医薬品

一包化できない薬の一覧・組み合わせを徹底解説【一包化不可一覧】

2021/7/23(金)

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一包化できない薬の一覧・組み合わせを徹底解説【一包化不可一覧】

 

一包化できる薬とできない薬の区別がつかないの。

一覧とかにしてまとめてくれたら嬉しいな。

 

Mr.T

一包化できない薬と組み合わせについてまとめてみたから参考にしてね。

光とか吸湿性とか、様々な要因に注意が必要だよ。

 

こんな方におすすめ

  • 一包化できない薬を知りたい人
  • 一包化できない薬の組み合わせを知りたい人

 

一包化は正直薬剤師にとって頭を悩ませる仕事です。

 

調剤するのに時間がかかるということと、すべての薬を一包化できるわけではなく、薬によって吸湿性や遮光などの様々な条件によって一包化できない薬が多いので、一つずつ調べなくてはいけないのが大きな理由です。

 

しかし、一包化は患者さんにとっては便利なもので、飲み忘れや飲み間違いなどを防ぐことができ、コンプライアンスの向上につながります。

 

今回は一包化できない薬の一覧・組み合わせをまとめてみました。

 

なお、今回は先発のみです。

 

一包化不可として記載したものでも、遮光する、乾燥剤を入れるなどの工夫をすれば一包化できるものもあり、Mr.Tも今回挙げたリストの中の医薬品のいくつかは一包化しています。

 

しかし、責任は取れませんので、一包化する際は自己判断でお願いします。

 

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一包化できない薬(一包化不可)一覧

 

この章では一包化できない薬とその理由についてまとめます。

 

