保険関係

薬局でのスポーツ振興はどうすればいい? 学校でケガをした子どもの処方箋の対応について徹底解説

2021/8/13(金)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回はスポーツ振興についてです。
 

スポーツ振興。  

聞いたことがある人が多いと思います。

子どもの処方箋は地域によって違いますが、基本的にはこども医療が使えます。

年齢基準、患者さんの住所と調剤する薬局の住所の市町村が同じであればほとんどの場合、こども医療は使えます。

しかし、これらの基準を満たしているのにもかかわらず、こども医療が使えない場合があるのです。

その一つにスポーツ振興があります。

今回はスポーツ振興の処方箋の対応について説明します。  

 

スポーツ振興とは?

簡単に説明すると、学校でケガなどをした際に病院や薬局で支払うお金を代わりに支払ってもらう制度です。

医療機関にかかった際にその場でお金は払いますが、後で口座にその分が振り込まれます。

基本的に医療機関では3割負担しますが、スポーツ振興を使うと医療費の4割が給付されるので1割分プラスされることになります。  

災害共済給付制度

スポーツ振興と呼ばれることが多いのですが、本来は「災害共済給付制度」という名称です。

管轄しているのが「独立行政法人日本スポーツ振興センター」なので、スポーツ振興と呼ばれることが多いのでしょう。  

災害共済給付制度では、学校の管理下において生徒が負傷・疾病・障害・死亡が起こった場合に適用されます。  

詳しくは以下のホームページからご覧ください。

参考:給付金額 (jpnsport.go.jp)  

薬局に来る事例で多いのが圧倒的に負傷、疾病なので、この2つを説明します。    

負傷

「その原因である事由が学校の管理下で生じたもので、療養に要する費用の額が5,000円以上のもの」

と定義されています。  

また、負傷の給付金額の欄を見ると

「医療保険並の療養に要する費用の額の4/10(そのうち1/10の分は、療養に伴って要する費用として加算される分)」

と記載があります。  

ということは、上記でも説明した通り、医療機関で3割を一時的に支払いますが、4割分支給されるので1割分お得です。    

疾病

「その原因である事由が学校の管理下で生じたもので、療養に要する費用の額が5,000円以上のもののうち、文部科学省令で定めるもの」

  • 学校給食等による中毒
  • ガス等による中毒
  • 熱中症
  • 溺水
  • 異物の嚥下又は迷入による疾病
  • 漆等による皮膚炎
  • 外部衝撃等による疾病
  • 負傷による疾病

疾病の給付金額の欄を見ると、負傷と同じく

「医療保険並の療養に要する費用の額の4/10(そのうち1/10の分は、療養に伴って要する費用として加算される分)」

と記載があります。

学校の管理下

上記で何度も「学校の管理下」と出てきましたが、どこまでの範囲が「学校の管理下」なのでしょうか?

以下の6項目が「学校の管理下」に当てはまります。


  • 授業
  • 課外授業
  • 休憩時間
  • 通学
  • 学校外での授業中 
  • 学校の寄宿舎

 

部活動なども課外授業に当てはまります。

学校内だけでなく、学校関係でケガをしたものはほとんど当てはまります。

参考:給付対象範囲 (jpnsport.go.jp)

 

支払い請求の期限

スポーツ振興にも時効があります。

負傷、傷害が起こった月から2年以内に請求しないと時効となり、請求できなくなるので早めに請求しましょう。

参考:請求と給付 (jpnsport.go.jp)

 

薬局での対応


  1. 受付
  2. 入力
  3. 調剤
  4. 支払い
  5. 調剤報酬明細書の記入 
  6. レセプト  

 

