【棚卸】単純だけど難しい… 調剤・ドラッグストアの棚卸について徹底解説

ドラッグストア棚卸

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回はドラッグストアの棚卸についてです。
 

棚卸。

ドラッグストアでは棚卸というお仕事があります。

棚卸とは、簡単に言うと店にある商品の数をすべて数え、在庫金額を確定させる仕事です。

調剤の医薬品の棚卸とドラッグストアの店舗の棚卸のどちらとも行います。

外部に委託してやってもらうという会社もありますが、Mr.Tの会社では年に2回、従業員が棚卸を行います。

店舗の棚卸はお客さんがいるとできないので、半日がかかりで閉店して行います。  

棚卸は会社の資産や損益を把握する上で重要な仕事です。  

今回はドラッグストアの棚卸について説明します。

 

棚卸の目的

数を数えるだけという簡単な仕事ですが、きちんと棚卸の目的を理解していないと何のためにやっているのかがわかりません。

棚卸をする目的・理由を頭に入れておきましょう。  

利益を確定させる

売上高は毎日どれだけ売れたかをデータで記録しているのですが、利益はデータだけではわかりません。

利益にも種類がありますが、「売上総利益」を算出するためには「期末商品棚卸高」という項目が必要です。

期末商品棚卸高とは、簡単に説明すると棚卸をしたときに実際に店舗に存在する商品の合計の金額です。  

売上総利益は、

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

で計算されます。

売上原価は、

売上原価 = 期首商品棚卸額 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸額

で計算できます。

売上総利益を出すことを目的に、現在庫の金額を確定させるために棚卸をするのです。

難しい単語が出てきましたが、ドラッグストアで働くうえで、P/L(損益計算書)を理解していないと経営、運営ができません。

P/Lを理解できるようになりましょう。

 

ドラッグストアのP/L、P/L関係の記事はこちらから  

資産の管理

棚卸をすると、実際に店舗に置いてある個数(金額)とデータ上の個数(金額)が合わないことがあります。

これは万引きやレジの打ち間違い、商品の破損など、様々な理由でデータと実在庫がズレてしまうことがあるからです。

ズレが生じてしまうと、上記で説明した期末商品棚卸額が確定できません。

このズレを解消するために棚卸をし、店舗の資産を確定させます。  

また、棚卸をすることで商品の現在の状況を知ることができます。

破損していたり、汚れている商品は売り物になりません。

廃棄するしかないので、店舗の資産になりません。

あまり売れない商品だと、いくら日々の業務で売り場のメンテナンスをしていてもほこりを被ったり、汚れてしまうことがあります。

そのような商品を見つけ、どのように処分するか判断を下すことも棚卸で行います。  

 

ドラッグストアの仕事内容についての記事はこちらから

 

調剤の棚卸

調剤の棚卸は2種類あります。 


  1. 棚卸日までにあらかじめ数えておく 
  2. 棚卸日当日に初めからすべて数える

 

会社や店舗にもよりますが、Mr.Tの会社では1.の割合が多いので1.について説明します。  

準備

棚卸日の2週間~1ヶ月ぐらい前から業務の合間を見て、少しずつ医薬品を数えていきます。

棚卸日までに数えた医薬品の数がズレるのは承知の上です。

例えば在庫数が1000種類あって、1ヶ月で1000種類すべての医薬品が調剤されますか?

ABC分析やパレートの法則を理解している人であれば、そうでないことがわかるでしょう。

棚卸日までにすべての医薬品の数を数え終わることができれば、棚卸日当日はすごく楽になります。

また、在庫管理も重要です。

在庫が多いとその分数える作業も大変になります。

また、在庫金額が多いと売上総利益が減ります。

在庫を多く持っているだけで、会社としての利益が落ちてしまうのです。

発注を翌月に回す、デッドストックは返品したり、他の店舗に回すなどの在庫管理も重要です。

卸などからの伝票をすべて処理することも前日までに行います。  

実施

薬局を開局しながら、空いた時間を見てすべての医薬品を数えます。

前日までに一度数えているので、差異があるものだけ数え直します。

差異があるものをパソコンに入力していきます。    

検証

差異がある医薬品をすべて検証します。

なぜズレているのかの理由を明確にしなければなりません。

  • 数え間違え?
  • 過誤?
  • どこかに隠れている?  

などなど。

あまりにも数量や金額が違うと再棚卸と言い、もう一度棚卸をしなければなりません。

麻薬や向精神薬、インスリンなどは危険な薬であるため、毎日棚卸をして間違いなく患者さんにお渡ししていると確認することが重要です。  

2.棚卸日当日に初めからすべて数える」も1.とやることは同じです。

あらかじめ数えるのではなく、棚卸日当日に薬剤師、調剤事務などのスタッフ総出で一から数えます。

数え終わった後は1.と同じです。  

1.と2.のどちらともメリット・デメリットはあるのですが、在庫がズレたときにその原因を探す時間が結構かかります。

基本的には理由が判明するまで探すので。

1.の方では事前に数えてあり、その時にすぐにズレの原因を追究できるので、比較的棚卸日当日は時間的余裕があります。

しかし、2.はその日に数える、検証などをすべて行わなければならないので、時間的余裕はあまりありません。

個人的に在庫がズレると焦るので、メンタル的には1.の方がやりやすかったです。  

 

