保険関係

【処方箋・受付回数】 まとめて持って行った方が安くなる? 処方箋の受付回数について徹底解説

2021/11/15(月)

処方箋・受付回数

Mr.T
こんにちは。Mr.Tです。
今回は処方箋の受付回数についてです。

 

処方箋の受付回数。  

複数の病院や診療科を受診し、処方箋が複数ある場合、まとめて薬局に持って行った方がお会計が安くなることをご存じでしょうか?

2つの異なる病院の処方箋を同時に、同じ病院で診療科が違う処方箋を同時に薬局に持っていくとお会計が安くなります。

処方日が違っていても大丈夫です。

今日はA病院の内科、明日はA病院の耳鼻科に行ったときに処方箋を1枚ずつ、合計2枚貰うことになりますが、この場合だとまとめて薬局に処方箋を持っていき、1回だけ薬局に行く方が値段が安くなりますし、2回も行く手間が省けます。

しかし、この処方箋の受付回数は様々なパターンがあり、結構ややこしく、例外もあります。

今回は処方箋の受付回数について説明します。  

*貰う薬が多く、仮に一つの病院から処方箋を2枚以上貰ったとしても調剤では1枚とカウントします。
処方する薬の量が多いから複数枚に分けているだけであり、渡された処方箋すべてで1セット、1枚です。
中には3枚渡されて、「3枚目に記載されてある薬は余っているからいらないや」と勝手に捨ててしまう患者さんがいますが、これでは調剤ができなくなるので注意しましょう。

 

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なぜ値段が変わってくるのか?

調剤する時に当然、料金を払います。

払っている料金は「薬そのものの値段」だけではないのです。

薬の値段は薬価といいますが、薬価以外にも様々な項目が絡んできており、すべての項目を合わせて値段が決まります。

すべての項目を合わせたものが「調剤報酬」と呼ばれ、「調剤報酬」が患者さんが払う金額になります。

調剤報酬=調剤技術料(調剤基本料+調剤料+各種加算)+薬学管理料+薬剤料+特定保険医療材料

以上の式で調剤報酬が決まります。

難しい単語が並んでいます。

各項目の詳しい説明は以下の記事でご覧ください

【処方箋・料金】「こっちの薬局は値段が高い!?」薬局によって処方箋の料金が違う理由を徹底解説
【処方箋・料金】「こっちの薬局は値段が高い!?」薬局によって処方箋の料金が違う理由を徹底解説

続きを見る

 

薬価に関しては変わりませんが、受付回数が違うことにより、調剤技術料薬学管理料などに差が出ます。

薬局に1回行ったら1回分取られる、2回行ったら2回分取られます。

当たり前ですね。

しかし、処方箋をまとめて持っていくと2枚の処方箋が受付1回になり、1回分しか料金が取られないような仕組みになっています。

全てに当てはまるわけではなく、例外もありますが、患者さんにとっては処方箋をまとめて持って行った方がお得になるのです。

 

処方箋を複数枚持ってくるケース

受付回数によって値段が違ってくるのはおわかり頂けたでしょうか?

それならば、どんな場合でもまとめて持っていけば受付回数は1回と定めてくれれば簡単なのですが、そうではありません。

受付回数に関しては複雑なルールがあり、様々なパターンがあります。

ここで処方箋を複数枚持ってくるケースを挙げて見ます。

仮に同じ病院で3つの診療科にかかって3枚の処方箋を同時に薬局に持って行っていっても受付回数は1回になりますが、例を挙げる上で面倒なので2枚に限定します。

 

  • 同一医療機関・異なる診療科・2枚
  • 異なる医療機関・2枚
  • 同一医療機関・同一診療科・処方日が異なる・2枚 
  • 同一医療機関・同一診療科・処方日が同一・2枚

