医薬品

【高尿酸血症・痛風】尿酸値が下がったのに痛みが出る理由について徹底解説

2020/11/20(金)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は尿酸値が下がったのになぜ痛みが出るのかについてです。
 

「尿酸値が下がってきたのに痛みが出てしまった」

このような経験をした患者は、

「尿酸値を下げて痛みが出るのであれば薬を飲みたくない」

という発想につながっていきます。

なぜ下がったのに痛みが出るのでしょうか。

今回は数値が下がったのに痛みが出てしまう理由を説明していきます。

 

なぜ痛みが起こる?

痛風は尿酸塩結晶が関節内に析出することによって起こります。

析出した尿酸塩結晶をマクロファージや好中球が貪食し、各種サイトカインを遊離することで痛風発作(関節炎)が起こります。

尿酸塩結晶が析出・遊離するには、以下の2つの機序があります。


  1. すでに沈着していた尿酸塩結晶が急激な尿酸値の低下(尿酸降下薬の使用、過度な無酸素運動など)により関節腔に溶け出して遊離する
  2. 急激な尿酸値の上昇(過剰なプリン体摂取)により、結晶化が促進する

 

急激な数値の低下

治療には尿酸値を下げる薬が処方されます。

それに伴い、食事や運動、飲酒制限などの生活習慣も指導されます。

上記に記述した通り急激に尿酸値を下げると、すでに沈着していた尿酸塩結晶が関節内に溶け出して遊離することによって痛みが出てしまいます。

尿酸値が下がったのに痛みが出たのは、薬と生活習慣の改善で急激に数値が下がりすぎた可能性が高いです。

 

数値が低いと発作は出ない?

以下に尿酸値と痛風発症率を示します。


  • <6.0mg/dL:0.5%
  • 6.0~6.9 mg/dL:0.6%
  • 7.0~7.9 mg/dL:2.0%
  • 8.0~8.9 mg/dL:4.1%
  • 9.0~9.9 mg/dL:19.8% 
  • ≧10.0:30.5%

9.0 mg/dLを超えると発症リスクが急激に上がります。

通常、尿酸値が8.0mg/dLを超えると薬物治療を考慮します。

治療の目標は6.0mg/dLです。

数値が低いからと言って絶対に発症しないわけではありませんが、

発作を起こさないためにも6.0 mg/dL以下にしたいところです。

薬の服用や生活習慣の改善など、医師、薬剤師によく相談しながら治療していきましょう。  

 

まとめ

数値が高いからと言って急激に下げてしまうと痛みが出るリスクが高くなってしまいます。

せっかく頑張って数値を下げたのに、痛みが出てしまうのであれば努力してきたことが何だったのかと思ってしまいますよね。

生活習慣や薬も一気に変更するのではなく、徐々に変えていくのが理想です。

発作を起こさないためにも6.0 mg/dL以下を目標に徐々に下げていきましょう。

 

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以下の記事もご覧ください。

 

 

参考文献:

  1. (5年間の累積発症頻度:Campion EW et al: Am J Med 82(3): 421-426, 1987)、
  2. 薬がみえるvol.2
 
Vol.2なので、以上の項目が収載されています。
 
イラストが多めで「病気がみえる」に対応しています。
 
薬理学は解説が難しい書籍が多いのですが、イラストや図でわかりやすく説明されています。
 
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