廃棄薬はデメリットしかない! 薬の廃棄率削減の重要性について徹底解説

2021/8/12(木)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は廃棄率削減の重要性についてです。
 

廃棄薬。

廃棄薬の削減はどこの薬局も取り組まなければならない難題であり、管理者たちが常に頭を抱えている問題だと思います。  

単純にロスになるのでいいことは一つもありません。

なので、個人の薬局でも大手でもチェーンでも、すべての薬局が廃棄率に関してはシビアに取り組んでいかなければなりません。  

しかし、いきなり「廃棄率を削減しろ」と言われても何から手をつければいいのかわからないと思います。

実際に他の薬局の取り組みを見ても、ただ単に他の薬局にお願いするぐらいしかしていない管理者もほとんどです。  

Mr.Tは廃棄率に関してはかなりシビアに取り組んできました。

会社からも厳しく言われているのですが、どの年も0.15%以上の廃棄率を出すことはありません。

廃棄率は

廃棄率 = 廃棄金額 ÷ 薬剤料

で算出します。

仮に月の薬剤料が1千万で廃棄率が0.15%だとしたら、廃棄金額は15,000円ですね。  

廃棄金額 = 廃棄率 × 薬剤料

この式で簡単に数値を出すことができます。

Mr.Tの周りには「なぜ廃棄率を抑えなければならないのか」を具体的に説明できる人は少ないです。

上司も理解しているかどうかはわかりませんが、詳しいことを説明しないので。

明確な理由がわからないと仕事にやる気がなくなるのは当然のことです。

今回は廃棄率削減の重要性について説明していきたいと思います。  

 

廃棄率の重要性

なぜそんなに廃棄率を下げることが重要なのでしょうか?

これを教えてくれる人はMr.Tの会社にはいませんでした。

ただ単に「会社としての損失になるから」としか言わない。

そんなの言わなくてもわかってるわ。

もっともな答えなのですが、数字の観点から廃棄率の重要性について見ていきましょう。  

 

売上金額:15,000,000
薬剤料:10,000,000
廃棄率目標:1%以下
営業利益率:10%
処方箋の1枚単価:10,000

 

例として、上記の薬局の数値で廃棄率を1%以内に抑えろと言われたとしましょう。  

廃棄率 = 廃棄金額 ÷ 薬剤料

なので、廃棄金額を計算してみると

廃棄金額 = 廃棄率 × 薬剤料
             = 0.01(1%) × 10,000,000
             =100,000

10万円まで廃棄額を出していいことになります。

この10万円はもちろん赤字です。
マイナスですから。

では、この10万円を相殺するにはいくらの売上を挙げればいいと思いますか?

「うちの薬局は1枚単価が1万円だから、処方箋が10枚くれば10万円。あれ?以外に楽じゃん。」

と思った人、明らかに数字に関して勉強不足です。

 

以下の数字に関する記事で勉強し直しましょう  

 

ここでP/L(損益計算書)でよく使う用語。

営業利益とは、「会社が本業で稼いだ利益のこと」と説明されますが、単純に自分たちで言えば給料の手取りだと考えてください。
自由に使えるお金のことです。

営業利益率とは、営業利益の売上高に対する割合をいいます。

この営業利益から廃棄分を相殺すると考えた方がいいでしょう。

1万円の営業利益があり、廃棄金額が1万円だったらプラスマイナスでゼロですね。

営業利益は自分たちが自由に使えるお金です。

売上高や粗利高とは違います。  

例えば今回の例だと営業利益率が10%。

廃棄金額が10万円。

10万円を相殺するにはいくらの売上を挙げればいいのか?  

このように考えてみましょう。

営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上

で表します。

今回は廃棄金額の相殺分を営業利益として考えてみましょう。

相殺するには売上をいくら挙げればいいか計算ができます。

営業利益率 = 営業利益(廃棄金額)÷ 売上

売上 = 営業利益(廃棄金額)÷ 営業利益率
   = 100,000 ÷ 0.1(10%)
       = 1,000,000  

10万円分の廃棄を相殺するには100万円の売上を挙げなければいけません。

売上が1千500万円なので、売上の約6.7%を占めてしまいます。

1枚単価が1万円だと、処方箋が100枚来ないと相殺できないことになります。

100枚って結構な量ですね。

10万円の廃棄を相殺する大変さがおわかり頂けたでしょうか?

だからこそ廃棄率には皆さん、シビアになるのです。

この数字を見て、自分の店舗を計算してみましょう。

もちろん、店舗によって数値は全然違います。
今回は計算しやすいように単純な数値にしてみました。

1ヶ月あたりいくらまで廃棄薬をだすことができるのか?

廃棄率に関する考え方、取り組み方がきっと違ってくると思います。       

 

まとめ

薬剤料が少ない店舗はなかなか廃棄率を減らすのは難しいと思います。

1ヶ月に処方箋枚数が100枚程度の店舗で、1万円の廃棄金額を出してしまえば廃棄率はかなり上がってしまいます。

「廃棄率を下げることは重要だ」と頭の中では理解していても、実際に数字をだしてみると印象が違ってくるのではないでしょうか?

失った分をどれだけ稼げば相殺できるのか、どれだけ頑張れば取り戻せるのかを計算して見ると大変さがわかってきます。

だからこそ数字に強くなければいけないのです。

あなたがどのような境遇におかれているかはわかりませんが、現在どこの会社も残業時間を削ったり、人員の削減などで「余裕」がなくなってきている所が多いのではないかと思います。

毎日調剤の繰り返しで管理業務や数字を勉強する時間がない。

「余裕」とは暇な時間ではなく、調剤以外で勉強する時間のこと、自分をステップアップさせる時間のことです。

今では新人や管理薬剤師候補にゆっくりと数字や管理業務を教えてあげる時間がほとんどなくなってしまいました。

会社や上司はそのような時間を作ることは望んではいませんから。

「とっとと仕事を終わらせて帰ってほしい」

これが会社・上司の本音です。

このような状態なので、自分で勉強するしかなくなってきています。

実際に自分が管理薬剤師になったり、仕事を任せられたときにある程度知識を持っていればスムーズに仕事をこなせますし、信頼もされます。

少しずつでもいいので、調剤の知識以外にも数字や管理業務などを学んでいきましょう。

 

具体的にMr.Tが行っている、薬の廃棄率を下げるための戦略についての記事はこちらから

 

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