ドラッグストアの店舗の棚卸

ドラッグストアの店舗の棚卸は半日がかりで店舗を閉店して行います。

棚卸当日までにある程度の準備が必要です。

お客さんが商品を購入するので棚卸日前日までに数えることは不可能です。  

準備

棚卸日当日までに様々な準備が必要であり、準備をすることで棚卸日当日の仕事がスムーズに運びます。


  • カウントする機械の確認(個数、使い方など)
  • 棚卸日のシフトを確認
  • 倉庫や棚上、引き出しなどの店舗に陳列されていない商品の確認
  • 伝票類の処理
  • 棚卸の為、営業時間を変更する旨の告知
  • 売り場の整理、在庫を減らす
  • 各棚に番号札をつけるなど、棚卸当日に数えやすいように工夫する 

 

実施

Mr.Tの会社では棚卸日当日にシフトと担当が決められ、どのカテゴリーを数えるのかを割り振られます。

数えやすい場所、数えにくい場所あり、これはもう運です。

同じような商品に見えてもJANコードが違うと、異なる商品として数えなければなりません。

例えば歯ブラシは同じ種類でもかたい、ふつう、やわらかい等の種類があり、すべて別々です。

歯ブラシは正直アイテム数が多いのでやりにくい。

また、シャンプーなどで同じ商品なのにも関わらず、「限定で10%増量!」という商品もJANが違うことがあります。

数える側にとっては迷惑でしかありません。

このようなわかりにくい、間違えやすい商品もあるので、数えるにあたってかなりの集中力が必要になってきます。      

検証

検証は社員などの責任者が行います。

アイテム数が多いので、在庫金額のズレが大きい場所から検証を行います。

大量の商品があり、長時間働くのでどうしてもカウントミスがあります。

すべてのズレを検証することは難しいので、ロス率を参考にしながら検証する項目を決めていきます。

ロス率は、

ロス率 = ロス高 ÷ 期間の売り上げ高 × 100  

以上の式で算出されます。

このロス率を小さくするために検証を行います。

売上が大きい店舗だと、100万円以上のロスは普通にあります。

 

棚卸memo

棚卸を実際にしてみての一口メモです。      

棚卸が近づいてくると従業員のテンションが下がる

Mr.Tの会社では、棚卸は夜遅くまたは朝早くから始まります。

経験した人ならわかると思いますが、長時間ひたすら数え続けるだけの作業なのでとってもツライ…

また、年2回だけなのですが、棚卸が近づくにつれて従業員のテンションが下がっていきます。    

棚卸の雰囲気

店舗の棚卸は閉店して行います。

お客さんがいないので割と自由です。

頭が固い、まじめな店長や偉い人が来なければ有線で音楽を聴きながら、制服を脱いでリラックスして棚卸をする店舗もあります。

最初は結構緩い感じで始まるのですが、時間が経つにつれて疲れて集中力がなくなり、ミスをしやすくなります。

おしゃべりしながら数えるのもいいのですが、おしゃべりが過ぎる人はミスする確率が高い傾向にあると個人的には考えます。  

足を引っ張る人が絶対にいる

数えるだけという、単純な作業だからこそつまらないのですね。

おしゃべりしながらする人はミスする確率が高いだけでなく、他の人の邪魔にもなります。

このように足を引っ張るヤツもどの店舗にも一人はいます。

また、上記でも説明しましたが、同じように見えてもJANが違う商品を同じと判断してカウントする人も多いです。

何度言っても理解できない、集中してない、そもそもやる気がない人がいることは事実です。

ロスが発生するのでその分社員が大変になるのですが、誰がどこを担当しているかはすべて把握しているので

「また、アイツのカテゴリーだよ…」

と、イライラしながら検証する社員が多いです。    

閉店しているのに入ってくるお客さんがいる

棚卸をするという告知はしています。

しかし、すべての人に伝わるわけではなく、棚卸をしているのに来店してしまうお客さんもいます。

大抵の人は棚卸だと気づいて帰ってくれるのですが、入り口に棚卸中と貼り紙を貼り、お客さんを入れないようにバリケードを設置しているにもかかわらず無理やり入ってくるお客さんもいます。

レジを止めているので入ってきても買物はできません。

このような説明しても聞こうとしないワガママなお客さんは出禁にしてもいいと思うのですが…

暴力を振るわない限り、いくらお客さんが店員に迷惑をかけても警察は動きませんから。

日本のルールが甘すぎ。      

偉い人が来るとピリピリする

部長などの偉い人がお手伝いとして店舗に来て棚卸をすることがあります。

来ると最悪。

リラックスしてできないし、変に空気がピリピリするし…

しまいには偉い人がカウントミスすると指摘もできず、みんなイライラ…

役職についている人が仕事をできるとは限りません。

仕事ができることとマネジメントは別物です。

残念ながらMr.Tの会社では役職についている人に優秀な人材がほとんどいません。

仕事ができる人は現場を任せられ、役職に就く人は仕事ができない or コネなので。

中には優秀な人もいますが、これだけドラッグストアに勤めていて、役職についている上司で尊敬できた人数は片手で足ります。

 

まとめ

ドラッグストアの棚卸について説明しました。

棚卸をしたことがある人は共感する点が、無い人は雰囲気をつかめたでしょうか?

何でもそうですが、実際にやってみないとわかりません。

ひたすら数えるだけの単純作業が好きな人もいれば耐えられないという人もいるので一概には言えませんが、Mr.Tは棚卸が大嫌いです。

しかし、説明した通り、棚卸は重要な仕事の一つです。

棚卸をしないと売上や資産を管理できません。

棚卸の大切さを知れば見方や考え方が変わってくると思います。

ただ単純に数を数えて行うのではなく、棚卸の大切さを頭に入れて棚卸をしましょう。

 

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