医薬品

【⑦ 八味地黄丸】アンチエイジングの効果!? 八味地黄丸について徹底解説

2021/6/05(土)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は八味地黄丸についてです。
 

八味地黄丸。  

年は誰でも取りたくないもの。

高齢になるにつれて体のいたるところに支障が出るようになってきます。

西洋の薬でアンチエイジングの薬はありませんので、老化が原因と思われる症状には八味地黄丸が使われることがあります。    

今回は八味地黄丸について説明していきます。

 

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効能・効果

疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの次の諸症

腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、前立腺肥大、高血圧

 

用法・用量

通常、成人1日7.5gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。  

 

組成

  本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。  

  • 日局ジオウ   6.0g
  • 日局サンシュユ 3.0g
  • 日局サンヤク  3.0g
  • 日局タクシャ  3.0g
  • 日局ブクリョウ 3.0g
  • 日局ボタンピ  2.5g
  • 日局ケイヒ   1.0g
  • 日局ブシ末   0.5g

 

配合生薬の薬効

 

生薬名読み効能・効果
地黄ジオウ補血強壮・子宮出血
山茱萸サンシュユ滋養強壮・頻尿
山薬サンヤク滋養強壮
沢瀉タクシャ浮腫・痰飲・清熱
茯苓ブクリョウ浮腫・健胃・痰飲・不眠
牡丹皮ボタンピ消炎・瘀血
桂皮ケイヒ芳香性健胃・発汗・解熱
附子ブシ悪寒・関節痛

 

生薬の効能・効果一覧はこちらの記事から

【生薬一覧】あんなものが使われてる? 生薬の効能・効果について一覧にしてまとめてみた
【生薬一覧】あんなものが使われてる? 生薬の効能・効果について一覧にしてまとめてみた

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もう少し各生薬の薬効を深く見ていきます。

 

地黄

補養
・抗加齢作用

・内分泌調整作用  

山茱萸

腎機能改善作用 

山薬

健胃
・止痢作用

・鎮咳作用 

沢瀉

利尿作用
・消炎利尿作用
・抗めまい作用 

茯苓

利尿作用
・抗めまい作用
・抗動悸作用
・鎮静作用   

牡丹皮

抗炎症作用
・抗化膿性炎症作用 
・血流改善作用

桂皮

発汗解熱作用
・血流改善作用 
・抗頭痛作用
・抗動悸作用

附子

鎮痛作用
・強心作用
・体温上昇作用 

 

八味地黄丸の処方構造

・栄養改善、滋潤作用:地黄-山茱萸-山薬 
・水分排泄作用:沢瀉-茯苓
・血流改善作用:牡丹皮-桂皮
・冷え改善作用:桂皮
・新陳代謝改善作用:附子 

 

栄養改善、滋潤作用

地黄-山茱萸-山薬の3種類で栄養改善、滋潤作用の効果があります。

地黄が八味地黄丸のメインの生薬となります。

この3種類が皮膚のしわや乾燥に効果があり、アンチエイジングの作用があります。  

水分排泄作用

沢瀉-茯苓の組み合わせには水代謝改善作用があるので、むくみ、口喝、夜間頻尿に効果があります。  

血流改善作用

牡丹皮-桂皮は血流改善作用があるので、加齢によって起こる動脈硬化や動脈硬化性の血流の低下に効果があります。  

冷え改善作用・新陳代謝改善作用

桂皮-附子の組み合わせは鎮痛作用、基礎代謝亢進作用(体温上昇作用)で冷えに効果があります。  

 

アンチエイジングとの関係

高齢者は拡張機能障害による右心不全が起こりやすくなり、日中の尿量減少と夜間の頻尿の増加が起こりやすくなります。

これらの症状を沢瀉-茯苓の水代謝改善作用で治療します。

新陳代謝の低下や冷えは桂皮-附子の組み合わせ。

動脈硬化に対しては牡丹皮-桂皮で治療します。

フレイル(筋力低下)には地黄-山茱萸-山薬の組み合わせで治療します。

高齢者でなくても、働き過ぎで元気がなくなっている人でも使うことができます。

 

胃腸障害に注意

八味地黄丸には地黄が含まれています。

地黄には胃腸障害の副作用があるため、胃腸が弱い人には六君子湯またはテプレノン(セルベックス)を併用した方がいいでしょう。

 

六君子湯テプレノンの記事はこちらから

㊸ 六君子湯
【㊸ 六君子湯 】食欲不振にはこの漢方! 六君子湯について徹底解説

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【胃薬・違い】『セルベックス』と『ムコスタ』の違いについて徹底解説
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適応と生薬の関係

糖尿病と蛋白尿の関係

八味地黄丸には適応に糖尿病とありますが、血糖値を下げる効果や蛋白尿を改善させる効果はありません。

口喝を改善したり、糖尿病の諸症状を改善させるだけとなります。      

高血圧との関係

八味地黄丸には適応に高血圧とあります。

加齢現象による高血圧であれば、牡丹皮-桂皮の血流改善作用と沢瀉-茯苓による水代謝異常改善作用で降圧効果が期待できます。    

坐骨神経痛との関係

高齢者は冷えで痛みが出るパターンが多いので、坐骨神経痛は桂皮-附子の組み合わせで治療します。

上記にあげた通り、桂皮-附子には鎮痛作用、基礎代謝亢進作用(体温上昇作用)があるので、体を温めて治すイメージですね。

 

まとめ

八味地黄丸について解説しました。

アンチエイジングとはそもそも老化を遅らせることなので、八味地黄丸を飲んで若返ることはありません。

しかし、体に異常がある場合、その異常を八味地黄丸で改善することができれば体の機能を改善・回復させ、若返ったように見える可能性もあります。

効果が出るのに時間がかかる漢方なので、すぐに効果を求める患者は服用をやめてしまう可能性があります。

効果が出るまで時間がかかるということをしっかりと患者に説明し、焦らず、ゆっくりと治療に向き合うようにすることも薬剤師の仕事です。

 

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以下の記事もご覧ください。

 

参考文献:

  1. ツムラ八味地黄丸添付文書
  2. 漢方薬処方レクチャー まずはこれだけ20

4.5

この本の対象者

・薬剤師などの医療人
・登録販売者
・漢方の知識を深めたい人
・漢方初心者

代表的な漢方を20種類取り上げ、それぞれ一つずつを解剖して説明しています。

漢方に含まれる生薬を一つずつわかりやすく説明してくれ、生薬の組み合わせによってどのような効果が表れるかを説明してくれます。

個々の生薬の説明、生薬の組み合わせでの効果の発揮の仕方が非常にわかりやすい一冊となっています。

生薬の働きがわかれば、この本に取り上げられている20種類以外の漢方も何故この生薬が含まれていて、どのような効果があるのかがわかるようになってきます。

 

POINT

・代表的な漢方の20種類を説明
・漢方初心者でもわかりやすい解説
・陰陽などがわからなくても大丈夫
・各生薬の働き、漢方の構造も詳しく説明

 

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