医薬品

オルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化不可の理由を徹底解説

2021/8/26(木)

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オルメテック・メトグルコ一包化

 

Mr.T

こんにちは。Mr.Tです。
今回はオルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化についてです。

 

オルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化。

 

オルメテック

一般名:オルメサルタン  

 

メトグルコ

一般名:メトホルミン

 

フオイパン

一般名:カモスタット

 

オルメテックとメトグルコ、オルメテックとフオイパンの組み合わせで一包化すると変色します。

添付文書にも一包化不可と記載があります。

なぜ一包化不可なのでしょうか。

 

今回はオルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化について説明します。

 

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一包化不可の理由

添付文書、作用機序の点から理由を説明します。

 

添付文書

オルメテックOD錠の添付文書を見てみると、以下のように記載があります。

 

14.1 薬剤調製時の注意
本剤をメトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。

引用:オルメテックOD錠5mg/オルメテックOD錠10mg/オルメテックOD錠20mg/オルメテックOD錠40mg (pmda.go.jp)

 

メトグルコ錠も見てみましょう。

 

14.1 薬剤調製時の注意
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。

引用:メトグルコ錠250mg/メトグルコ錠500mg (pmda.go.jp)

 

高温多湿の条件下で一包化すると変色するようです。

 

第一三共株式会社さんのHPにも試験結果の一部が載せてありますので引用します。

 

■メトホルミン塩酸塩製剤との一包化
オルメテックOD錠20mgとメトホルミン塩酸塩製剤を一包化し、30℃/65%RH、遮光で90日保存した試験では、メトホルミン塩酸塩製剤で14日後#より変色*が認められました。含量測定は実施していません。
・14日後#:観察時期は開始時、7日後、14日後、28日後、60日後、90日後
・変色*:ごくうすい赤色や赤黄色、うすい黄色など

 

引用:オルメテックOD錠をメトホルミン塩酸塩製剤やカモスタットメシル酸塩製剤などと一包化(分包)した場合の安定性について教えてください。| よくある質問(Q&A) | 第一三共「Medical Library」 (medicallibrary-dsc.info)

 

添付文書によると「高温多湿条件下」と書いており、この試験では30℃/65%RHで14日目から変色が見られます。

夏場などではすぐに30℃を超えてしまいますし、患者さんがどのように保管しているかはわからないので、オルメテックとメトグルコは別包にした方がいいでしょう

 

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作用機序

フォーゲス・プロスカウエル反応(Voges−Proskauer(VP)反応)が関与しています。

有機化学を思い出してください。

有機化学が得意な人はワクワクするでしょう。

逆に苦手な人は飛ばしてもらって構いません。

「有機」って聞いただけでアレルギーが出る人もいますからね。

 

有機化学の勉強法についてはこちらの記事から

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VP反応は、オルメサルタン メドキソミルから遊離した(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基(DMDO基)が加水分解されてジアセチルとアセトインへ変化し、これらがメトホルミンのグアニジノ基と反応することにより起こると考えられています。

 

 VP反応の概要

 

オルメテックとフオイパンもダメ

添付文書に 「メトホルミン塩酸塩製剤又はカモスタットメシル酸塩製剤等が変色することがあるので、一包化は避けること。」

と記載があるので、フオイパン(カモスタット)も一包化不可です。

 

フオイパンの構造式

 

フオイパンにもグアニジノ基があるので、メトグルコと一緒ですね。

 

DMDO基を持つ薬

オルメテック
一般名:オルメサルタン メドキソミル

 

オルメテックの構造式

 

スオード
一般名:プルリフロキサシン

スオードDMDO基

スオードの構造式  

 

どちらもDMDO基が入っていることが分かります。

スオードは抗生剤です。

基本的に一包化することがないので添付文書に一包化の記載はありません。

 

しかし、オルメテックと同じDMDO基を持つので、メトグルコと一包化すると変色する可能性は高いでしょう。

頭の片隅にでも入れておきましょう。

 

レザルタス配合錠

レザルタス配合錠は以下の2つの成分が入っています。

 

  • オルメサルタン メドキソミル
  • アゼルニジピン

 

当然、オルメサルタンが含まれているのでレザルタス配合錠もメトグルコ・フオイパンと一包化不可です。

添付文書にもメトグルコ・フオイパンとの一包化不可の記載があります。

 

配合錠はたくさん発売されており、何の成分が入っているのかわからなくなることがあります。

オルメサルタンが含まれている配合錠はレザルタス配合錠だけなので覚えてしまいましょう。

 

メトホルミンを含む薬

イニシンク配合錠

  • アログリプチン
  • メトホルミン    

 

エクメット配合錠

  • ビルダグリプチン
  • メトホルミン      

 

グリコラン錠

  • メトホルミン  

 

メタクト配合錠

  • ピオグリタゾン
  • メトホルミン

 

メトアナ配合錠

  • アナグリプチン
  • メトホルミン

 

上記で挙げた薬はメトホルミンが含まれている為、オルメテックとの一包化は不可です。

添付文書にも記載されています。

しかし、エクメット配合錠だけは記載がありません。

 

「一包化不可の薬」についての記事はこちらから

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エクメット配合錠は一包化OK?

