保険関係

タミフルドライシロップが入手困難な場合に脱カプセルで自家製剤加算が取れる?

2021/6/16(水)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回はタミフルの脱カプセルと自家製剤加算の関係についてです。
 

タミフルの脱カプセル。  

タミフルを脱カプセルする機会はあまりないと思います。

基本はカプセルのまま調剤しますし、ドライシロップがあるので粉で出せば問題ありません。  

粉の規格があるため、タミフルカプセルを脱カプセルしても自家製剤加算を算定することができません。  

しかし、タミフルの脱カプセルで自家製剤加算が算定できる事例があったのです。  

今回はタミフルの脱カプセルで自家製剤加算が取れる事例について説明していきます。  

 

そもそも自家製剤加算とは

「自家製剤加算は、個々の患者に対し市販されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、容易に服用できるよう調剤上の特殊な技術工夫を行った場合に算定する」  

と定義されています。

例として


  • 錠剤を割線に沿って分割する
  • 錠剤を粉砕し、散剤にする
  • 主薬を溶解して点眼剤を無菌に製する
  • 主薬に基材を加えて坐剤にする

 

以上のような調剤をしたときに自家製剤加算が算定できます。  

しかし、

「調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合」  

この場合には算定できません。  

例として


  • 錠剤を粉砕 → 粉が販売されていれば算定不可
  • 脱カプセル → 粉が販売されていれば算定不可
  • 2mgの錠剤を半錠 → 1mgの規格が販売されていれば算定不可 

 

以上のような例だと算定できません。  

なので、通常で考えるとタミフルの脱カプセルではドライシロップがあるので算定不可です。

しかし、特例として自家製剤加算が認められている場合があるのです。

 

タミフルドライシロップが入手困難な場合

平成21年11月6日に厚生労働省から

「新型インフルエンザに係るタミフル等に関するQ&Aについて」  

という事務連絡が出されました。   

一部抜粋します。  

問1 新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%(成分名:オセルタミビルリン酸塩)の入手が困難な場合において、当該製剤の投与対象となる患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、薬剤料の算定は可能か。  

(答) 新型インフルエンザの流行によりタミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であって、当該薬剤の投与が必要な患者に対して、タミフルカプセル75mgを脱カプセルし調剤したものをタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与した場合に限り、薬剤料の算定は可能である。この場合、脱カプセルしたタミフルカプセル75mgに係る薬剤料については、オセルタミビルの実際の投与量に相当する分(例えば、5日間でオセルタミビルとして合計262.5mg投与する場合は、タミフルカプセル75mgの3.5カプセル分)を請求するものとし、院内処方の場合には医科レセプトの摘要欄に、院外処方の場合には調剤レセプトの摘要欄に、それぞれ「タミフルドライシロップ不足のため」等のやむを得ない事情を記載すること。
 なお、タミフルドライシロップ3%の使用を優先することは当然であるが、その入手が困難であり、かつ、医療上その投与が必要と判断される状況においては、タミフルカプセル75mgを脱カプセルしてタミフルドライシロップ3%の用法・用量に従い投与することについて、本剤の服用方法や米国においても同様の方法が推奨されていることに鑑み、有効性・安全性上、ドライシロップ3%と異なるような特段の問題は生じないと考えている旨を医薬食品局審査管理課に確認済みであることを申し添える。  

問2 問1のようにタミフルカプセル75mgを脱カプセルし、賦形剤を加えて調剤した上で交付した場合、保険薬局は自家製剤加算を算定できるのか。 また、入院中の患者に対して同様の調剤をした上で投薬を行った場合には、保険医療機関は院内製剤加算を算定できるのか。  

(答)タミフルドライシロップ3%が入手困難な場合であれば、それぞれ算定できる。

引用:info1106-02.pdf (mhlw.go.jp)

 

ドライシロップが入手困難な場合に限り、自家製剤加算は算定できると書いてありますね。

あくまでも入手困難な場合ですので、在庫が無いという理由では算定できません。  

 

調剤方法の例

タミフルドライシロップ3%を作りたいので、1g中に30mg含有されていればOK。

では、10g中には300mg含まれればいいことがわかりますね。

タミフルカプセルは有効成分が1カプセルに75mg含まれているので、300mgにするには

300mg÷75mg = 4C

4C分、脱カプセルすればいいことになります。

脱カプセルしたものを賦形して10gにすれば3%の散剤が出来上がりです。  

「予製を作りたくない」

って人は下記に体重別、脱カプセルの調剤方法をまとめられた記事のリンクを貼っておきます。

タミフル脱カプセル情報 (hiroyaku.jp)

 

力価が意味わからないって人はこちらの記事から

【力価・計算】力価って何? 計算が苦手な薬剤師に計算方法を徹底解説
【力価・計算】力価って何? 計算が苦手な薬剤師に計算方法を徹底解説

続きを見る

 

まとめ

現在、新型インフルエンザはコロナウイルスのせいで影を潜めています。

徹底した感染対策でインフルエンザの薬の需要が減ってきています。

しかし、コロナの対策が終わり、感染対策の意識が薄れてきたときに新型インフルエンザがまた猛威を振るう時が来る可能性があります。

そのような時にまたドライシロップが入手困難になる可能性があり、脱カプセルしなければならない時が来るかもしれません。

脱カプセルは非常に面倒です。

面倒分の手間賃はしっかりと請求しましょう。

 

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参考文献:

  1. info1106-02.pdf (mhlw.go.jp)
  2. タミフル脱カプセル情報 (hiroyaku.jp)
  3. 000603920.pdf (mhlw.go.jp)

 

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