受付

保険番号と公費の欄を必ず確認しましょう。

こども医療が適用可能なはずなのに、公費の欄に番号がなければスポーツ振興の可能性が高いです。

しかし、こども医療が使えない状況の可能性もあるので、受付時に必ず患者さんに確認しましょう。


  • 医療保険を使用
  • こども医療不可
  • 学校でケガをした 

この3つの確認が取れればスポーツ振興の可能性が非常に高いです。    

入力

医療保険のみ入力します。

ここでこども医療の番号も入力してしまうと支払いがタダになってしまうので注意しましょう。

よくある事例が、普段はこども医療を使用していて、今回はスポーツ振興。

誤ってこども医療の番号を入力したまま調剤してしまい、タダのまま調剤してしまった…

という事例がとても多いです。

「子ども=タダ」

という固定観念は捨てましょう。      

調剤

調剤はいつも通りで構いませんが、処方箋の保険番号、公費欄の確認を必ずしましょう。

スポーツ振興は入力ミスが非常に多いです。

「入力」で説明した通り、こども医療の番号を外さないまま入力してしまうというミスが多いので。

また、スポーツ振興は4割負担だと知っている患者さんはあえて先発希望をしてくる人がいます。

稀なケースですが、実際にMr.Tは経験したことがあります。

「スポーツ振興って1割分余分に帰ってくるんですよね。じゃあ、先発で。」

金額にしたら微々たるものだと思うのですが、患者さんの希望ですからね…

先発、ジェネリックの希望も確認しておきましょう。    

支払い

こども医療は使えないので3割負担でお金を頂きます。

普段のこども医療と混同してタダにしてしまう人が非常に多いです。

保険のことを理解していない人ほどやらかしてしまうミスです。

実際に、Mr.Tも一度やらかしてます…

スポーツ振興で入力したのにも関わらず、お金を貰わなかったのです…

後日電話して払ってもらいましたが。    

調剤報酬明細書の記入

患者さんが学校から渡された調剤報酬明細書を薬局で記入し、患者さんにお渡しします。

すぐに書くことができないので基本的には一度帰ってもらい、できたら電話するという形を取っています。

自賠責などでも記入することがあると思いますが、基本的には記入する内容はそこまで大きく変わりません。

指定された箇所を埋めていけばいいだけです。        

記載すべきことは


  • 療養年月日
  • 処方年月日
  • 処方発行元の医療機関名、発行医師名 
  • 調剤内容
  • 合計点数
  • 薬局名を記名押印

 

文書作成料は無料です。

自賠責は有料なのに何でスポーツ振興は無料なんですかね。

仕事の一つなのにタダでやらせるっていうのが気に食わない。      

様式や記入例がホームページにあるので載せておきます。

参考:iryou3_7_kinyu_07.pdf (jpnsport.go.jp)  

レセコンによってはスポーツ振興用のレセプトを出せると思います。

Mr.Tが使っているレセコンは最初は出せなかったのですが、バージョンアップで出せるようになりました。

一度レセコンの機能を確認してみた方がいいでしょう。

レセプトで出して、患者さんが持ってきた用紙には「別紙参照」と書いて出す方が楽です。

地域によっては認められていない所もあるかもしれないので確認しておきましょう。  

レセプト

特別な操作はいりません。

こども医療を外して請求すればOKです。 

 

まとめ


  • 学校でケガなどをしたときに使う
  • 窓口支払いは3割分
  • 4割分帰ってくる
  • 医療保険は使うが、こども医療は使えない
  • 患者さんが持ってきた用紙を記入し、患者に返す    

 

スポーツ振興は各公費と比べても難しい部類ではありません。

請求書の記入は面倒ですが。

  • 「学校でケガをした」という確認
  • こども医療は使えず、その場で支払ってもらう  

最低限この2つを頭に入れておけば何とかなります。

何事もお金をもらっていればトラブルは避けられます。

もし、誤ってお金を頂いてしまった場合は返すだけで済みますが、後から支払ってくださいと言って支払ってもらえる可能性は低いです。

「そちらのミスだから払わない」

という患者さんがとても多いです。

ミスをしたのはしょうがない、こちらの落ち度ですが、謝罪してお願いしているのにも関わらずお金を払わないというのは人としてどうかと思いますが。

まぁ、そのような人間もいる、しょうがないとスルーするのが賢明でしょう。

金額が高かったらどんな手を使ってでも回収しに行きますが。

このようなトラブルを避けるためにも保険関係の知識も深めておきましょう。

 

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以下の記事もご覧ください。

 

 

参考文献:JAPAN SPORT COUNCIL 日本スポーツ振興センター (jpnsport.go.jp)

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