保険関係

自己負担上限額管理票の書き方・見本と公費の処方箋の受付を徹底解説【公費の流れ】

2021/6/27(日)

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Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。   
今回は公費の処方箋の対応方法についてです。

 

公費の処方箋の対応。  

公費の処方箋は普通の処方箋と対応が違います。

 

  • 公費番号の記載の確認
  • 保険証・受給者証・自己負担上限額管理票の有無 
  • レセコンに適用区分・上限額・累計額を入力 
  • 自己負担上限額管理票に金額を記載

 

以上のことを行わなければなりません。

普通の処方箋と比べてやることが多いですね。

 

慣れてしまえばなんてことないのですが、初心者にとってはやることが多く、何をどうやればいいのか頭の中が整理できていない人も多いと思います。

今回は公費の処方箋の対応方法について細かく説明していきます。

 

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公費とは

公費とは、簡単に説明すると国や自治体が税収を財源として、医療保険制度とは別に費用の負担を行う制度のことです。

社会的弱者の救済や社会福祉、公衆衛生の向上、難病の治療や研究を目的としたものでもあります。  

 

簡単にまとめると…  

普通の処方箋と違うポイントはこの3点。

 

ココがポイント

  • 受付時に保険証・受給者証・自己負担上限額管理票の確認
  • レセコンに公費番号・適用区分・上限額・累計金額を入力
  • 自己負担上限額管理票に記載

 

これだけです。

慣れている人はこれだけでわかりますが、初心者はさっぱりだと思います。

今から細かく、注意するポイントも含めて説明していきます。  

 

受付

  受付時の確認ポイントを説明していきます。

 

処方箋に公費の番号の記載があるか

公費適用であれば、基本的には処方箋の公費の番号の欄に公費番号の記載があります。

例えば難病だったら54~、自立支援だったら21~、生活保護だったら12~から始まる番号が記載されています。

 

以下で説明しますが、患者さんが受給者証などを持参しても、処方箋に公費の番号がない場合は公費を適用することができません。

患者さんはいつものように処方箋と受給者証を提出してきますが、本当に公費適用でいいのかは病院でないとわからないので、公費適用か迷った場合は病院に疑義照会をしましょう。

単なる病院の記載漏れという場合もありますし、今回は臨時処方の為公費適用無しという場合もあります。

 

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保険証・受給者証・自己負担上限額管理票の有無

  公費を適用するためには 

 

  • 保険証
  • 受給者証
  • 自己負担上限額管理票

 

この3つが必要です。  

基本的にはこの3つを持参しないと公費を適用することができません。

生活保護の場合は以上の3つはありません。

代わりに調剤券というものを持ってきます。 

 

生活保護の処方箋が来た時の対応方法についての記事はこちらから

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保険証

普段と同様に処方箋と保険証を確認し、氏名や保険番号に相違がないか確認しましょう。

 

受給者証

公費適用者には受給者証が配布されます。

この受給者証には以下の項目が記載されています。

 

  • 公費の分類
  • 公費番号
  • 氏名、生年月日、住所などの個人情報
  • 疾患名
  • 保険者名
  • 保険証の番号
  • 適用区分
  • 有効期間
  • 月間自己負担上限額
  • 指定医療機関
  • 知事名および印

 

など 。

 

可能であればコピーを取らせてもらいましょう。

確認する項目が多く、後々必要になってくることもあります。

 

これらの項目で受付時に最低限、確認しなければならないポイントを説明していきます。

 

公費の分類、番号

処方箋に記載されてある公費の分類と番号を確認しましょう。

 

氏名、生年月日

処方箋に記載されてある氏名や生年月日などの個人情報を確認しましょう。

 

適用区分

受給者証には適用区分が記載されているものがあります。


21~などの更生医療・精神通院には記載がありません。


レセコン入力時に必須になりますので必ず確認しましょう。

 

有効期間

有効期間内かどうか確認しましょう。


たまに期限が切れたものを持ってくる患者さんもいます。


特に切り替えの時期は要注意です。

 

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月間自己負担上限額

公費には月間自己負担上限額というものがあります。


例えば¥10,000だとしたら、¥10,000までは患者さんが負担し、それ以上は国が負担してくれます。


レセコン入力に必須になりますので必ず確認しましょう。

 

指定医療機関

21~の自立支援などは指定医療機関というものが決まっています。


指定された医療機関で診察・調剤しなさいということです。


公費によっても違っていてグレーゾーンなのではっきりとは言えませんが、21~などの自立支援関係は指定医療機関でないと受付できません


公費を適用しなければ普通の処方箋として受付することはできます。


54~の難病などは特に決まった医療機関はありません。

 

自己負担上限額管理票

記入に関しては以下で詳しく説明しますが、自己負担上限額管理票で以下のことを確認しましょう。

 

  • 有効期間内かどうか
  • 上限額
  • 病院がきちんと記載しているかどうか

 

入力

適用区分・上限金額

必ず適用区分・上限金額を確認し、入力しましょう。

自立支援などには適用区分はないので、なければスルーして構いませんが、上限金額は必ず書いてあります。

この2つの入力がきちんとできていないと患者さんがいくら払えばいいのか、手帳にどのように記載すればいいのかがわからなくなります。

更新ごとに上限金額が変わることもあるので、切り替えの時期には特に注意しましょう。

 

処方入力

基本的には処方箋に公費の番号が記載されていれば、処方されている薬は公費の適用範囲内になります。

しかし、風邪などの臨時処方でいつもの薬に追加された場合、この臨時処方は公費の適用ではない可能性があります。    

処方箋を見ても判断がつかなければ病院に疑義照会をしましょう。

どの薬が公費適用でどれが適用外なのか。

 

適用外の薬を適用して調剤してしまうと確実に返戻対象です。

 

 公費の処方箋が来た時に注意して欲しいことについての記事はこちらから

関連記事
公費の処方箋
公費と公費外で対応が違う?公費の処方箋が来た時に注意すべきことを徹底解説

 

自己負担上限額管理票の記入

会計が終わったら自己負担上限額管理票に金額を記載しなければなりません。

公費は1ヶ月ごとに病院と薬局で払った金額を合算していくので、記入を忘れると次回患者さんが病院に行ったときに前回薬局でいくら払ったかわからず、患者さん、病院にも迷惑をかけてしまいます。

忘れずに記入をするようにしましょう。

以下に例を示します。

 

難病の例

 

医療費総額(10割負担)は難病のみ項目があります。

他の公費には記載がありません。

無い場合はスルーしてOKです。

県、市によって違う場合もあるので、よく確認してください。  

 

 

② 基本的に薬局側で記入するのは青く塗られた部分です。

最初に病院にかかり、1行目を記入してもらいます。

次の行に

・医療費総額(10割負担)
・自己負担額
・自己負担累計額(月額)

を記入し、印鑑を押します。

レセコンが計算してくれるので、レセコンに記載されてある数字を手帳に移すだけで大丈夫です。

自分で計算する必要はありません。  

 

 

6月16日の欄には斜線が引かれています。

これは、3回目の6月15日の時点で上限金額を超えてしまったので、今回はお会計が発生しません。

医療費総額(10割)だけ記載すればOK。

残り3つは斜線で構いません。  

 

 

上限金額に達した医療機関が記入します。

今回は6月15日に上限に達したので、××クリニックが記載します。

医療機関名と徴収印だけでOKです。

薬局で達した場合は薬局が記入します。        

 

 

初めは難しく感じるかもしれませんが、何回か経験すると流れがわかるのでそこまで難しくありません。

一度、各項目の意味だけは確認しておきましょう。

 

  • 医療費総額(10割負担):10割負担だったらいくら払うことになるのか
  • 自己負担額:今回患者さんが払った金額
  • 自己負担累計額(月額):今月患者さんが払った累計額

 

難病は基本的には2割負担です。

 

6月1日は医療費総額が¥30,000。

¥30,000 × 0.2 = ¥6,000

¥6,000の自己負担額です。

累計は1回目なのでもちろん¥6,000。

 

6月2日は医療費総額が¥10,000。

¥10,000 × 0.2 = ¥2,000

¥2,000の自己負担額です。

累計は2回目で、前回の¥6,000とプラスして¥8,000。  

 

6月15日は医療費総額が¥30,000。

¥30,000 × 0.2 = ¥6,000

¥6,000の自己負担額といいたいところですが、前回までで¥8,000払っています。

¥8,000 + ¥6,000 = ¥14,000で、上限の¥10,000をオーバーしています。

上回った分だけ国が負担してくれるので、

¥14,000 - ¥10,000 = ¥4,000

¥4,000分を国が負担。

残った分を患者さんが負担するので

¥6,000 - ¥4,000 = ¥2,000  

¥2,000の自己負担です。

累計は3回目で、前回の¥8,000とプラスして¥10,000。  

この時点で上限金額の¥10,000を上回っています。

この時点でを記入。

 

6月16日は医療費総額が¥10,000。

すでに前回で上限金額を上回ったので、医療費総額(10割)だけ記載すればOK。

残り3つは斜線で構いません。    

 

まとめ

文字にすると難しく感じる人も多いと思います。

結構な文量がありましたね。

しかし、慣れてしまえば難しくはありません。

 

問題は忙しいときにスムーズに対応できるか、3兄弟などで一気に公費が来た時に落ち着いて対処できるかどうかだと思います。

頭の中が整理されていれば対応できますが、あやふやな状態だとパニックに陥る恐れがあります。

Mr.Tも事務無し一人薬剤師の時に混雑時、3兄弟の公費などが重なり、大パニックになったことがあるので…

何度も繰り返して経験を積み、どんな状況でも落ち着いて対応できるようにしましょう。

 

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