商品名一般名理由
アカルディカプセルピモベンダン吸湿性
アサコール錠メサラジン吸湿性
アスパラカリウム錠L-アスパラギン酸カリウム吸湿性
アトーゼット配合錠エゼチミブ
アトルバスタチン
遮光・酸化を避ける
アフィニトール錠エベロリムス吸湿性・遮光
アブストラル舌下錠フェンタニル吸湿性
アボルブカプセルデュタステリド吸湿性・遮光
アレグラOD錠フェキソフェナジン吸湿性
イーフェンバッカル錠フェンタニル吸湿性
インヴェガ錠パリペリドン吸湿性
ヴァンフリタ錠キザルチニブ吸湿性
エジュラント錠リルピビリン遮光
エックスフォージ配合OD錠バルサルタン
アムロジピン
吸湿性
エビリファイOD錠アリピプラゾール吸湿性
エルカルチンFF錠レボカルニチン吸湿性
エレルサ錠エルバスビル吸湿性
オーファディンカプセルニチシノンボトルから取り出した後は
速やかに服用
オフェブカプセルニンテダニブ吸湿性
オラセフ錠セフロキシムアキセチル吸湿性
カーバグル分散錠カルグルミン酸ボトルごと交付
キプレスOD錠モンテルカスト吸湿性
グラジナ錠グラゾプレビル吸湿性
クラリチンレディタブ錠ロラタジン吸湿性
グルコバイOD錠アカルボース吸湿性
グルコバイ錠アカルボース吸湿性
クレストールOD錠ロスバスタチン吸湿性
コンサータ錠メチルフェニデート吸湿性
サーティカン錠エベロリムス吸湿性・遮光
ザガーロカプセルデュタステリド吸湿性・遮光
サチュロ錠ベダキリン遮光
サワシリン錠アモキシシリン吸湿性
ジオトリフ錠アファチニブ服用直前に取り出す
シクレスト舌下錠アセナピン吸湿性
シダキュアスギ花粉舌下錠スギ花粉エキス原末吸湿性
ジプレキサザイディス錠オランザピン吸湿性
ジャクスタピッドカプセルロミタピド気密容器以外に分包しない
ジャルカ錠ドルテグラビル
リルピビリン
吸湿性
シュアポスト錠レパグリニド吸湿性
シングレアOD錠モンテルカスト吸湿性
スターシス錠ナテグリニド吸湿性
スローケー錠塩化カリウム吸湿性
ゼルボラフ錠ベムラフェニブ吸湿性
セレジストOD錠タルチレリン吸湿性
セレニカR錠バルプロ酸吸湿性
ゾーミッグRM錠ゾルミトリプタン吸湿性
ディオバンOD錠バルサルタン吸湿性
ディナゲストOD錠ジエノゲスト吸湿性
デノタスチュアブル配合錠沈降炭酸カルシウム
コレカルシフェロール
炭酸マグネシウム
吸湿性・遮光
デパケン錠バルプロ酸吸湿性
デルティバ錠デラマニド吸湿性
トビエース錠フェソテロジン湿気、高温を避ける
ニンラーロカプセルイキサゾミブ吸湿性
ネイリンカプセルホスラブコナゾール吸湿性
ネオーラルカプセルシクロスポリン吸湿性
ネオフィリン錠アミノフィリン配合変化が多い
ノベルジン錠酢酸亜鉛水和物高温多湿を避ける
バファリン配合錠A330アスピリン
ダイアルミネート
吸湿性
ビ・シフロール錠プラミペキソール遮光
ピートルチュアブル錠スクロオキシ水酸化鉄吸湿性
ビバンセカプセルリスデキサンフェタミン吸湿性
ピフェルトロ錠ドラビリン吸湿性
ファスティック錠ナテグリニド吸湿性
ファリーダックカプセルパノビノスタット吸湿性
プラザキサカプセルダビガトランエテキシラート吸湿性
プレバイミス錠レテルモビル服用直前に取り出す
フロモックス錠セフカペンピボキシル吸湿性
ヘプセラ錠アデホビル吸湿性
ヘモクロンカプセルトリベノシド吸湿性
ペルサンチン-Lカプセルジピリダモール吸湿性
ベルソムラ錠スボレキサント吸湿性・遮光
ペルマックス錠ペルゴリド毒性・刺激性・異臭、頭重感等
ホスレノールOD錠炭酸ランタン水和物吸湿性
ホスレノールチュアブル錠炭酸ランタン水和物吸湿性
マクサルトRPD錠リザトリプタン吸湿性
ミティキュアダニ舌下錠コナヒョウヒダニ抽出エキス
ヤケヒョウヒダニ抽出エキス
吸湿性
ミニリンメルトOD錠デスモプレシン吸湿性・遮光
ミラペックスLA錠プラミペキソール湿度
メキニスト錠トラメチニブ吸湿性・遮光
メトリジンD錠ミドドリン高温多湿を避ける
ラジレス錠アリスキレン吸湿性
リアルダ錠メサラジン吸湿性
リパクレオンカプセルパンクレリパーゼ吸湿性
リベルサス錠セマグルチド吸湿性
リムパーザ錠オラパリブ吸湿性
リンゼス錠リナクロチド吸湿性
レグナイト錠ガバペンチン高温・多湿化で品質低下
レミッチカプセルナルフラフィン遮光
レンビマカプセルレンバチニブ吸湿性
ロスーゼット配合錠エゼチミブ
ロスバスタチン
吸湿性

 

Mr.T

ほとんどが吸湿性の問題だね。

 

一包化不可の組み合わせ・条件付き

 

この章では一包化不可の組み合わせや条件付きで一包化可能な薬をまとめます。

 

商品名一般名理由
イニシンク配合錠アログリプチン
メトホルミン
オルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
オルメテックOD錠オルメサルタンメトホルミン、カモスタットとの一包化で変色。
ガスコン錠ジメチルポリシロキサンフェノバリン等のフェノールフタレイン系薬剤との配合によりピンク色に着色。
薬効には影響なし。
ガスサール錠ジメチルポリシロキサンフェノバリン等のフェノールフタレイン系薬剤との配によりピンク色に着色。
薬効には影響なし
グリコラン錠メトホルミンオルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
シナール配合錠アスコルビン酸
パントテン酸
アルカリ性薬剤、吸湿性薬剤との配合は避ける。
ビオスリー配合OD錠ラクトミン
酪酸菌
糖化菌
アミノフィリン、イソニアジドとの配合により着色。
ビオスリー配合錠ラクトミン
酪酸菌
糖化菌
アミノフィリン、イソニアジドとの配合により着色。
フオイパン錠カモスタットオルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
ミヤBM錠宮入菌アミノフィリン、イソニアジドとの配合により着色。
メタクト配合錠ピオグリタゾン
メトホルミン
オルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
メトアナ配合錠アナグリプチン
メトホルミン
オルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
メトグルコ錠メトホルミンオルメサルタンとの配合は避ける。
本剤が着色。
レザルタス配合錠オルメサルタン
アセルニジピン
メトホルミン、カモスタットとの一包化で変色。

