
こんにちは。Mr.Tです。
今回は去痰薬の違いについてです。
去痰薬の違い。
去痰薬はかぜの季節になるとよく出される薬です。
ムコダインとムコソルバンは名前が似ていて、一緒に出されることも多いです。
患者さんによっては
「同じ痰の薬なのに何故2種類も飲まないといけない?」
「名前が似ていてよくわからない」
などの質問をされることが多いです。
今回は主な去痰薬3種類、ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンについて解説していきます。
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治療薬一覧
商品名 | 一般名 |
ムコダイン | L-カルボシステイン |
ムコソルバン | アンブロキソール |
ビソルボン | ブロムヘキシン |
ムコダイン
一般名:L-カルボシステイン
気道粘液調整・粘膜正常化剤
特徴
- シアル酸/フコースの構成比を正常に戻すことによって気道粘液を正常にし、痰の粘性を低下させる
- 痰の粘性成分であるムチンの分泌を抑えることで痰の粘性を低下させる
- 炎症を起こした気道を修復し、粘膜を正常化することで痰を出しやすくする作用がある
作用機序
1. 気道に対する作用
- 粘液構成成分調整作
- 杯細胞過形成抑制作
- 気道炎症抑制作
- 粘膜正常化作用
2. 副鼻腔に対する作用
- 粘液線毛輸送能改善作用
- 粘膜正常化作用
ムコソルバン
一般名:アンブロキソール
気道潤滑去痰剤
特徴
- 気道を潤して痰を外に出しやすくする
- 気道の滑りをよくし、痰や鼻水を出しやすくする作用がある
- 症状が治まっても処方された日数を飲み切るのが良い
作用機序
1.気管・気管支に対する作用
- 肺表面活性物質(サーファクタント)の分泌促進作用
- 気道液の分泌促進作用
- 線毛運動亢進作用
2.副鼻腔に対する作用
- 病的副鼻腔分泌の正常化作用
- 線毛運動亢進作用
ビソルボン
一般名:ブロムヘキシン
気道粘液溶解剤
特徴
- 痰の構成物質である酸性糖蛋白を分解したり、粘性の低い漿液を増やすことで痰を薄め、痰を出しやすくする
- ブロムヘキシンの代謝物がアンブロキソール
- 痰の構成蛋白を分解する作用はビソルボンだけ
作用機序
- 漿液性分泌増加作用
- 酸性糖蛋白溶解・低分子化作用
- 肺表面活性物質の分泌促進作用
- 線毛運動亢進作用
なぜ併用する?
作用するポイントが違うからです。
上記で述べたように、
- 粘度(ねばつき)を減らす
- 気道の粘膜を整える
- 糖蛋白を分解する、サラサラした液体を分泌する
などの作用があり、それぞれ働きが違うため、併用して去痰作用を効果的に高めていきます。
医師にもよりますが以下のように使い分けることが多いです。
- 痰の量が多いときはムコダイン
- 喉に引っかかる感じの痰にはムコソルバン
- 痰の量が多く、引っかかるといった両方の症状が気になるときはムコダインとムコソルバン両方
以上のようなイメージが多いです。
ビソルボンは小児にはよく出ますが、成人出るイメージはあまりありません。
ビソルボンが代謝されるとムコソルバンになるのでこれらの2種類が併用されるのはあまり見たことがありません。
まとめ
ココがポイント
- 作用機序(作用するポイント)がそれぞれ違うため、効率的に痰を出すために併用する
- 症状によって使い分けている
- ビソルボンは代謝されるとムコソルバンになる
- 処方薬は基本的には1つの成分しか入っていないので、併用することで効果を高める
- OTC(市販薬)ではムコダインとムコソルバンが配合された商品が売られている
- ムコダイン:痰や鼻水の粘度(ねばつき)を減らしてサラサラにする
- ムコソルバン:気道の粘膜を整え、痰や鼻水を引っかかりにくくする
- ビソルボン:糖蛋白を分解して粘度(ねばつき)を減らす、サラサラした液体を分泌し、粘度を低下させる
まとめると以上のようになります。
作用するところが違うため、同じ去痰薬でも併用して効果を高めているのです。
病院から出された薬は医師が症状に合わせて薬を選んでいます。
飲みたくないとか、自分勝手に必要ないと判断するのはやめましょう。
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