医薬品

【ベストロン点眼用0.5%】ベストロン点眼の使い方・溶解方法について徹底解説

2021/10/25(月)

ベストロン点眼用

 
こんにちは。Mr.Tです。
今回はベストロン点眼の使い方・溶解方法についてです。
 

ベストロン点眼用0.5%。

セフェム系抗生物質の目薬です。

普通の抗生物質の目薬ですが、初めて調剤する時はほとんどの人が一旦、手が止まるでしょう。

一般的な目薬とは違い、ベストロン点眼は袋の中に粉と液体の瓶が入っており、これらをその場で溶解して患者さんにお渡ししなければならない薬です。

溶解方法がわからないと調剤することができません。

溶解の仕方は袋に書いてあり特に難しくないのですが、焦っているときは何をしでかすかわかりません。

残り1本しかなく、絶対に失敗できないという状況に追い込まれたら冷静に対処できるでしょうか…      

今回はベストロン点眼の使い方・溶解方法について説明します。

 

基本事項

一般名

眼科用セフメノキシム塩酸塩(略号:CMX)  

作用機序

細菌細胞壁の合成阻害  

効能又は効果

〈適応菌種〉

セフメノキシムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、セラチア・マルセスセンス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、緑膿菌、アクネ菌

〈適応症〉

眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法  

用法及び用量

本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1〜2滴を1日4回点眼する。

なお、症状により適宜回数を増減する。

ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。  

用法及び用量に関連する注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。    

取扱い上の注意

貯法:室温保存

溶解後は、冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないこと。  

粉末及び溶解液は分割して調製しないこと。(溶解後の薬液中の粉末成分が均一とならず、白濁することがあるため) 

 

溶解方法

ベストロン1

1.粉末瓶の矢印(↑)の部分から親指で強く押し上げる

ベストロン2

2.溶解液瓶の白い大キャップをまわしてとりはずし、液がこぼれないように開封した粉末瓶にしっかり差し込み、よく振って粉末を完全に溶かす

ベストロン3

3.溶解液瓶の方に薬液を移した後、粉末瓶をとりはずし、大キャップをし、固くしめる

ベストロン4

4.ピンクの小キャップだけをとりはずして使用する

また、使用後は必ず冷所に保存すること。 

 

注意事項

  • 冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないこと。
  • 使用時は、ピンクの小キャップだけを取り外して点眼すること。大キャップは点眼する時には使わない。
  • しっかりと粉末が溶けたかを確認すること
  • 粉末がすべて溶けるようにしっかりと振ること
  • 液体、粉末をこぼさないように気を付けること

 

用事溶解する点眼薬の例

商品名一般名保管方法・使用期限
カタリンK
カタリン
ピレノキシン溶解後は冷所に遮光して保存し,3週間以内に使用すること
タチオングルタチオン溶解後は冷所(1〜15℃)保存し、4週間以内に使用すること
**ピバレフリンジピベフリン溶解後、1カ月以内に使用すること
ベストロンセフメノキシム溶解後は冷所(1〜15℃)保存し,7日以内に使用すること

*表が切れてたら横にスクロールしてください。

**ピバレフリン点眼液0.04%、同0.1%(ジピベフリン塩酸塩)はR3.6月に販売中止

 

過誤の事例

溶解しないで点眼した

Mr.Tの会社であった事例です。

ご家族が薬を取りに来て、薬剤師が以下のことを聞き取ったようです。

  • 「めやに」で使うように医師から言われている
  • 他の薬も使っており、いつから使うかは本人が聞いているから溶解しなくていい
  • 使用期限も短いので使うときになったら自分で溶解する
  • 本人にはきちんと伝えておく
  • ご家族はしっかりと理解している様子  

 

1週間後「本人」が来局し、粉末が入った瓶を持って来局。

「この前の目薬は使い切ったが、この粉は何に使うのか?」

どうやら、粉末を溶解しないで点眼していたようです。

幸い、めやにの症状は治まっており、目に異常はありませんでした。 

改善策

  • 次回の受診日を確認し、溶解して渡す
  • いつから使うかを電話などで本人に確認する
  • 疑義照会で他の薬剤に変更  

 

ベストロンは溶解してから冷所保存で7日間使用することができます。

次回受診が1週間後であれば溶解してもいいでしょう。

また、めやにの症状が出ているからこそ受診しているので、溶解して渡してしまって問題ないかと思います。

ご家族が納得いかないようだったら本人に電話で確認するのも一つの手です。

「医師からどのような指示を受けているのか?」
「いつから点眼するつもりなのか?」

その際に粉を溶かして使う薬であることを簡単に説明することもできますし、薬局の方で溶かしておくと許可を取ることもできるでしょう。

大抵、溶かすのは面倒なのでOKを貰える確率が高いと思います。

本人やご家族が理解できていないようだったら疑義照会をして、他の目薬に変更してしまうという手もあります。

絶対ベストロンではないとダメ! という症状はありませんので。 

大キャップを外して点眼した

過誤ではないですが、患者さんのミスもあります。

ベストロンには点眼するための小キャップと薬を溶解するための大キャップがあります。

患者さんは基本的に小キャップしか使いません。

大キャップをあけて点眼はできません。

液体がすべて出てしまいます。

きちんとこのことを説明しないと題名の通り大キャップを外して点眼しようとし、すべて床にぶちまけてしまうハメになるのです。

実際にこのような事例があったので、服薬指導時には特に注意して説明しましょう。

 

まとめ


  • 冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないこと
  • 使用時は、ピンクの小キャップだけを取り外して点眼すること。大キャップは点眼する時に使わない。
  • しっかりと粉末が溶けたかを確認すること
  • 粉末がすべて溶けるようにしっかりと振ること
  • 液体、粉末をこぼさないように気を付けること
  • 基本的には溶解してお渡しすること。溶解しないでお渡しする時は対策を取ること。

 

慣れてしまえばそんなに難しい薬でありません。

しかし、何故今回この薬を取り上げたかというと、Mr.Tは初めてこの薬を調剤したときに焦った記憶があるからです。

 

  • 一人薬剤師で混雑時
  • ベストロンは1本しかなく、失敗できない
  • 調剤するのは初めて
  • 調剤の仕方も知らない  

 

このような時に冷静に対処できるでしょうか?  

Mr.Tの薬局でベストロンが処方されるのは1年に1~2回程度です。

はっきり言って忘れます。

袋に書いてあるやり方を見ながら調剤しています。

一回やってみれば覚えるのでそんなに怖がらなくてもいいのですが、焦っているときにどれだけ冷静に対応できるかがカギとなります。  

その時に

「ベストロンは溶解して渡す薬だ」

と、知っているか知らないかでは焦り具合が変わってきます。

ドラッグストアでは店舗数が多いため、管理薬剤師以外は複数の店舗を掛け持ちすることが多いです。

その薬局によってよく出る薬が違ってきます。

だからこそ、たくさんの知識が必要なのです。

「こんな薬があるんだ。初めて知った!」

というような人に役立てれば幸いです。

 

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参考文献:ベストロン点眼用0.5% 添付文書

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