 

オルメサルタンとメトホルミンはよく使われる薬であり、一緒に飲んでいる人も多いので一包化する際は要注意です。

 

Mr.T

組み合わせによって一包化不可の薬も結構あるんだね。

 

オルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化不可の理由については以下の記事をご覧ください。

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オルメテック・メトグルコ一包化
オルメテックとメトグルコ・フオイパンの一包化不可の理由を徹底解説

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一包化不可の理由と対処法

薬局2

 

この章では一包化不可の理由と対処法について説明していきます。

 

吸湿性が強い

一包化不可の理由で多いのが吸湿性の問題です。

 

シートから取り出すと錠剤が水分を吸ってしまい、成分の安定性が変化することがあります。

 

対処法として、一包化した後にチャック付きのビニール袋に乾燥剤を入れて患者さんにお渡しするという方法がありますが、吸湿性が強すぎるものは乾燥剤でも対処が難しいので、一包化しないほうがいいでしょう。

 

Mr.T

乾燥剤を入れて一包化することはよくあるよ。

日数が少なければ乾燥剤で何とかなることが多いね。

 

光によって分解・変色など

シートから取り出された錠剤に光を当てると成分が分解したり、変色したりなどということがよくあります。

 

光に弱い薬の一包化に関しては遮光袋に入れて患者さんにお渡しすることが多いです。

 

Mr.T

光ぐらいだったら遮光袋に入れてお渡しすることが多いね。

患者さんにも光にあてないようにとちゃんと説明しよう。

 

高温多湿

ほとんどの錠剤は室温保管(1~30℃)で可能なのですが、保管する部屋の温度が高かったり、湿度が高いところに保管すると成分が変化してしまうことがあります。

 

この場合は患者さんにお渡しする際にしっかりと「涼しい場所に保管するように」と説明しましょう。

 

Mr.T

夏場や梅雨の時期とかは要注意だね。

人によって保管する場所が違うからしっかりと説明が必要だよ。

 

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毒性・刺激性

中には毒性や刺激性がある錠剤もあります。

 

患者さんが飲む分にはそこまで接触する時間が少ないので問題ないのですが、一包化となると長い時間接触することになるので薬剤師の体に影響が出る可能性が高くなってしまうのです。

 

毒性や刺激性が強い錠剤は健康のためにも一包化しないほうがいいでしょう。

 

やむを得ず一包化する際は、手袋やマスクなどをするなどといった防御が必要です。

 

Mr.T

普通の薬局だと病院みたいに安全キャビネットとかがあるわけじゃないから、できれば一包化しないほうがいいね。

 

トリダスPRO TO-100で楽に一包化

 

 

トリダスPRO TO-100は、一包化をする際シートから薬を取り出すときに大活躍するアイテムです。

 

硬くて取り出しにくい錠剤や、力を入れるとつぶれてしまうカプセルを取り出すときに便利です。

 

しかし、普通のやり方で手動で行っている人にとってはスピードが落ちてしまうのがデメリットでもあります。

 

Mr.T

Mr.Tも使ってるけど、硬い錠剤とつぶれやすいカプセルのときだけだね。

どうしても一包化する際のスピードが落ちてしまうから、普通の錠剤だったら手でやった方が速いよ。

 

まとめ

まとめ

 

今回は一包化できない薬の一覧・組み合わせをまとめました。

 

中には遮光袋や乾燥剤を入れれば一包化可能な薬も多く、一包化の日数によっても可否が分かれます。

 

経験によるところも多いのですが、なるべく患者さんのコンプライアンスが上がるような選択をしていきましょう。

 

 

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