
薬局での医薬品の検品って、薬を確認して受け取るだけだから簡単そう。
新人の薬剤師や調剤薬局事務でもできるんだから私でも簡単にできると思うんだけど、気を付けることはあるの?

確かに薬を確認して受け取るだけだから、誰でもできる仕事だよ。
でも、しっかりと気を付けるべきポイントを熟知していないとトラブルの元だよ。
ベテランでも時々、薬局と卸との間でトラブルが起きるから、なるべく双方ミスがないようにしたいね。
薬剤師でも調剤薬局事務でも薬局で働いている人は誰でも薬の検品をしたことがあると思います。
現在、Mr.Tがいる薬局で取引している卸の会社は以下の4社です。
- アルフレッサ
- メディセオ
- 東邦薬品
- スズケン
卸の中では4強なので別に名前を出しても構いませんね。
検品は、薬局側が伝票に書いてある薬の名前を読み上げ、卸が薬を箱から取り出す。
これだけです。
この作業はとても簡単で誰にでもできることなのですが、注意しないと後々トラブルになることがあるのです。
今回は薬の検品時に確認して欲しいことをまとめました。
▼調剤薬局事務に関する記事はこちらからご覧ください。
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Contents
薬局での医薬品検品の流れ
薬の検品は基本的には以下の流れです。
- 卸の担当者が箱の中に入った薬と伝票を持ってくる
- 担当者が伝票を薬局側に渡す
- 薬局側が伝票の薬を読み上げ、担当者が薬を箱から取り出す
その中でも現在、メディセオだけは薬局側と担当者との間で薬と伝票の確認はせず、薬が入った箱を置いていくだけの形をとっています。
こちらの方が楽なので他の卸もこの形式をとってもらいたいのですが…
薬局での医薬品検品時に確認すべきこと
伝票の確認
- 自店の名前が記載されているか
- 薬の名前と卸が持ってきた薬が一致しているか
- 薬の数
- 薬の期限
- 薬のLOT
- 正しい伝票かどうか
自店の名前が記載されているか
卸は自分の店舗だけを担当しているわけではありません。
自分の担当のエリアがあり、何店舗も掛け持ちして薬を配達しています。
稀に時点ではない、他の店舗の伝票がまぎれていることがあります。
きちんと確認しないと後で
「ヤベッ、これ他の店の伝票と薬だ…」
となります。
特にMr.Tのようなチェーンの会社は要注意。
○○薬局△△店の〇〇は同じですので間違いやすいですよね。
人間は始まりと終わりが特に記憶に残ると言われています。
最後まで見ず、始まりだけ見て合っていると判断する人が多いので、必ず最後まで店名を見るようにしましょう。
薬の名前と卸が持ってきた薬が一致しているか
こちらが伝票の薬を読み上げ、担当者が薬を箱から取り出す。
こちらが間違った名前を読み上げるとあちらはわからなくなります。
また、似たような名前もありますし、錠剤とOD錠(口腔内崩壊錠)、複数規格など間違いやすいポイントはたくさんあります。
GEも最後のメーカー名だけしか違わないなど、最後まで注意しないと間違いの元です。
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【剤形一覧】こんなにも種類があるの!? 剤形について一覧にしてまとめてみた
薬の数
必ず薬の数を確認するようにしましょう。
1個とは限りません。
枚数が多い店舗だと一気に10,20の単位で発注している店舗もあるでしょう。
後で100Tズレてると気づいたときは青ざめますよ…
薬の期限
検品した薬の名前があっていても、伝票に書かれたものと期限が違うものを卸が持ってくることもあります。
期限が近いものを持ってこられると正直迷惑ですし、在庫管理が狂います。
必ず期限も確認するようにしましょう。
もっと詳しく
薬のLOT
上記の期限と同じです。
検品した薬の名前があっていても、伝票に書かれたものとLOTが違うものを卸が持ってくることもあります。
LOTが違うと在庫管理が狂います。
自主回収などがあったときにパソコンの中のデータと実物が違うと面倒なことになります。
必ずLOTも確認するようにしましょう。
-
自主回収された薬は危険? 医薬品の自主回収と対応方法について徹底解説
正しい伝票かどうか
卸にも伝票が複数あるようです。
薬局側に渡す伝票、印鑑を貰って会社に持って帰る伝票、その他にも用途はわかりませんが、確認しただけでも最低でも3種類は伝票があります。
その伝票が本当に薬局側で保管するものなのかをきちんと確認しましょう。
大抵、卸に返す伝票は印鑑を押す欄があり、薬局保管の伝票にはありません。
普段と何か違うと感じたら担当者にすぐに確認した方がいいです。
確認しないとどのようなトラブルが起きるか?
他の店舗の伝票、薬を持ってくる
上記で説明した通りです。
卸も間違うこともあります。
違う店舗の伝票を持ってくることもあります。
検品した薬が違う
錠剤、OD錠、規格、GEのメーカーなどが検品してから違うこともあります。
薬の数が違う
卸が出し忘れたとか、車の中に置き忘れたということはよくあります。
棚卸時に気づいてもどこでズレたかわからなくなるので、必ず検品時に数を確認しましょう。
期限が違う
検品した薬の期限と伝票の期限が違うこともよくあります。
LOTが違う
LOTまではなかなか検品時に確認している人は少ないので確認するようにしましょう。
上記で説明した通り、自主回収があった場合、面倒なことになります。
伝票自体が違う
慣れていない卸の担当者だと、薬局側に渡してはいけない伝票を渡してくる場合があります。
「いや、これ、そちら側の伝票なんですけど」
「あ、すいません」
みたいな会話は結構あります。
検品後、間違いに気づいたら
検品時に気づけば問題ないのですが、検品し終わった後に気づいてしまったらすぐに卸に電話をかけましょう。
卸もデータで在庫を管理しているので間違いに気づくはずです。
Mr.Tも何度も経験があります。
- 違う店舗の伝票、薬だった
- 薬が違う(錠剤とOD錠の違い)
- 薬の数が違う
- 伝票と薬の期限が違う
- 伝票と薬のLOTが違う
- 伝票が複数枚あり、どれを保管・返却すればいいかわからない
上記で挙げた確認して欲しいポイントをスルーし、すべて経験してきているのです。
簡単な仕事だからこそ新人や経験が浅い事務さんに任せることも多いのですが、上記のことをきちんと確認しないとこうなります。
まとめ
確認すべきポイント、きちんと確認しないとどうなるかがご理解いただけたでしょうか?
卸もこちらも人間なので間違うことはあります。
しかし、事前に間違いを阻止できるに越したことはありません。
担当者が不慣れであったり、明らかに仕事ができそうにない人だったら要注意です。
普段より注意するレベルを上げて検品をしましょう。
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