エクメット配合錠

  • ビルダグリプチン
  • メトホルミン

 

エクメット配合錠にも当然、メトホルミンが含まれています。

しかし、添付文書には一包化不可の記載がありません。

 

また、オルメサルタンの文字もありません。

エクメット配合錠とオルメテックの一包化は特に問題ないようです

 

国家試験にも出題

今回取り上げたオルメテックとメトグルコの問題は、国家試験でも出題されています。

 

第105回薬剤師国家試験

問210〜211

73歳男性。高血圧と糖尿病のため以下の薬剤が処方されていた。

 

 

 

 

 

 

薬剤師が患者宅を訪問した際、この患者に末梢神経障害などがみられ、薬剤をPTPシートから取り出すことに不自由していた。そのため、薬剤師は、一包化することを医師に提案することにした。患者が服用しているオルメサルタンメドキソミル錠の添付文書を確認したところ、下記のような記載があった。

【取扱い上の注意】
本剤をメトホルミン塩酸塩製剤と一包化し高温多湿条件下にて保存した場合、メトホルミン塩酸塩製剤が変色することがあるので、一包化は避けること。

問210(物理・化学・生物)
オルメサルタン メドキソミル錠に含まれる有効成分Iはプロドラッグであり、生体内において図に示すような活性体ⅡとⅢを生じる。一方、高温多湿条件下でもⅠの加水分解反応によってⅢが生成し、これとメトホルミンとの反応によって変色が起こるものと推定されている。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

 

1 IはⅡの疎水性を高めることにより、経口吸収性を改善したプロドラッグである。
2 Ⅱのテトラゾリル基はヒドロキシ基の生物学的等価体である。
3 Iの炭酸エステル部位の酸化反応により、ⅢとCO2を生じる。
4 メトホルミンは高い求電子性をもつ。
5 メトホルミンとⅢとの反応は縮合反応である。

 

問211(実務)
この処方を調剤する場合に、薬剤師の対応として適切でないのはどれか。1つ選べ。なお、それぞれのケースにおいて患者の了承はあるものとする。

1 オルメサルタンメドキソミル錠とそれ以外の薬剤を別々に分包する。
2 医薬品インタビューフォームなどを参考にし、変色が起きないと考えられる日数で分割調剤する。
3 乾燥剤を入れた缶に保存するなど、変色が進まない保管方法を患者に指導する。
4 メトホルミン塩酸塩錠を他のビグアナイド系薬剤に変更可能か医師と協議する。
5 オルメサルタンメドキソミル錠を他の降圧剤に変更可能か医師と協議する。

 

このような問題が良問だと個人的に思います。

構造式などの基礎的な知識と実務に使える知識が両方混ざったいい問題だと思います。

答えは当然、薬剤師ならわかりますよね。

問210は1と5。
問211は4です。

 

お助けアイテム

一包化をするとき、シートから薬を取り出すときに大活躍するアイテムです。

硬くて取り出しにくい錠剤や、力を入れるとつぶれてしまうカプセルを取り出すときに便利です。

 

まとめ

ココがポイント

  • オルメテックとメトグルコ・フオイパンは、一包化すると高温多湿条件下で変色する
  • フォーゲス・プロスカウエル反応(Voges−Proskauer(VP)反応)が関与
  • オルメテック、メトグルコはどちらも配合錠が存在するので注意
  • エクメットの一包化は問題ない

 

一包化不可ですが、高温多湿にならないように乾燥剤を入れたり、分割調剤にするなどの工夫をすれば一包化は可能です。

しかし、あまりオススメはしません。

万が一変色してしまうと患者さんに不安を持たせてしまいますので。

 

オルメテックとメトグルコはどちらともよく使われる薬です。

高血圧と糖尿病、どちらの疾患も持っている患者さんはたくさんいます。

だからこそ併用する可能性が高く、今回紹介した知識を知らないで一包化してしまうという事例がよく見受けられます。

国家試験で扱われるほど有名な事例ですが、知らない人も結構います。

ARBの歴史はまだまだ浅いので。

 

一包化不可の詳しい理由まで知る人は少ないと思うので、薬局内で共有してみるのはいかがでしょうか?

これから入ってくる新人たちは常識として入ってくるので、先輩が知らなかったでは済まされませんよ。

 

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Mr.T

以下の記事もご覧ください。

 

参考文献:

  1. 各種添付文書

  2. 第105回薬剤師国家試験

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