①同一医療機関・異なる診療科・2枚

総合病院に行く患者さんだとこのケースが多いです。

例えばA病院の内科、A病院の皮膚科で1枚ずつ処方箋を貰い、薬局にまとめて持っていくと受付回数は1回になります。

同じ日に同じ病院に行くのだから、わざわざ処方箋を2回に分けて持っていく人は少ないでしょう。

処方日が異なっていても同じです。

例えば今日はA病院の内科、明日はA病院の皮膚科で1枚ずつ処方箋を貰い、薬局にまとめて持っていっても結果は同じで受付回数は1回になります。

②異なる医療機関・2枚

これはわかりやすいですが、最後に罠があります。

例えば内科のA病院、耳鼻科のB病院で1枚ずつ処方箋を貰い、薬局にまとめて持って行っても受付回数は2回です。

まとめて持って行っても、2日に分けて持って行っても受付回数は2回です。

「受付回数が2回だから、2回分同じ料金が取れる」

と思いがちですが、ちょっとこれは違います。

 

調剤基本料について、同一患者から異なる医療機関の処方箋を同時にまとめて複数枚受け付けた場合、2回目以上の受付分については所定点数の100分の80に相当する点数を算定する。  

引用:令和2年度診療報酬改定説明会(令和2年3月5日開催)資料等について (mhlw.go.jp)

 

「調剤基本料の80/100を算定する」ということは、20/100分は安くなるということ。

調剤基本料だけ安くなります。

例えば調剤基本料1を算定している薬局では点数が42点。

42点の80/100は34点。

8点分安くなります。

金額で言えば80円で、医療保険を使うと3割負担で20~30円安くなる計算になります。

あくまでも同時にまとめて持っていくこと」が重要です。

同じ受付回数が2回でも値段が変わってくるのがこのケースです。

以上から、異なる病院の処方箋でも薬局にまとめて持って行った方が安くなるのです。

同時に持っていかないと安くならない

あくまでも同時に持って行った場合に80/100が適用されます。

同じ日でも同時に持っていかないと安くなりません。

例えば内科のA病院の処方箋を午前に持っていき、耳鼻科のB病院の処方箋を午後に持っていくと受付回数は2回で、どちらも100/100支払うことになります。

普通の受付と同じですね。

時間差で持って行っても安くならないと覚えておきましょう。

③同一医療機関・同一診療科・処方日が異なる・2枚

このケースもまれにあります。

例えば今日はA病院の内科、明日もA病院の内科で1枚ずつ処方箋を貰い、薬局にまとめて持っていくと受付回数は1回になります。

連続して病院に行くことは少ないですが、症状が変わった、検査の結果を聞きに来た時に新たな処方箋が発行されたなどと色々なパターンが考えられます。

④同一医療機関・同一診療科・処方日が同一・2枚

これがややこしいです。

例えば午前に内科のA病院に行き、午後に同じ内科のA病院で1枚ずつ処方箋を貰い、薬局にまとめて持って行くと受付回数はどうなるのでしょうか?  

一連の診療行為かどうかで異なる

一連の診療行為とは

疾病上関連がある場合に限らず、同一日に複数診療科を受診するというパターンになっている場合を含むもの」

とされています。

この説明ではよくわかりませんね…

一連の診療行為はなかなか難しいです。    

例えば午前にA病院に行き、午後に処方箋を見て薬の出し忘れに気づいて再度病院へいって処方箋を貰った場合は一連の診療行為に当たります。

この場合は2枚の処方箋を同時に薬局に持っていくと受付回数は1回です。  

では、一連の診療行為にならない例を挙げます。

午前に内科のA病院に行き処方箋を貰ったが、午後に体調が急変して再度A病院に行って処方箋を貰い、薬局にまとめて持って行った場合は一連の診療行為にはならず、受付回数は2回になります。

また、この場合はしっかりとレセコンに受付回数をわけた理由を記載しないと返戻になる可能性が高いです。

基本は同一医療機関では受付回数は1回なので、しっかりとレセコンに理由を記載しないと受付回数をわけた理由がわからないからです。

この例では「体調の急変」がキーワードであり、一連の診療行為には該当しないとされています。

複数の疾患があっても一つの医療機関で対応できるのであれば一連の診療行為に該当します。

一連の診療行為に該当しないのは上記で説明した、一度家に帰り、体調の急変があった場合などですね。

正直、どこまでが一連の診療行為なのかはっきりしません。

正直な話、このような事例はあまりありません。

受付回数が1回でも2回でもそこまで金額は変わらないので、仮に一連の診療行為にあたらなく、受付回数が2回になる場合でもまとめて1回にしてもバレません。

むしろ患者さんは安くて済むし、支払基金も薬局に支払う金額が安くなります。

薬局側も数十円のロスはありますが、まとめて受付1回にした方が楽です。

 

