医薬品

ニゾラールローションをシャンプーに混入? 抗真菌剤入りシャンプーについて調べてみた

2021/8/16(月)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は抗真菌剤入りシャンプーについてです。
 

 

Rp.1
ザイザル5mg 1T
分1 就寝前  

Rp.2
ニゾラールローション2% 30g

シャンプーに混入
外用薬  

Rp.3
トプシムローション0.05% 30g 

1日1~2回、頭皮に塗布  

 

以上のような処方箋が来ました。

パッと見ると 「あー、頭皮湿疹系だなー。」 と思って終わりですが、よく見ると 「シャンプーに混入」 と書かれています。  

記載はこれだけ。

使い方等はまったく書いてない。

この処方はどのような意図なのでしょうか?

今回は抗真菌剤入りシャンプーについて調べてみました。

 

ニゾラールローションの基礎知識

一般名はケトコナゾールで、外用抗真菌剤に分類されます。  

効能又は効果/用法及び用量

下記の皮膚真菌症の治療

(1) 白癬
足白癬、体部白癬、股部白癬

(2) 皮膚カンジダ症
指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)

(3) 癜風

(4) 脂漏性皮膚炎

白癬、皮膚カンジダ症、癜風に対しては、1日1回患部に塗布する。
脂漏性皮膚炎に対しては、1日2回患部に塗布する。

引用:ニゾラールローション2%添付文書

 

今回の患者さんの疾患は「脂漏性皮膚炎」で、他にもザイザルとステロイドが出ています。  

 

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは、頭や顔面などの皮脂の分泌が盛んな箇所に湿疹ができてしまう疾患です。


  • 皮膚に常在するカビの一種の「マラセチア」の異常な増殖 
  • 皮脂の分泌
  • 肌質

以上の項目などが関係しています。

皮膚から皮脂が分泌されてマラセチアが皮脂に含まれるトリグリセドを遊離脂肪酸へ分解し、その遊離脂肪酸が皮膚への炎症を引き起こす原因になっていると考えられています。    

 

ニゾラールとシャンプーの関係

ここからは具体的に抗真菌剤入りのシャンプーについて説明します。

なぜニゾラールローションをシャンプーに入れる?

そもそもシャンプーに薬を混ぜても大丈夫なのか?

と思うのですが、特に問題ないようです。

抗真菌剤入りのシャンプーは日本でも発売されていますし、ニゾラールの主成分であるケトコナゾール入りのシャンプーは海外でも販売されています。  

シャンプーに薬を混ぜて使うメリットとして、薬をまんべんなく頭皮に行き渡らせることができます。

頭は自分では見づらく、ローションは非常に塗りづらい…

シャンプーであれば頭皮全体にまんべんなく行き渡ることができますね。  

どのシャンプーを使ってもOK?

市販で売っている、普段使うようなシャンプーであれば特に問題ないようです。

しかし、混ざりにくいもの、変色する恐れのあるもの、ニゾラールと同じような成分が配合されているシャンプーに混ぜてはいけません。

「JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院薬剤科」で作成した資料があるのでリンクを貼っておきます。

参考:スライド 1 (dou-kouseiren.com)  

使い方

この方法は完全に確立はされていないので、皮膚科によって使い方が違います。

「JA 北海道厚生連 遠軽厚生病院薬剤科」ではシャンプー100ml当たり1本を目安としています。

その他の皮膚科でも100ml 当たり1本使用するところが多かったのですが、使い方や配合割合はしっかりと医師に確認しましょう。

通常の洗髪方法で特に問題ないようです。

流す前に少し時間を置いたほうがいいという皮膚科もありましたが、効果の差異ははっきりとしたデータが出ていないのでわかりません。  

抗真菌剤入りのシャンプー

抗真菌剤が配合されたシャンプーは日本でも販売されており、

コラージュフルフル ネクストシャンプー」というものがあります。  

抗真菌(抗カビ)成分ミコナゾール硝酸塩と抗酸化・殺菌成分オクトピロックス(ピロクトンオラミン)が入っています。

コラージュフルフルのシリーズはボディーシャンプーやリンスも販売されており、どちらも抗真菌成分のミコナゾールが配合されています。

病院に行かなくても手に入るので、病院に行く時間がない人はこちらで試してみるのも一つの手です。  

ニゾラールシャンプーも販売されている

日本では販売されていませんが、海外ではニゾラールシャンプーが販売されています。

ニゾラールローションをシャンプーに混ぜるという治療法は海外では一般的に使われていることがわかりますね。

海外から輸入するという方法で手に入れることができますが、ものによって使い方が異なり、医師の診断もなしに勝手に自己判断で薬を使うのは非常に危険なのでやめた方がいいと思います。

調べてみましたが、疾患や症状によっても使用回数や日数が違うみたいですね。

Mr.Tはきちんと受診することをオススメします。

 

まとめ

ニゾラールローションをシャンプーに入れて洗髪する治療法は皮膚科ではよく行われています。

使用するシャンプーは一般的な市販のものであれば特に問題ありません。

作り方や使い方に関しては疾患や症状によって異なるので、医師の指示を仰ぎましょう。  

処方箋に使用方法を書いてくれるとありがたいのですが、ほとんどの場合は書いてくれません。

門前薬局だけわかればいいという発想だと思います。

このような処方は添付文書には載っておらず、治療法も確立していないので薬剤師として判断が非常に難しいです。

Mr.Tも最初に見たときは

「は?シャンプーに入れるの?」

と驚いてしまいました。

その時は患者さんがしっかりと医師の話を聞いていたので患者さんから色々と教えてもらったのですが、このような処方に出会うのは皮膚科以外の門前や面だとレアケースだと思います。

勉強不足だと言われればその通りかもしれませんが。

様々な処方、珍しい処方がたまにくるというのが面の面白さでもあると思っています。

レアケースな処方がレアでなくなるぐらいの知識と経験が欲しいですね。

 

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参考文献:スライド 1 (dou-kouseiren.com)

 

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