品も爆発物の原料となるものもあります。
- 塩素酸カリウム
- 塩素酸ナトリウム
- 硝酸
- 硫酸
- 塩酸
- 過酸化水素
- 硝酸アンモニウム
- 尿素
- アセトン
- ヘキサミン
- 硝酸カリウム
まとめ
いかがでしたでしょうか。
毒物・劇物を販売する手順は理解できたでしょうか?
販売、購入する側のどちらも非常に面倒くさいですが、取扱いに注意が必要なものなのでしょうがないのです。
購入したい人は必ず身分証明書、印鑑を持参し、薬剤師に声をかけましょう。
バファリンみたいに店頭に並び、気軽に購入できるようなものではありませんので。
毒薬の記事はこちらから⇩
-
【毒薬一覧】取扱・保管に要注意!! 毒薬を一覧にしてまとめてみた
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参考文献: