薬局・薬剤師

疑義照会の薬局でのポイントについて徹底解説【医師に怒られる?】

2021/1/19(火)

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Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回は疑義照会についてです。

 

疑義照会。

 

処方箋を預けて薬を待っているときに

 

「なぜそんなに時間がかかるのだろう?」

 

と思う人はたくさんいると思います。

薬剤師の仕事を知らない人は、ただ薬を袋に詰めるだけの仕事だと思っている人が多いですが、薬剤師は処方箋から様々なことを考えなければなりません。

その中で一番時間がかかるのが疑義照会だと思います。

 

疑義照会とはいったい何をしているのでしょうか?

 

今回は疑義照会について説明していきます。

 

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疑義照会とは

第24条 薬剤師は、処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない。

薬剤師法より引用

 

薬剤師法にあるように、疑わしい点があった場合に疑義照会せずに調剤することはできません。

 

疑義照会は義務です。

 

具体的には以下のようなことをチェックし、疑わしい点があれば医師に確認するために電話やメールで確認を取っているので、どうしても時間がかかってしまいます。

 

  • 薬の名前は正しいか
  • 疾患に適した薬が処方されているか
  • 用法・用量は問題ないか
  • 相互作用や併用禁忌は問題ないか
  • 処方箋に不備はないか
  • 薬の重複は大丈夫か?
  • 副作用歴やアレルギー歴があるものが処方されていないか 
  • 処方日数は間違いないか
  • カラーコピーなどの偽造処方箋の疑いはないか
  • 投与制限や日数制限を超えていないか
  • 販売中止や名称変更された薬が処方されていないか

 

などなど。

 

「医師が間違うはずがない!」

 

と思っている人も多いと思いますが、医師も間違うことはあります。

処方箋を入力しているのは医師だけではなく、事務やその他の人も入力することがあります。

もちろん入力ミスだとわかっていても疑義照会しなければなりません。

 

病院で違う人の処方箋を渡されて薬局に持ってきたという事例もあります。

 

もっと詳しく

 

疑義照会のポイント

ここからは薬剤師向けです。

疑義照会する上でのポイントを説明したいと思います。

 

患者に疑義照会することを説明する

患者さんはなぜ調剤するのに時間がかかるのかがわかりません。

疑義照会という言葉を聞いたことがない人がほとんどです。

疑義照会してすぐに医師から回答を貰えれば問題ないのですが、折り返しや医師が不在などですぐに連絡が取れない場合もあります。

あらかじめ患者に疑義照会する旨を話し、どれぐらい時間がかかるかをあらかじめ伝えておかないと

 

「いつまで待たせるんだ!!」

 

と、トラブルになることが多いです。

 

時間に余裕がある人には一度帰宅してもらい、医師と連絡が取れ次第患者さんに電話するという方法も一つの手です。

患者さんが待たされてイラついてしまう原因は、理由もわからずに「なぜこんなに待たされるのか」ということです。

このような理由、状況なので時間がかかるということを説明すればトラブルを減らすことができます。

 

経験が必要

新人や薬剤師初心者には疑義照会はハードルが高いです。

上記でも説明した通り、様々な内容を短い時間で理解、確認、把握をしなければなりません。

知らない薬だと効能・効果や用法・用量が正しいかどうかわからないので、それなりの知識と経験は必要です。

 

医師の処方意図を読み取る

何かおかしいと思っても医師があえて処方している可能性もあります。

適応外処方の可能性もありますし、患者の容体に合わせてわざと量を調節している可能性もあります。

疑義照会すべき内容としない内容を判断する知識と経験も必要であり、医師の処方意図を読み取れるようにしましょう。

 

コミュニケーション能力が必要

誰しも間違いを指摘されるのは嫌です。 明らかな間違いでも知識不足の間違いでも、相手に不快な思いをさせないように気をつけましょう。

 

「間違っていると思うのですが」

絶対に使いません。

明らかにおかしいと思っても

 

「確認したい点があるのですが」

というフレーズを使います。

 

要点をまとめ、短時間で済ます

医師は多忙です。

診察や手術などの合間を縫って対応してくれています。

だらだら長い話は誰しも聞きたくありません。

 

身の回りにもいますよね。

長い時間だらだら話して要点がよくわからない人が。

そのような人になってはいけません。

 

要点をまとめ、短時間で説明、伝える力も必要です。

 

代替案を用意しておく

医師からされるであろう質問の答えを用意しておきましょう。

例えば代わりとなる薬の名前、規格、同種同効薬、併用禁忌など、医師からの質問に答えられなければ信頼は得られません。

時間もかかってしまいますし、こちらも焦ってしまいます。

 

あらかじめ代替案と医師からされるであろう質問を用意しておくことで自信をもって疑義照会できるようになります。

 

処方箋に疑義内容を記録する

疑義照会をしたら処方箋とレセコン(レセプト)に疑義照会をした内容を記載しなければなりません。

疑義照会をして、処方内容が変わっても変わらなくても記載義務があります。

 

ココがポイント

  • 疑義照会した年月日、時間、連絡手段(電話、FAXなど) 
  • 疑義照会した薬剤師の氏名
  • 対応した回答者の氏名(医師、事務、薬剤師など)
  • 疑義照会した内容
  • 回答内容

 

無駄な疑義照会を減らそう

上記で疑義照会は義務であり疑義照会のポイントを話してきましたが、一言で疑義照会と言っても内容が様々です。

命に関わる重大なことから、無駄だと思うことまで幅広い要件を疑義照会しなければなりません。

 

ここで思うのが、毎回同じような内容で疑義照会するのは時間の無駄ではないかということです。

 

疑義照会は病院に電話やメール・FAXをするのでどうしても時間がかかりますし、調剤がストップします。

本当にこの件に関して疑義照会は必要?と思う時もあります。

 

以下、無駄な疑義照会を減らす方法について説明します。

 

初めての場合は当然疑義照会する

門前薬局などでは病院の先生とのお約束があり、このような場合は疑義照会しなくてもいいなどと決められたルールがあると思います。

例えば

 

「残薬調整であれば事後報告でいいよ」

 

など。

しかし、面でやっているとそういうわけにはいきません。

全国の様々な病院から処方箋が来るので、その病院独自のルールなんて知るはずがありません。

些細なことでも初めてのケースであれば当然疑義照会をします。

 

用法のミス

服用するにあたって用法は重要です。

この用法に関する疑義照会が非常に多いです。

 

ほとんどは食後やいつ飲んでも問題ない薬が多いのですが、薬によっては「絶対に食前でなくてはダメ」などという薬もあります。

例えば糖尿病の薬のα-グルコシダーゼ阻害剤などがそうですね。

厳密に言うとα-グルコシダーゼ阻害剤は食直前ですが。

食前食直前は違いますので。

 

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この薬を食後に飲んでも最大限に効果を発揮することはできません。

このような事態を防ぐためにも疑義照会をします。

 

しかし、一度疑義照会をして食前 or 食直前に変更したとしても、次回の処方ではまた食後に戻っていることがあるのです…

恐らくdo処方で前回の処方を引っ張ってきているからでしょう。

このような場合はどのような対応を取っているでしょうか?  

 

  1. 記載が訂正されるまで毎回疑義照会をする
  2. 一度疑義照会しているのでスルー  

 

理想の薬剤師の対応としては当然①です。

しかし、一度疑義照会しているにもかかわらず何度も病院に電話するのは面倒だし、病院側もまたかよ…と思っているでしょう。

 

 

また、病院側の記載ミスや入力ミスでは重複投薬・相互作用等防止加算算定できません

あくまでも「薬学的観点」から処方変更になった場合のみ重複投薬・相互作用等防止加算が算定できるので、ただのミスでは薬学的観点に当てはまりません。

一度目は、

 

「医師が知らなかったため、こちらから疑義照会して患者さんの健康被害を守った」

 

と言えますが、2回目はただのミスなので通用しませんよね。

こちらから疑義照会しても結果がわかっているし、加算も取れないのであればやるだけ無駄だと思ってしまいます。

患者さんも待たせてしまいますし。

このような場合は薬局として決まりを作っておいた方がいいと思います。

 

Mr.Tの薬局では基本は②です。

しかし、条件があります。

 

  • do処方
  • 患者さんが医師から変更などの指示を受けていない 
  • 前回疑義照会した記録が残っている  

 

これらの条件が揃っていれば疑義照会せずに調剤します。

もちろん、レセコンには過去に疑義照会した内容を継続で載せます。

レセコンに記載しておかないとレセプトで確実に返戻になるので注意しましょう。

 

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漢方の食後が多い

一般的な漢方の用法は「食前又は食間」です。

しかし、「食後」で処方されることが非常に多いです。

 

これには医師の意図がある場合があります。

上記でも述べた通り、食後に飲む薬が多いので、飲み忘れを防ぐためにあえて漢方も食後で出している場合があります。

この意図を理解しないで疑義照会すると、医師や病院から

 

「そんなことで電話してくるなよ…」

 

と思われてしまいます。

しかし、添付文書では食後では適応が無いので、食後で調剤すると返戻になる可能性が高いです。

なので、初めての場合はしっかりと疑義照会をします。

 

「一応、添付文書上では食前又は食間なのですが、食後で出してよろしいでしょうか…」

 

といった具合に「確認」という形で疑義照会します。

 

「漢方は食前または食間です!食後では間違っています!」

 

なんて疑義照会は絶対にしないようにしましょう。

ミスを指摘するような疑義照会をする薬剤師は二流以下です。  

 

医師の意図を確認できたのであれば、それ以降は他の患者さんでも疑義照会せずに調剤してしまいます。

レセコンにしっかりと疑義照会の内容を記載してあれば問題ありません。

 

「漢方の用法を医師に確認(or了承)済み」と記載していますが、返戻が来たことはありません。

しかし、何度も言いますが、疑義照会は薬剤師の義務です。

時と場合によりますし、すべてが当てはまるとは限りませんので注意してください。

 

疑義照会する前に必ず確認すること

一人薬剤師であれば

 

「この患者さんは前回疑義照会したから今回はしなくてもいいや」

 

と判断ができますが、複数の薬剤師がいる薬局ではそうはいきません。

 

「用法が違う。疑義照会だ!」→「前回も同じこと聞いただろ(怒)」

 

という残念な流れになることが結構あります。

 

疑義照会した内容はレセコンや薬歴に内容を残しておくのですが、記載し忘れや確認漏れなどで再度疑義照会してしまう薬剤師が非常に多いです。

疑義照会する前に必ず前回のレセコン入力と薬歴を見るようにしましょう。

 

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薬局で病院ごとの決まりをまとめておく

ココがポイント

  • この病院は添付文書より少し多めに処方する
  • 漢方は食後でOK
  • 残薬調整は事後報告でOK
  • 一包化の可否は薬局で判断してOKだが、調剤後にFAXを送る 
  • 先発の錠剤、OD錠の変更は事後報告でOK

 

などなど…

病院によっては独自のルールがあることがあります。

病院ごとに何か特殊なルールがあるのであればまとめておいた方がいいでしょう。

 

面だと様々な病院から処方が来てわからなくなるので、集中率が高い病院だけでもまとめておきましょう。

薬局内のスタッフがきちんと理解していれば疑義照会の手間が省けますし、病院もくだらない内容で電話に出なくていい、患者さんも待たなくていいといいことだらけです。

 

本当にその疑義照会は必要?

真面目な薬剤師は結果がわかりきっているのにもかかわらず毎回疑義照会をします。

薬剤師としては当然のことですが、仕事の効率という面で見ると非常に悪く、仕事ができる人という印象はありません。

 

Mr.T

別にそんなことで疑義照会しなくていいよ…
時間のムダ。他の事やってよ…  

 

というのがMr.Tの本音です。

賛否両論あると思いますが、わかりきっていることに時間を使う必要があるのかとも思います。

 

自分の正義感と自己満足の為の疑義照会はいらないと思います。

疑義照会は時間がかかることが多いです。

解決しないと調剤ができず次に進めませんし、電話をしている薬剤師は他の業務ができません。

実質-1人になってしまいます。

周りの状況、病院、患者さんへの配慮も必要だと思うのです。

 

面倒くさいからという理由で疑義照会しないのではありません。

あくまでも臨機応変にです。

自分の薬局の疑義照会の状況、近隣の病院の独自ルールを一度見直してみてはどうでしょうか?  

 

まとめ

疑義照会で時間がかかる理由がおわかりいただけたでしょうか?

処方箋から様々なことを考え、判断し、行動しているのが薬剤師なのです。

少しでも薬剤師の仕事が理解され、浸透されればと思います。

 

また、薬剤師に対して、疑義照会のポイントも説明しました。

最初は苦手意識をもつ人が多いのですが、慣れてしまえば特に問題なくこなせるようになります。

中には気難しい医師や病院もあり、すんなりといかないこともありますが、そこはしょうがないと割り切るしかないと思います。

 

「あー、はい、はい」

 

と流せるような「スルースキル」も必要だと思いますが、経験を重ねるうちにだんだんと慣れてきます。

Mr.Tもこれまでに数えきれないぐらいの疑義照会をしてきましたが、当然怒られたり、失敗したりはあります。

しかし、医師から感謝されたこともあります。

そういう時はうれしいですよね。

 

患者さんだけでなく医師にも感謝され、為にもなるという経験は頻繁に起こることではありません。

経験を重ねるだけでなく、知識やスキルも必要になってきますが、自信をもって疑義照会できるような薬剤師が増えてくれればいいなと思っています。

 

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