医薬品

【ゴーストピル一覧】便と一緒に薬が出てしまった… ゴーストピルについて徹底解説

2021/1/05(火)

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回はゴーストピルについてです。

 

ゴーストピル。

 

薬を飲んだ際に、便の中に錠剤や顆粒の抜け殻が一緒に出てくることがあります。

これはゴーストピルまたはゴーストタブレットと呼ばれています。

 

薬剤師から説明もされず、初めて経験すると非常に怖いですよね…

 

「薬が吸収されずにそのまま出てしまった…」
「薬を飲んだ意味はあったのか…」

 

様々なことを考えてしまうと思います。

今回はゴーストピルについて説明します。

 

ゴーストピルとは?

冒頭でも説明したように、薬を飲んだ際に便の中に錠剤や顆粒の抜け殻が一緒に出てくることがあり、これらをゴーストピルまたはゴーストタブレットと呼んでいます。

初めて見た人は薬がそのまま出てしまったと心配になる人が多いですが、心配は不要です。

 

ゴーストピルは一部の徐放性製剤で見られる現象で、薬の有効成分はほとんど吸収されています。

徐放性製剤とは、薬の成分が少しずつ長時間放出され続けるように加工された製剤のことです。

薬の抜け殻が便に出てきているだけであり、有効成分はほとんど吸収されているので効果に問題はありません。

しかし、激しい下痢などの症状がある場合は十分に薬が吸収されていないことがあるので注意しましょう。

 

ゴーストピルの原因

薬はどれも見た目が同じですが、薬によっては様々な工夫が施されています。

 

薬を長時間体内で効かせることができれば飲む回数が減らせます。

炎症が起こっている部位だけに作用することができれば他の臓器へのダメージを減らせます。

 

以上のような問題を解決するためにDDS(ドラッグデリバリーシステム)の研究が盛んになりました。

DDS(ドラッグデリバリーシステム)とは、体内の薬物の分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システムのことです。

上記で説明した徐放性製剤もそのうちの一つです。

 

ゴーストピルは、薬の溶出時間を調節するなどの加工を施した徐放剤製剤が開発されるようになったことにより見られるようになりました。

ゴーストピルが生じる原因として、以下のことが考えられています。

 

徐放性製剤の中にはマトリックスと呼ばれる格子構造や、エチルセルロースなどの被膜で有効成分がコーティングされているものがあります。

有効成分が不溶性のマトリックス基剤や被膜などから放出されて、ほとんど吸収された後に賦形剤が吸収されずに殻だけが糞便中に排泄されるため、ゴーストピルが生じるのです。

イメージとしては有効成分の周りを溶けないカゴで囲い、カゴだけが糞便中に出てくるというものです。

 

添付文書への記載

「本剤投与後に白色の残渣が糞便中に排泄される」
「白色の粒子が糞便中に排泄されるが、これは賦形剤の一部である」

 

などの記載があります。

先発品、ジェネリックどちらにも起こりうる現象です。

同一成分でもメーカーによって製剤方法が違う場合は発生しない場合もあります。

 

徐放性製剤の注意点

徐放性製剤はサイズが大きいものがありますが、飲むときに錠剤を潰したり、噛んだりしてはいけません。

潰したり、噛んだりすると徐放性が失われ、効果時間が短くなることや、短時間で有効成分が吸収されることで副作用が起きやすくなるなどの問題が起こることがあるからです。

せっかく工夫して作った籠を壊して飲んだら意味がないですよね。

 

水なしで服用した際にゴーストピルが出現する可能性が高くなると言われているので、多めの水で服用するようにしましょう。

 

ゴーストピルの例

先発品のみ 五十音順

商品名一般名
アサコール錠メサラジン
インヴェガ錠パリペリドン
オキシコンチン錠オキシコドン
コンサータ錠メチルフェニデート
*スローケー錠塩化カリウム
セレニカR錠パルプロ酸
セレニカR顆粒パルプロ酸
ツートラム錠トラマドール
ディレグラ錠フェキソフェナジン
プソイドエフェドリン
テオドール顆粒テオフィリン
デパケンR錠パルプロ酸
フェロ・グラデュメット錠乾燥硫酸鉄
プロタノールS錠dl-イソプレナリン
ペンタサ顆粒メサラジン
ユニフィルLA錠テオフィリン
リアルダ錠メサラジン
ワントラム錠ドラマドール

*販売中止

 

まとめ

ココがポイント

  • ゴーストピルまたはゴーストタブレットとは便の中に一緒に出てくる錠剤や顆粒の抜け殻のこと
  • 薬の有効成分はほとんど吸収されているの心配しなくてOK
  • 徐放性製剤で起こることが多い
  • 潰したり、噛んだりすると徐放性が失われ、効果時間が短くなることや、短時間で有効成分が吸収されることで副作用が起きやすくなるなどの問題が起こることがある

 

ゴーストピルに関しては体内に影響はないので心配しなくてもいいのですが、冒頭でも述べた通り、投薬時にしっかりと患者さんに説明しないとほとんどの人が驚いたり、疑問に思ってしまいます。

そのためにはどの薬がゴーストピルになる可能性があるのかをしっかりと頭に入れておかなければなりません。

患者さんと薬剤師、双方、後々焦らないためにもゴーストピルが生じる恐れがある薬を覚えておきましょう。

 

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参考文献:日経DIクイズ17

4.5

 

対象者

  • 薬剤師
  • 知識をもっと深めたい人
  • 様々な処方、薬の使い方を知りたい人
  • 自分の力を試したい人

 

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