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【ミドリン点眼の違い】 『ミドリンM』と『ミドリンP』の違いについて徹底解説

2021/9/10(金)

ミドリンMとミドリンPの違い

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回はミドリンMとミドリンPの違いについてです。
 

ミドリン点眼。

ミドリンの点眼にはミドリンMミドリンPの2種類が存在します。

名前は同じミドリンですが、MとPで何が違うのでしょうか?

今回はミドリンMとミドリンPの違いについて説明します。

 

有効成分

ミドリンM点眼液0.4%:トロピカミド(4mg/mL)

ミドリンP点眼液:トロピカミド(5mg/mL)・フェニレフリン(5mg/mL)  

 

ミドリンMはトロピカミドのみの単剤
ミドリンPはトロピカミドとフェニレフリンの2種類配合されています。

トロピカミドは副交換神経遮断による瞳孔括約筋の弛緩、フェニレフリンは交換神経刺激による瞳孔散大筋の収縮によって散瞳作用が起こります。

トロピカミドとフェニレフリンの配合比が1:1で散瞳効果が強くあらわれます。

また、ミドリンPの添付文書に以下のような記載があります。

臨床成績
  1. 散瞳作用
一般に高齢者では瞳孔径が小さい傾向にあり、トロピカミド単独の点眼では十分な散瞳が得られないことがあるが、フェニレフリン塩酸塩を配合した本剤では年齢に関係なく散瞳が得られ、特に40歳以上では散瞳効果の増強が著明であった。

引用:ミドリンP添付文書

 

ミドリンPの方がトロピカミドの量が多く、トロピカミドとフェニレフリンの2剤が配合されているので効き目が強いことが分かります。 

 

適応

ミドリンM:診断または治療を目的とする散瞳と調節麻痺    

ミドリンP:診断及び治療を目的とする散瞳と調節麻痺  

 

「または」と「及び」の違いだけで他は同じですね。

この違いについては特に意味はありません。    

適応は同じですが、使い分けは当然あります。  

ミドリンMは主に以下の疾患に使われることが多いです。


  • 子どもの毛様体筋の緊張による視力低下 
  • 仮性近視    

 

ミドリンPは主に以下の疾患に使われることが多いです。


  • 眼底検査 
  • 手術前  

 

ミドリンPの方が効果が強く、持続性があるため、検査に使用されることが多いです。  

また、ミドリンPにはブドウ膜炎や白内障の術後に起こる癒着を防止する効果もあります。

ブドウ膜炎や白内障の術後では、炎症が原因で虹彩と水晶体が癒着してしまう可能性があります。

ミドリンPの散瞳作用により、虹彩と水晶体が癒着することを防ぎます。 

 

用法・用量

ミドリンM

診断または治療を目的とする散瞳には1日1回、1回1〜2滴宛、調節麻痺には3〜5分おきに2〜3回、1回1滴宛点眼する。  

 

ミドリンP

散瞳には、通常、1回1〜2滴を点眼するか、又は1回1滴を3〜5分おきに2回点眼する。
調節麻痺には、通常、1回1滴を3〜5分おきに2〜3回点眼する。 なお、症状により適宜増減する。

 

MとPの由来

インタビューフォームの名称に関する項目に名前の由来が記載されています。

ミドリンMはmydriasis(散瞳)と myopia(近視)の M から。

ミドリンPはmydriasis(散瞳)と phenylephrine の P から。

ミドリンはmydriasis(散瞳)。

 

Mはmyopia(近視)。
Pはphenylephrine(フェニレフリン)。

名前の意味を理解していれば間違えることはないですね。

PはフェニレフリンのPだから配合剤!」 とでも覚えておきましょう。

 

ミドリンPの慎重投与

ミドリンPの方が効果が強いのであれば、ミドリンMはいらない気がします。

しかし、ミドリンPに「フェニレフリン」が配合されていることによって、慎重投与の人が増えてしまいます。

慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)

1. 小児[「小児等への投与」の項参照]
2. 高血圧症の患者[フェニレフリンの血圧上昇作用により症状が増悪するおそれがある]
3. 動脈硬化症の患者[フェニレフリンの血圧上昇作用により症状が増悪するおそれがある]
4. 冠不全又は心不全などの心臓疾患のある患者[フェニレフリンのβ1作用により症状が増悪するおそれがある]
5. 糖尿病の患者[フェニレフリンの糖新生促進作用により症状が増悪するおそれがある]
6. 甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症の患者では心悸亢進、頻脈等の交感神経刺激症状がみられることがあり、本剤の投与により症状が増悪するおそれがある]

引用:ミドリンP添付文書

 

ミドリンMの慎重投与は小児だけですが、ミドリンPはフェニレフリンの交感神経刺激作用によってこれだけの慎重投与が増えてしまいます。 

 

まとめ

ミドリンM

  • 単剤
  • 子どもの毛様体筋の緊張による視力低下、仮性近視に使う 
  • ミドリンPと比べると効果は弱い

ミドリンP

  • 配合剤
  • 眼底検査、手術前、癒着防止に使う
  • ミドリンMと比べると効果は強い
  • フェニレフリンの交感神経刺激作用により慎重投与が多い

 

名前が似ていて非常にややこしい薬ですが、以上のような違いがあります。

眼科の門前薬局などではこれらの違いはお手の物だと思いますが、それ以外の薬局だとミドリンPの処方箋が来ることはあまりないと思います。

一文字違うだけで過誤が起こるので、ミドリンの違いをきちんと理解し、患者さんに適切な説明ができるように覚えておきましょう。

 

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参考文献:

  1. ミドリンM添付文書、インタビューフォーム
  2. ミドリンP添付文書、インタビューフォーム

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