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患者がウソをつく? 併用薬の上手な聞き取り方法について徹底解説

2021/5/11(火)

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回は併用薬の上手な聞き取り方法についてです。
 

併用薬の聞き取り。  

薬剤師であれば当然患者に聞くべき項目です。

対面やアンケート、お薬手帳などで確認することができます。

OTC(市販薬)でも併用薬の聞き取りは必ず行わなければならないので、登録販売者も同じです。  

併用薬を口頭で聞き取るのは簡単です。

「併用薬はありますか?」
「他に飲んでいる薬はありますか?」  

これだけです。

しかし、この聞き方だと、実際に併用薬があるのに 「無い」 と答えられる可能性があります。

調剤、OTCの販売が終わってから 「この薬を飲んでいる」 と言われるのは日常茶飯事です。  

今回はこのような事態を未然に防ぐ為に、併用薬の上手な聞き取り方法について解説していきます。  

 

なぜ患者は併用薬を答えてくれないのか

まずはこれらのことを理解しておきましょう。

答えるのが面倒くさい

このことを頭に入れておかなければなりません。

「別に何飲んでも平気でしょ?」
「先生が出してるんだから問題ないでしょ?」
「市販薬なんてそんなに強くないでしょ?」  

このような考えを持った患者は多いです。

実際には飲んでいるのに答えるのが面倒だから「飲んでない」と回答する人が多いのです。

血圧の薬を飲んでいると答えたら、そこから「名前はわかりますか?」などと会話が続いてしまいますしね。  

単純に併用薬を忘れている

複数の薬を飲んでいると自分が何の薬を飲んでいるか理解していない患者が多いです。

特に一包化をしていると、どの薬が何の効果があるのかさっぱり理解していない患者もいます。

一剤しか飲んでいなくても、認知症などが進んでいる患者は飲んでないと答えることが多いです。    

薬だと理解していない

サプリメントは医薬品ではないですが、飲み合わせが悪いものもあります。

ビタミン剤などはサプリメントでも処方薬でもどちらでも出る可能性があります。

サプリメントは薬の飲み合わせに影響はないと思っている患者が多いです。

ビタミン剤は基本的に過剰に摂取しても体の外に出ますが、体の中に蓄積してしまうビタミンもあります。

ビタミンD・A・Kの3種類です。

脂溶性のビタミンはD・A・K・Eの4種類ですが、E以外は体の中に蓄積されやすいです。

脂溶性のビタミンは「DAKE(だけ)」 と覚えましょう。  

「併用薬」という言葉自体がわからない

薬を全く飲んでこなかった人は「併用薬」という言葉自体を知らない可能性があります。

初めて聞く言葉は聞き取ることも難しいですよね。

こちら側は常識でも、患者側にとっては常識ではありません。

専門用語は使わないようにしましょう。    

 

上手な聞き方のテクニック  

薬を飲んでいますか?ではダメ

こちらが聞き取りたいのは併用薬。

「他に薬を飲んでいますか?」

この聞き方だと、経口薬しか答えてもらえない可能性が高いです。

「飲む=口から入れる」という認識があるので、目薬や塗り薬を併用している患者はキッパリと「無い」と答えるでしょう。

「他に薬を使っていますか?」
「飲み薬以外に目薬や貼り薬などは使っていますか?」

このような聞き方だと答えてもらえる確率が上がります。  

併用薬を聞き取る前にワンクッション入れる

いきなり「他に薬を飲んでいますか?」 と聞くのではなく、

「お薬を安全に使う為~」
「飲み合わせが悪い薬もあるので~」

などと、併用薬を尋ねる理由を先に言うと答えてもらえる確率が高まります。

上記で説明した通り「別に飲み合わせは問題ないでしょ」と軽く考えている患者が多いので、少し脅している感じになりますが

「あなたの為を思って併用薬を聞いているのですよ」

というメッセージを伝えましょう。    

 

併用薬を聞き忘れると…

禁忌に該当すると大変なことになりますね。

一例をあげます。

緑内障で点眼薬を使用中。
併用薬を尋ねると「無い」と答えたのでPL配合顆粒を調剤。  

はい、禁忌ですね。  

抗コリンで眼圧上昇でアウトです。  

厳密に言うと、閉塞隅角緑内障のみ禁忌なのですが、その場で開放隅角緑内障閉塞隅角緑内障なのかをこちらで判断することはできません。

薬を使っている緑内障は基本的には開放隅角緑内障なのですが、医師ではないので確定はできませんよね。

この事例は上記の「飲み薬以外に他に使っている薬はありますか?」で防げますね。

調剤でもOTCでもよくある事例だと思います。  

また、OTCでよくある事例なのですが、ロコアテープの添付文書に以下のような記載があります。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

本剤2枚貼付時の全身曝露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1 日貼付枚数は2 枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けることとし、やむを得ず併用する場合に は、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。 

引用:ロコアテープ添付文書

 

使っているのはテープだけだから市販の鎮痛剤は何でもOK。

という頭が働く人が多いと思いますが、ロコアテープは

「他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用は可能な限り避けること」

と記載があるので、勝手にこちらの判断で鎮痛剤を勧めるのはマズいでしょう。

やはり薬の名前まで可能であれば聞きとるべきです。  

 

まとめ

こちらが患者に聞きとる際に「聞き方」「なぜ併用薬の有無を聞いているのか」の2点が患者に伝われば教えてくれる可能性が高まります。

患者も自分の体の事なので、少しでも危険があるとわかれば面倒でも正直に答えてくれるでしょう。  

なかには併用薬は無いとアンケートに書いてあるのに実際は併用薬があったというクレームも存在するので、アンケートを過信せず、投薬時に必ず併用薬の有無は口頭で聞いた方がいいでしょう。  

調剤し終わった後、会計が済んだ後に併用薬が発覚するととても面倒なことになります。

ここで判明すればまだいいのですが、併用禁忌の薬を飲んでしまい、アクシデントが起こると終わりです。  

患者の体の為にも、こちら側も併用薬を聞き取るテクニックというものを身につけましょう。

 

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以下の記事もご覧ください。

 

 

参考文献:ロコアテープ添付文書

 

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