歯科は別扱い

総合病院だと様々な診療科と歯科が混在している病院があります。

同一の病院で内科と歯科の処方箋をまとめて薬局に持って行っても受付回数は2回になります。

上記の例でみると受付回数が1回になってもいいような気がしますが、歯科は例外です。

そもそも歯科は同一の病院でも他の診療科と「医療機関コード」が違うので、レセプト上では別の病院とみなします。

医療機関コードとは、医療機関毎に付与された10桁の数字のことです。

医療機関コードが違うと受付回数を1回にはできないようにレセコンが勝手に判断してくれるので間違って入力することはないと思いますが、歯科は同一の病院でも医療機関コードが違うと理解していないと誤って入力してしまうことがあるので注意しましょう。

 

まとめ

パターン受付回数
①同一医療機関・異なる診療科・2枚1回
②異なる医療機関・2枚2回
③同一医療機関・同一診療科・処方日が異なる・2枚1回
④同一医療機関・同一診療科・処方日が同一・2枚1回 or 2回

 

長々と書きましたが、結論としては

「処方箋はまとめて持って行った方が安くなる」

ということです。

しかし、細かく見てみると例外や難しい決まりなどがたくさんあります。

今回紹介した内容をしっかりと理解している薬剤師・調剤事務は少ないと思います。

「一連の診療行為」なんて定義もふわっとしていて、理解や説明に苦しみますからね。

 

 

つーか、一連の診療行為を誰にでもわかりやすくバシッと説明できる人を見たことがない。

 

 

80/100のルールはまだ歴史も浅く、知らなくても調剤できますし、仮に100/100で入力したとしてもレセプト上ではわかりません。

だからこそ知らないまま調剤する人が多いのですね。

返戻から学ぶことも多いです。

ドラッグストアの薬剤師だと薬の勉強以外にも今回のような診療報酬や保険の勉強もしなければならないのが辛いところ。

一人薬剤師だと自分ですべて行わなければならないし、管理薬剤師だと周りから聞かれるし、薬剤師や調剤事務を育てなければならなりません。

リーダーやマネージャーなどの管理職も色々なことを聞かれるので

「保険なんてわからん!」

とか言っているとすぐに信頼を失います。

Mr.Tは自分の上司だったリーダーで、聞いても全然答えらなかったのでそれ以降は一切相談せず、隣の地区のリーダーに聞いたりしていましたからね。

信頼を失うのは一瞬です。

周りのスタッフからも信頼されるように様々な知識をつけていきたいですね。

 

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以下の記事もご覧ください。

 

 

 

参考文献:

  1. 令和2年度診療報酬改定説明会(令和2年3月5日開催)資料等について (mhlw.go.jp)

  2. 保険調剤Q&A 令和2年版 (調剤報酬点数のポイント)

4

この本の対象者

・調剤事務・薬剤師
・保険調剤の質問事項を知りたい人
・レセプト関連の知識を更にレベルアップさせたい人  

保険調剤に関する質問事項がまとめられています。

基礎的な内容ではなく応用的な内容なので、ある程度知識がある人にオススメです。

実際に現場の人たちが疑問に思っている内容が掲載されているのでとても役にたちます。

各種加算などの質問もあるので調剤事務だけでなく、薬剤師にもオススメです。

読んでみると自分が疑問に思っていたことはもちろん、かなり応用的な知識まで掲載されているので調剤事務の知識の更なるレベルアップ間違いなしです。

文字がびっしりなので、興味があるところから読んでいきましょう。

 

POINT

・現場で実際に出てきた質問事項が満載
・Q&A方式で一つの事項がコンパクトにまとめられている
・質問に対する回答と根拠をしっかりと掲載

 

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